TIACAレポート;航空業界の持続可能性への圧力高まる
国際航空貨物協会(TIACA)がこのほど発表した持続可能性(サステナビリティ)レポートによれば、航空貨物業界は環境パフォーマンスを向上への圧力が高まっている。
TIACAは2019年11 月に開始したサステナビリティ・プログラムの一環として、世界中の航空会社、貨物運送業者、空港、地上ハンドラーなどが参加する年次調査を通じて、航空貨物業界の持続可能性の変革を追跡、評価している。
今回、第3回の年次調査が行われ、回答者の64%が主に顧客と規制当局によって、昨年に比べて持続可能性への圧力が高まっていると報告した。持続可能性については、回答者の75%が昨年よりも重要であると感じており、76%の企業が持続可能性戦略を実施しているという。
現在、産業界が脱炭素化のためにエネルギー消費を削減することに焦点を当てている中で、航空業界では持続可能な航空燃料(SAF)への取り組みがゆっくりと進んでいて、主に大企業が主導している。
航空会社とグランドハンドラーがSAFの導入に向けた取り組みを主導し、フォワーダーもSAFに注目し始めている。回答した航空会社の75%がSAF開発・導入への取り組みが優先分野であることを認めており、昨年と比較して27ポイント増加した。
一方グランドハンドラーは47%で昨年比で18 ポイント増加したものの、依然としてグランドハンドラーの40%は、SAFの展開において果たすことができる役割を認識していないとレポートした。
空港は意識向上の段階にあるとの回答が54%と、12ヵ月で26 ポイント増加し、その35%が SAFの展開に向けた具体的な取り組みを行っていると報告している。また、SAF導入のイニシアチブを確認している運送会社は3分の1未満だが、昨22年と比較して23ポイントと大幅に増加している。
TIACAでは、大企業の半数以上がSAFへの投資・導入に取り組んでいるのに対し、中小企業の大多数はまだ具体的な取り組みを行っていないとしている。
同協会はSAF開発 • SAFへの移行には政府の支援が必要としたうえで、業界に対しSAFの脱炭素目標を確実に達成するよう求めているが、将来の生産と使用の目標を達成するために、新しいSAFインセンティブと投資プログラムを開発する必要があるとの見解を示している。
2023年3月31日掲載