台風の記憶
台風が来るといつも思い出す記憶があります。
小学3年生だったと思う。
和歌山に暮らしていたので、台風が来るのは恒例行事のようなもので、なんのめずらしさもなかった。学校が休みになるかが大事で、警報が出た時にはうれしくてたまらなかったし、夜中の間に通り過ぎて、解除されちゃうと、かなしくてたまらなかった。
そして小学3年生の夏。
初めて台風が怖いと感じた。
泣きわめいたことを今でも覚えている。
海の目の前に我が家があって
そして
我が家にはシャッターが家に取り付けられていた。
そのシャッターに風がまともに当たったのである。
ー家が壊れるー
すごい勢いで我が家に体当たりする台風。
シャッターをお父さん、お母さん、お父さんの職場の人で抑え、弟と私がそれをただただ泣きながら見守る。
あれほど怖かったことはなかった。
板もはめていたはずなのに
それでも
風に負けそうになっていて
お父さんやお母さんが
死んでしまったらどうしようっていう不安もあったんだと思う。
結局、その台風でシャッターが壊れ、瓦が割れ、車のガラスが割れた。
たくさんの爪痕を残した。
自然災害はなめたらダメ。
大阪に来てから
台風なんか大したことないよ
みたいな発言をよく聞く。
育ってきた違いもあるし
経験しないとわからない怖さ。
普段からいざという時の意識をどう持つことが大切なのだと思った。