日揮ら4社が国内初のSAFの大規模生産実証設備の起工式を実施
日揮HD /コスモ石油/レボインターナショナル/SAFFAIRE SKY ENERGYの4社は、国内初となる廃食用油を原料とした国産SAF(持続可能な航空燃料)の大規模生産実証設備の建設工事を開始するにあたり、5月16日にコスモ石油堺製油所で起工式を実施したとこのほど発表した。
起工式には、日揮HDの佐藤雅之代表取締役会長、コスモ石油の鈴木康公代表取締役社長、レボインターナショナルの越川哲也代表取締役、SAFFAIRE SKY ENERGYの秋鹿正敬代表、工事関係者らが出席し、安全祈願の神事として鍬入れが行われた。
この設備では、100%国産の廃食用油を減量としたSAFを年間約3万キロリットル生産する。2024年度内に完工・運転開始を見込んでおり、大阪・関西万博が開催される2025年にSAFの供給を開始する予定としている。
また、同設備からはバイオプラスチックの原料となるバイオナフサや、リニューアブルディーゼル(次世代型バイオ燃料で陸上輸送分野での活用が見込まれている)も生産されるという。
この事業は、国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)から採択を受けた助成事業であり、バイオジェット燃料製造供給開始に向けた事業検討費用、バイオジェット燃料製造設備の装置設計・建設費用、実証運転、用役供給費用、原料となる廃食用油の入手可能性・コスト調査費用等に対し、NEDOから支援を受けている。
なお、同事業においてレボインターナショナルおよび日揮HDが連携して廃食用油を調達し、SAF生産および需要家への販売をコスモエネルギーグループが担う。
各社の知見・ノウハウを結集して日本初となるSAFサプライチェーンの構築に向けた取り組みを加速させていく。
各国で導入が進むSAFだが、必要とされる量に対して生産量が追いついていないのが現状だ。日本では、国土交通省が2030年までに本邦エアラインによる燃料使用量の10%をSAFに置き換える目標を掲げており、30年時点における日本国内のSAF利用量は171万キロリットルと見込む。
現状ではSAFの大半を輸入に頼らざるを得ないため、原料調達、製造、供給まで国産SAFの安定的なサプライチェーンの構築が急務となっている。
2023年5月25日掲載