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急成長の台湾スターラックス航空、12月にサンフラン線開設で米国路線も拡大

台湾に本拠を置く新興キャリア・スターラックス航空(SJX)は、今年4月の台北〜ロサンゼルス線の開設に続き、早くも2番目の北米乗り入れ拠点としてサンフランシスコ(SFO)へ12月16日から台北発で就航すると、このほど発表した。当初は週3便運航だが、来2024年3月にはデイリー便に増強される予定。
SFO線への投入機材は、ファーストクラス4席、ビジネス26席、プレミアムエコノミー36席、エコノミー240席の4クラスで構成されたエアバスの次世代型最新機材のA350となる。

スターラックスがことし、米国線に投入したのは最新型のA350-900(出典:エアバス)

同社ではこのSFO線の開設を記念して、オーディオビジュアル業界の大手ソニーと提携し、12月16日から12月31日までの間の台北発SFO行きファーストクラスの乗客全員に、Sony WH-1000XM5ワイヤレス・ノイズキャンセリング・ヘッドフォンをプレゼントするという。
米国線は、急成長してきたスターラックスでもまだ唯一の長距離路線だけに、相当の力の入れようだ。

スターラックス航空は台北・桃園国際空港に拠点を置く新興勢力のエアラインだが、LCC(格安航空)ではなく、れっきとしたフルサービス・キャリアである。
台湾エバー航空の内紛で董事長の座を追われた張國煒氏が新たに設立した航空会社で、2020年1月に桃園発着のマカオ、ダナン、ペナン線に就航して営業を開始したばかり。

同社のブランド目標は「台湾のエミレーツ航空」だそうで、「ラグジュアリー(贅沢)な体験」を乗客に味わってもらうべく、運営/サービス/安全性/管理において最高水準の達成に努め、利用客がSJX機内を「空のわが家」と感じるようなホスピタリティを目指しているという。確かに、これまでの口コミを見てもなかなかの評判だ。

「空のわが家」を謳うスターラックスのビジネスクラス席(A350-900)

スターラックス路線はコロナ禍が一段落した昨22年、本23年に続々と増やされ、対日路線だけでも札幌/仙台/成田/名古屋/関西/福岡/熊本/沖縄と8拠点向けを開設、アジアではフィリピン/ベトナム/タイ/マレーシア/シンガポールの主要11空港に乗り入れている。
加えてことしは初の長距離線として、米カリフォルニア州の2大都市へのルートを春と年末に開設したわけである。
現時点で同社はどの航空アライアンスにも属していないが、将来的にはワンワールドに加盟するのではないかと観測されている。大手アライアンスに加盟するためにも、就航路線をさらに拡大させておく必要があるのだろう。

同社の保有機材はA321neo、A330neo、A350-900(すぐに−1000も追加)の3タイプだが、面白いことに新造機を台北までフェリー移動させるときには、パイロット資格を持っている創業者の張國煒会長みずからが操縦してくるという。
スターラックスは2018年の英ファンボロー航空ショーで、A350-900型を5機、A350-1000型を12機の計17機を発注済みで、張会長は「今後も引き渡しを受けた新造機は自分でフェリーしてくる」と意気軒昂だとか。

久しぶりにアジアで、LCCではない伝統的かつ“ラグジュアリー”を売るフルサービス・キャリアが登場してきた。
今後、どのように成長していくか、業界でも注目されているところである。

2023年9月15日掲載

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