エアバスがDG FuelsとSAFパートナーシップ
エアバスはこのほど、持続可能な航空燃料(SAF)製造のスタートアップ企業である米DG Fuels(DGF)と戦略的パートナーシップを締結した。
両社のパートナーシップは株式化のプロセスを経て、米国においてDGFとして初のSAF生産工場の建設に関する最終投資決定によって履行される。
DGFは2024年初頭を目処として米ルイジアナ州に最初のSAFの工場建設開始、今後は同SAF工場の建設を皮切りに、米国内外でもさまざまな拠点開設を進め、規模拡大を加速していくとしている。
DGFのSAF生産システムは、伐採によって排出された木材廃棄物などのセルロース系廃棄物と風力や太陽光発電などの再生可能エネルギーを利用する。
今回の両社のプロジェクトは、航空輸送におけるコストの削減や持続可能性の向上のほか、米国内のSAF生産拡大を目的とした米政府が支援するSAFグランドチャレンジに沿ったもの。
この国家プロジェクトは、2050年までに航空部門(軍事含む)で使用される燃料をすべてSAFに置き換えることを最終目標としている。
ちなみに、米国の現在のSAF生産量は年間450万USガロン(約1700万リットル)ほどで、これを2050 年までに国内で航空輸送に使用される航空燃料すべてをまかなうため、年間350億USガロン(約1325億リットル)に拡大する必要がある。
この目標に向けてまず、2030年までに国内のSAF生産を年間30億USガロン(約113億リットル)とすることを目指している。これにより、従来の燃料と比較してライフサイクル温室効果ガス(GHG)の排出量を少なくとも50%削減するという。
エアバスのギヨーム・フォーリーCEOは、「SAFは航空の脱炭素化ロードマップを実現する上で重要な役割を果たしている。われわれは、SAFを世界中で大規模に利用できるようにすることに貢献するあらゆる取り組みを支援することに尽力する」とした上で、続けて「DGFとのパートナーシップは、より広範囲の廃棄物や残留物源からのSAFの生産を可能にする新しい技術であり、これを支援していく」とコメントした。
2023年10月3日掲載