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航空貨物業界でデジタル予約が拡大中

航空貨物業界では近年、貨物予約のデジタル化が進んでいる。

航空貨物業界はデジタル化への取り組みが大きく遅れているが、2020年に新型コロナのパンデミックを契機としたサプライチェーンの混乱により、効率を向上させ、コストを削減する航空貨物のデジタル予約が増加した。

今や世界の航空各社が貨物のデジタル予約プラットフォーム(PF)を利用している。同PFはライブレートを即時閲覧し、利用可能な積載力を確認し、リアルタイムで特定のフライトの貨物のブッキングを確実に行うことが可能になるというもので、価格交渉から予約までのすべての流れをオンラインで一元化する。

航空貨物の予約・販売は、時間がかかる面倒な手動プロセスが、非効率性に拍車をかけている。フォワーダーにとっては一分一秒が重要で、常に迅速に行動し、競争力のある価格をクライアントに提供する必要がある。

デジタル予約プラットフォームは、各航空会社のキャパシティ/運賃/ルートのオプションをデジタル的に比較し、特定のフライトのキャパシティを特定の運賃で即座に予約できるため、フォワーダーにとって時間を節約するための重要なツールとなる。

一方、航空会社としても、同PFを利用することで、プロセスを合理化し大幅なコストを節約しながら、貨物スペースを効率的に分配し、より多くのユーザーからアプローチを受けることができるというメリットがある。

航空各社が貨物プラットフォームの利用を加速している(出典:ルフトハンザカーゴ)

現在、航空会社とフォワーダー間の航空貨物のデジタル予約PFとしては、独カーゴワン(cargo.one)のほか、国際輸送のオンライン・マーケットプレイスを運営するフレイトスグループのウェブカーゴ(WebCargo)、シンガポールのスタートアップ企業カーゴAi(CargoAi)が提供するCargoMART(カーゴマート)、物流ソフトウエア・プロバイダーのWiseTech Globalが提供するクラウドベースの統合型物流実行プラットフォームカーゴワイズ(CargoWise)などがある。

主要プラットフォームでは現在、ブッキングの対象は主に一般貨物となっているが、将来的には、生鮮品や危険品などの特殊な配送サービスでも、オンライン予約が利用できるようになるだろう。

航空貨物のデジタル予約が新しい業界のスタンダードになり始めている。

2023年5月17日掲載

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