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NXHDが23年通期予想を下方修正、国際貨物の輸送需要が想定以上に低迷

Nippon Expressホールディングス(NXHD)は8月9日、23年12月期の通期業績予想を下方修正したと発表した。

これによると、売上高を2兆3300億円(前回予想2兆4500億円)、営業利益を840億円(同1050億円)、親会社に帰属する当期利益を550億円(同720億円)とし、前回発表から売上高を5%、営業利益を20%、当期利益を24%とそれぞれ下方修正した。NXHDによると、「当初の想定以上に国際貨物の輸送需要が低迷している」と説明。昨年と比較して航空・海上輸送の特需によって引き起こされた需給逼迫が緩和され、サプライチェーンも正常化したため、フォワーディング貨物の取り扱いが大きく落ち込んだことが影響している。

また、同時に発表した23年12月期第2四半期累計(23年1〜6月)連結業績は、売上高が1兆1318億円(前年同期比13%減)、営業利益が403億円(同67%減)、親会社に帰属する四半期利益が254億円(70%減)と減収減益であった。
NXHDは、「航空・海上輸送の需給逼迫状況が大幅に緩和するなか、国際貨物輸送において、自動車や半導体、電機・電子関連等の荷動きが総じて低調であったことから減収減益になった」としたうえで、「国際物流については、主要国の景気後退が長期化したことで需要が低迷したことや、自動車や半導体関連の減産の影響を受けて荷動きが低調に推移した」としている。

さらに国内物流については、「新型コロナウイルス対策の緩和や円安を背景にし訪日外国人観光客の増加によって小売りやサービス分野で改善がみられるものの、世界経済の減速とも連動する製造業における生産の落ち込みの影響が大きく、全体としての荷動きには力強さに欠ける状況で推移した」とコメントした。

ロジスティクス分野におけるセグメントの売上高は、日本が6402億円(前年同期比11.8%減)、米州が740億円(同0.8%減)、欧州が943億円(同9.3%減)、東アジアが773億円(同37.9%減)、南アジア・オセアニアが719億円(同38.6%減)と、すべての地域がマイナスとなっており、なかでも日本を含むアジア圏が大きく落ち込んだ。
また、セグメントの事業利益についても、すべての地域がマイナスとなり、日本:231億円(同35.6%減)、米州:52億円(同1.7%減)、欧州:49億円(同19%減)、東アジア:25億円(同59.6%減)、南アジア・オセアニア:49億円(同57.2%減)であった。

2023年8月17日掲載

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