独レイノスが完成車の航空輸送専用コンテナ、安全性と環境に配慮
ドイツ物流大手のレイノス・ロジスティクスはこのほど、完成車用の航空輸送ソリューション“Rhenus cartainer”の提供を開始した。
Rhenus cartainerは完成車輸送の専用コンテナで、全長605センチ、全幅238センチ、全高240センチ。メーカーやモデルに関係なく、あらゆる乗用車または2軸4輪タイヤのシングルユニット車両に適合する。
自動車産業では開発もグローバル化が進んでいる。主要自動車メーカーは、販売車を海上輸送で海外へ輸出していることが多いため、販売用の自動車における航空輸送のニーズは限定的ともいえる。しかし、各メーカーにとって航空輸送を必要とする場面は必ず存在する。
例えば、展示会などの展示目的だ。世界各地で開催されるモーターショーや各国で販売促進のための展示車が必要な場面において、海上輸送では間に合わなかったり、複数拠点への輸送が必要となるケースがある。そのような緊急対応時には、必然的に航空輸送が選択肢となってくる。
2つ目は、テスト用だ。年々、欧州や北米などは環境規制への対応が重要となっているが、自動車に関しても例外ではない。各国の規制を順守できる性能が確保できるかテストを行うため、海外へ輸出するケースが増加している。こうした中で、対象車種を素早く輸送しなければならないことも多いため、航空でのスピードと安心が求められているわけだ。
同コンテナはロンドン・ヒースロー空港にあるレイノスの完成車物流ハブで往復または複数の経由地での輸送で使用され、セキュリティを重視したプロトタイプ/海外でのテストプログラム/展示会/製品発表会向けの輸送などに対応する。
レイノス英国法人のスペンサー・ダバーンMD(マネージングディレクター)は「このコンテナはセキュリティに敏感な車両を安全に輸送するという世界規模での需要の高まりに応えて開発された。Rhenus cartainerを使用することで、輸送中のあらゆる段階で、車両状態を保全できるようになる」とコメントしている。
完成車の輸送は一般的に木箱での梱包のほか、パレットに固縛して輸送されるが、同社は「Rhenus cartainerをダメージリスクを低減し、かつ、使い捨て木箱の代替品として利用することで、資源の使用と廃棄物の削減を実現する」としている。
2023年11月1日掲載
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