衣装【三橋雄斗】
去年の単独ライブで、新衣装(今の衣装)をおろしました。
せっかくだからいいものを買おうと、銀座のテーラーへ行き、そこで色々な生地を見せてもらいました。
「目がチカチカする。」
「地味すぎる。」
「派手すぎる。」
「気味が悪い。」
と、なかなか良い生地に巡り会えませんでした。
安い買い物ではないので、しっかり選ぼうと必死でした。
そして、「申し訳ございません、次お見せする生地が最後です。」と、店員さんが取り出してきた生地を見て、
僕はビビビときました。
「これだぁ!!」
大人の街である銀座の、大人のテーラーに、僕の声が響き渡りました。
「これにします!」
と、ひかりちゃんの意見を聞かずに決めようとしました。
「いや、これをキープしてもらって、近くの他の店も見てもらおうよ。」
ひかりちゃんは慎重派。いや、普通はそう。
でも僕は、「これがいい!これにしよう!」と、珍しくひかりちゃんに対して自分の意見を押し通しました。
理由はわかりませんが、その生地に一目惚れしてしまったのです。
そんな僕を見て、ひかりちゃんもしばらく悩みましたが、
「まぁ、良いデザインだし、アンタがそこまで言うのならこれにしようか。」
ひかりちゃんが珍しく折れました。いや、しっかり納得していました。
そして店員さんに、
「この生地でワンピースとスーツのセットアップをお願いします!」と伝えました。
すると、「あの、実はこの生地は限定品で残りわずかになっておりまして、ワンピースは作ることができるのですが、セットアップは申し訳ないのですが、上下どちらかしかお作りできません。」
困りました。せっかくだから上下揃えて着たいものです。
でも、絶対にこの生地がいいし。
とても悩みました。
すると、ひかりちゃんが、
「アンタはズボン作っても、舞台上で相撲取らされたりするのだからすぐに破くだろう。そうでなくても普通に生活していて破きそうだし。だったらズボンは別にしてジャケットだけにしなさいよ。」
たしかに、僕は普通に生活していて何着かズボンを破いたことがあります。
ひかりちゃんはわかっているのです。
その言葉が決め手になり、ジャケットだけ作ってもらうことに。
そして、今の衣装になりました。
最高ですよね。
思えば、残りわずかだったということは、どこかに同じ柄の服を着た人がいるのでしょう。
その人に会ってみたい。
僕と同じ感性、センスを持った方。
ズボンをすぐ破く人ではないといいけれど。
【相方へ】
カワウソがキ○タマを食べていたのは笑いました。でも、ひかりちゃんが「キ○タマ食べてる!」と少し大きな声で言ったのは少し恥ずかしかったです。
僕は、ひかりちゃんがボートの上で酒を飲んでいるのと、タバコの煙をカメラに吹き掛けるのと、猿が交尾していたのが印象に残っています。