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【特集】昭和を引きずる社会保障 崩壊防ぐ復活の処方箋

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2008年をピークに、日本の総人口は急降下を始めた。現在約1億2500万人の人口は、2100年には6000万人を下回り、半分以下となる見込みだ。人口増加を前提とした現行の社会保障…
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#国民年金

【特集】昭和を引きずる社会保障 崩壊防ぐ復活の処方箋[Introduction]

【特集】昭和を引きずる社会保障 崩壊防ぐ復活の処方箋[Introduction]

編集部(川崎隆司)

「失われた30年」

〝平成〟という時代を総括するときにしばしば用いられるこの言葉にはどこか、〝昭和〟という時代を礼賛する響きがある。

 たしかに、敗戦後の焼け跡から国を再興し、経済面では、世界首位の米国に肉薄した輝かしい時代だった。そして、バブル崩壊によりその輝きが手からすり抜ける悔しさを味わった時代でもあった。

 高度経済成長期の幻想を追い求め続けた「平成」が終わり、

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分水嶺に立つ社会保障制度
こうすれば甦る|【特集】昭和を引きずる社会保障 崩壊防ぐ復活の処方箋[PART-6]

分水嶺に立つ社会保障制度 こうすれば甦る|【特集】昭和を引きずる社会保障 崩壊防ぐ復活の処方箋[PART-6]

島澤 諭(中部圏社会経済研究所研究部長)

 日本の社会保障制度は、経済も人口も右肩上がりの高度経済成長期に制度設計された国民皆保険・皆年金を中核とする。公的年金や医療、介護など主に保険料で財源を賄う社会保険と、税金で財源を賄う公的扶助(生活保護)を組み合わせることで、個人が抱えきれないリスクを社会全体で管理している。

 一方で、社会保障制度は矛盾の塊ともいえる。「医療保険」は医療サービスが受け

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