JAFAが国際宅配便業者に航空宅配貨物の梱包強化を訴え
航空貨物運送協会(JAFA)はこのほど、国際宅配便事業を行う各社に宛てて、国際宅配便貨物について十分な強度があり、かつ適切な梱包を施すよう、要請書を出した。
JAFAの国際宅配便業務委員会では、荷主への啓発活動の一環として、航空輸送に耐え得る梱包強化につい2022年度の実例における検証と検討を行ってきたが、その結果、特に脆弱梱包が原因で商品に損傷を与えるケースが発生していることが判明、今回改めて国際宅配便事業者に輸出時の梱包改善・強化についての注意を喚起することになったもの。
JAFAの梱包に関する注意は次のとおり。
■国際航空運送協会(IATA)の規定では、「通常の取り扱い状況下で安全に輸送できうる梱包を行うこと、通常の運送で発生するあらゆる事象に耐えられる梱包を行うことは、荷主の責任である」とされている。
不適切・脆弱梱包の場合は---;
で、予約航空便に搭載が不可能となり、輸送コストが高くなる原因となる可能性もある。
■段ボール梱包について
海外向け輸送で利用する段ボール箱は、海外輸出に適し、必要な貨物ラベル(大きさ:102mm×128mm等)が貼れる面が取れる大きさが必要。
■包装物の強度について
航空機への搭載では最大高3mまでの段積みを行う場合があるため、下段に積まれた貨物は、上段の貨物の自重に加え、航空機が運航中に受ける荷重(通常2G程度)も合わせて受ける。 これらを考慮した上で、十分な強度を持った材質・構造の段ボール箱を使用のこと。
調査では、貨物受託時に「不適切梱包」と判定された貨物の56%が段ボール梱包貨物であり、不適切と判定された理由の33%が「強度不足」となっている。また、輸送中は航空機の離発着や巡航時に乱気流に遭遇した場合に、より大きな荷重がかかる場合もあることを理解し、十分な強度のある段ボール箱の利用と適切な包装を施してもらいたいとした。
JAFAの発表統計によれば、越境EC物流の急増を物語るように、国際宅配貨物は年々右肩上がりで増えてきており、21年は前年比36%増の3030万個、22年も同8.5%増の3287万個に達し、この23年もまだ上昇気配だ。それだけ数が増えた分、中にはいい加減な梱包の貨物も混じってくる率が高まっているのであろう。
国際宅配便事業者が輸送を引き受けた貨物について、さらなる注意とチェックが必要になってきている。
2023年7月18日掲載
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