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ボーイングが23年のエコデモンストレーター計画を発表

ボーイングはこのほど、23年のエコデモンストレーター・プログラム計画を発表した。同社のエコデモンストレーター・プログラムは、777や787など複数の機材使用による運航効率試験や新技術開発の飛行テストを行うもので、サステナビリティ(持続可能性)のための技術開発を加速するために実施される。

B787-10による飛行試験が実施される

同計画では、23年中に777型機による19の新技術を実験・評価すると同時に、787-10を使用して特定の技術に関する試験に特化したエコデモンストレーター・エクスプローラーを新たに追加する。

エコデモンストレーター・エクスプローラーは787-10を使用し、初便は6月にシアトルを出発してから、東京、シンガポール、バンコクの各ルート航行中に飛行試験を実施するもの。
ボーイングは同飛行試験の目的について「グローバルな領空にわたる飛行経路を調整することによって運航効率が高まり、ひいては航空機の燃料使用量およびCO2排出量が最大10%削減可能になることを実証すること」としている。
同社は米国、日本、シンガポール、タイの各管制業務提供機関(Air Navigation Service Provider)と協力して、複数の地域にわたる最適な飛行経路を実現するために、すでに搭載済みの機能を活用して天候、航空交通量、空域閉鎖といった条件を考慮しながら共同で飛行試験を実施する。この飛行試験時の燃料については、各地で可能な限り最大の混合率による持続可能な航空燃料(SAF)を使用するとしている。

ボーイングはエコデモンストレーター・プログラムを2012年に立ち上げ、今回の23年の計画を含め、同プログラムで実験してきた技術は約250種類にのぼり、これまで航空業界の脱炭素化や運航効率の改善、安全性と乗客体験の向上に貢献してきた。こうしたテストによって、試験済み技術の約3分の1がすでにボーイングの製品やサービスに使用・利用されている。

23年5月16日掲載


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