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ChatGPTはどこまで影響?【2023年上半期マーケテイングトレンド3選】
みなさんこんにちは。
マーケティングディレクター兼データサイエンティストのtohari.です。
本日(2023年5月23火)、日経クロストレンドが「今後伸びるビジネス」2023年上半期ランキングを発表しました。
*以下サイトの詳細情報は有料会員のみ閲覧可能ですので、本記事で内容をご紹介いたします。
このランキングデータは、2018年から半期に1度実施されているもので、日経クロストレンドが選定した3分野(マーケティング、テクノロジー、消費トレンド)、88キーワードに対し、それぞれを認知する人に、そのキーワードの現時点での「経済インパクト」と「将来性」を5段階で調査しスコアリングしたものになっています。
今回は、マーケティング分野における将来性の伸び率がもっと高かったキーワード(テーマ・分野)について、いち早くご紹介していきたいと思います。注目は2022年11月にリリースされたChatGPTの影響はどのように出ているのか、というところですが、早速見ていきたいと思います。
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マーケティング分野における「2023年上半期トレンドマップ」
以下の図はマーケティング分野の29のキーワードに対する調査結果を「将来性」と「経済的インパクト」の2軸でプロットしたものです。
![](https://assets.st-note.com/img/1684812404710-72Th8pNAoo.png?width=1200)
最ものスコアが高かったのは「EC」で、将来性スコア、経済スコアともにトップだった模様です。新型コロナウイルス禍で主に物販を中心にEC市場は急成長し経済スコアは前回調査から0.12ポイント増の4.43となった一方で、将来性スコアは前回から0.15ポイント減の4.63という結果になりました。
将来スコアの成長率 第1位は「音声SNS」
前回調査から将来性スコアを大きく伸ばしたのが以下の3つです。
![](https://assets.st-note.com/img/1684812484839-M3VKAt0Vz6.png?width=1200)
前回調査より将来性スコアを最も伸ばしたのは「音声SNS」でした。
この結果に少し意外な印象を持たれた方もいるのではないかと思います。
音声SNSは、2021年に「クラブハウス」が大きな話題になりましたが、それは一過的なものでその後聞かなくなりました。ですがその一方、「Twitter」のリアルタイム音声会話機能「Twitterスペース」が若年層を中心に徐々に利用者が拡大している模様で、朝日新聞社が実施した「PODCAST REPORT IN JAPAN ポッドキャスト国内利用実態調査2022」では、ポッドキャスト利用者は、1680万人に達していると推計され、そのうちの約4割が15-29歳で占められています。
![](https://assets.st-note.com/img/1684812659845-vEUlfYDCut.png?width=1200)
ポッドキャスト利用者構成比
今回のトレンドランキングでも、その辺りの肌感覚・将来性が調査回答者により反映されたのかもしれません。
第2位は「チャットbot」
続いて、2番目に将来性スコアが大きく伸びたのは「チャットbot」です。
ここはChatGPTの影響が強く出ていると推察されます。
従来のチャットbotはコールセンターの代替ツールとして、決まった質問などに回答するなど、業務の効率化という観点で使われることが多かったですが、一方で汎用的な対話型AIを搭載したChatGPTはより用途が広くなっています。
例えばnoteユーザーならよくお分かりかと思いますが、記事を書く際に、「AIアシスタント」という機能があり、記事のアイデアを提案してもらったり、構成を提案してもらったりすることができます。
![](https://assets.st-note.com/img/1684812810591-N61VVhDxKv.png?width=1200)
これと似た機能として、ECツールのBASEでも「BASE AI アシスタント」の提供を2023年4月よりスタートさせています。
「BASE AI アシスタント」とは、「商品名」と「商品の特徴」をもとに、ChatGPTで商品説明文をワンクリックで作成できる機能です。今後、メールマガジン、SNS投稿の文章なども作成できる予定のようで、これまでおこなってきた手作業の一部を、「BASE AI アシスタント」がお手伝いすることで、ショップオーナーの日常的業務を削減し、商品の製作などショップの運営により多くの時間を割くことができるようになるとのことです。
![](https://assets.st-note.com/img/1684812839986-orEMl9WVWm.png?width=1200)
もちろん、こうしたチャットbotの新たな活用シーンだけでなく、従来のカスタマーサポートとしての用途においても、マザー牧場がChatGPT連携のチャットボットツール「MediaTalkGAI」を使ったカスタマーサポートサービスの実証実験を行うといったリリースをしていたり(2023年4月、https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000023.000072025.html)、これまでの活用分野の精度向上と新たな活用分野の広がりが期待できるかと思います。
第3位は「ジオ・ターゲティング」
最後に3番目に将来性スコアが大きく伸びたのは「ジオ・ターゲティング」です。
![](https://assets.st-note.com/img/1684812957678-Vwj53jYXkp.jpg?width=1200)
ジオ・ターゲティングも筆者的には少し意外な印象を持ったのですが、日経クロストレンド編集部の記事によると、「アフターコロナの社会が進み始め国内でも外国人観光客を目にする機会が増えるなど、人の移動にさらなる活発化が予想され、移動情報を活用したマーケティングの重要性が増しそうだ。」とのことです。
さらに同社の記事では、このジオ・マーケティング分野に関する新たなサービスとして、ブログウォッチャー社(リクルートと電通のジョイントベンチー)の高精度なエリアターゲティング広告について紹介しています。このサービスは、配信対象の住所や過去に訪問した期間などを指定して、広告配信対象者を選定。グーグルやヤフーなどの広告プラットフォームを通じて、対象者に広告を配信できる仕組みになっているようです。
確かに位置情報の解析もAIの得意とする分野の1つですし、テクノロジーの有効性は、ネットだけではなくリアルビジネスの拡大にも貢献できるはずですので、Googleやヤフーなどの広告プラットフォームに表示される高精度なエリアターゲティング広告がどこまで有効かやや不透明な部分はあると思いますが、来店予測、観光地ソリューションなど、「位置情報*AI」の可能性は確かに大いに期待できる分野だなぁと感じました。
まとめ
日経クロストレンドが「今後伸びるビジネス」2023年上半期ランキングを発表(2023年5月23日)。
経済スコアと将来スコアの総合第1位は「EC」であったが、ECは将来スコアにおいて限界調査よりダウンした。
将来性で最もスコアを伸ばしたのは「音声SNS」「チャットbot」「ジオ・ターゲティング」。
音声SNSは若年層を中心に利用者が拡大しており、音声メディアの将来性が再評価された模様。
チャットbotやジオ・マーケティングは、AIによってより活用の広がりが期待できる分野と言える。
以上、ポイントをまとめてみました。
ランキング自体の信用性は、正直言ってどうなのかな、というところもあります(特に調査回答者が調査対象キーワードを認知している人、ということなのですが、どこまで信頼性があるか読めません)。
ですが、順位はおいておいて、これらがある程度注目されている分野という点においては疑いの余地はないかと思います。
皆さんのビジネスに活かせそうでしょうか?