おでんと後輩【三橋雄斗】


ある日、二人で昼食を買いにコンビニへ行きました。



店に入ると、おでん70円セールをやっていて、おでん好きのひかりちゃんが、ここぞとばかりに普段は高くて手を出せない牛スジや餅巾着などをたくさん入れ、
レジへ持っていきました。




すると、レジの人が「いらっしゃいませ」ではなく、「お疲れ様です!」と言うのです。



よく見てみると、ライブでよく共演する後輩芸人だったのです。



僕達は、「お疲れ様!」と挨拶しましたが、
後ろに他のお客さんが何人か並んでいたので、話はしませんでした。




都内に住んでいると、たまにこのようなことがあります。



しかし、ひかりちゃんが何故か顔を赤くしているのです。



最初は、よくあることなのに今更何でだろうと思いましたが、すぐに理由がわかりました。



ひかりちゃんが、ここぞとばかりに入れまくったおでんを、店員の後輩芸人が一つずつ確認し、「えーっと、餅巾着と、たまごと、牛スジと、」と言いながらレジに打ち込んでいるのです。



知っている人、しかも後輩に、買ったおでんを一つずつ調べられるなんて。
しかも、普段は尖った感じのひかりちゃんが、尚更恥ずかしいことでしょう。



僕はそこで「俺がお腹空いちゃってさ、買いすぎちゃったんだ!」と言えば良かったのですが、
僕も恥ずかしかったので、言えずにただ黙って立っていました。




そして、会計が終わり、「ありがとうございました」ではなく「お疲れ様でした」と言われて店を出ました。



そして、家に帰って黙っておでんを美味しく食べ、
夜にライブがあったので再び家を出ました。



ライブ会場に着くと、なんと先程コンビニでバイトをしていた後輩がいました。



同じライブだったのです。



でも、その後輩は、
「おはようございます!」とだけ挨拶をし、
おでんの話は一切しませんでした。



ひかりちゃんは、「できた後輩で良かった。ご飯食べさせてあげたい。」と言っていました。



ついでに僕にも食べさせてほしいなと思いました。

【相方へ】

メモですが、続かない自信があります。
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