HACTL社/カタール航空カーゴ;リチウム電池探知犬を導入
香港エアターミナル(HACTL)は、カタール航空カーゴとともに同航空会社の香港発便のセキュリティ強化のため、貨物に隠されたリチウム電池の探知犬を導入する。
爆発物探知犬チームの民間プロバイダーとして米国最大規模のMSAセキュリティ(本社:ニューヨーク)がサービスを提供しているもので、セキュリティの専門トレーナーと探知犬のチームを派遣するもの。
この探知犬は、特定の匂いを感知するよう特別に訓練されており、バラ積み貨物/パレット貨物/コンテナ貨物のいずれであってもリチウム電池を探知する能力を備えている。さらに、1兆分の1単位の臭いをも検知し、安全性を1パレットにつきわずか6秒で判断することができるため、X線検査や痕跡検査よりも10倍以上の速度での検査が可能としている。
HACTLで行われた実証実験では、探知犬がPCのリチウム電池を含むパッケージと、他の一般貨物を含むパレットにある1基のパワーバンクを検出することに成功している。
探知犬たちは、米国にある11の訓練センターでのトレーニングを経て香港の専用犬舎で飼育されており、常に訓練を行っている。需要が高まった場合にも、急遽出動できるようになっている。
同航空会社は、X線画像でリチウム電池を確実に識別することが困難で、特に複数の種類の製品を小さなパッケージで輸送するeコマース(電子商取引貨物)の場合は、さらに識別が難しくなることから従来のX線検出だけでなく、検知犬の導入を決定したとのこと。
カタール航空は、「当社は世界で2番目に国際航空運送協会(IATA)のリチウム電池に関する認証プログラム“CEIV Lithium Batteries”(Li-batt)の認定を取得した航空会社で、常に航空安全とセキュリティの最高レベルを維持・改善する方法を探し続けている。MSAセキュリティの試みは非常に印象的であり、HACTLを通じてMSAセキュリティのサービスを採用することに合意したことは、大きな前進となる」とコメントしている。
HACTLは、すでに別の大手航空会社でも試験を実施しており、探知犬サービスのオプションをすべての顧客航空会社に提供する予定としている。
2023年5月12日掲載