花火の思ひ出【三橋雄斗】


今日は隅田川花火大会が開催されていたようで、電車には浴衣姿の方がたくさん乗られていました。



二人で花火を見に行ったのは過去に一度だけ。



付き合って1年くらいの夏、神宮外苑花火大会でした。



しかし、僕は花火大会の会場に入るためにチケットを購入しなければならないことを知らず
(故郷の花火大会は県内でも一二を争う規模なのに、河原に勝手にビニールシートを敷く形)、

会場の外で見ようとしましたが、神宮球場のスコアボードが立ちはだかっていて、花火の形が半円だったり上の弧だけだったり、音だけだったり、枝垂れ柳の垂れた先が見えなかったり、でした。



ひかりちゃんはもちろん文句を言っておりました。



仕方がありません、僕はその当時東京在住歴が浅かったのですから。故郷が隣の県であっても東京は色々と特殊です。



ひかりちゃんは生まれも育ちも東京なのだから、ひかりちゃんのほうがその点は知っているはずです。



そのように言い返すと、

「あたしが花火に興味があるはずないだろう。夜景とかイルミネーションが目がチカチカするだけだとか言っているのにさぁ。それに誰かと大きな花火大会に行くなんて初めてだったんだよ。行く友達とかいなかったからね。」



何も言い返せませんでした。



そして混んでいる電車に揺られて帰りました。



その次の年、花火大会に行くか聞いてみると、
「しばらくはいい」と言っていました。



その次の年も、そのまた次の年も。



そして何年か経ち、今日、浴衣姿の方を見て、ダメ元で、
「今年は花火大会行く?」と聞いてみました。



すると、


「まぁ、スケジュール次第かな。」



ひかりちゃんの花火大会に対してのイメージが少し回復していました。



一歩前進です。



「絶対行きたい!!」となる日は来るのでしょうか。



とりあえず今年は、スケジュールに合った花火大会が開催されることを切に願うのみ。



そして真ん丸の花火と、枝垂れ柳の先っぽを見たいと思います。



夏はこれから。

【相方へ】

ご指摘ありがとうございます。正にその通りでした。

今回は「謝ってください」がありませんでしたね。
素晴らしいことです。優しいです。ありがとうございます。人間ができていますね。

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