HIROとKIOは "暮らす旅" 実験中③#虹と暗雲、来た~
「変わっとらんね、マッタリ癒やしの空気が流れとるばいね〜」
■ ただいま、マカッサル
昨年2022年8月時点では、まだコロナ対策によるマカッサル空港への国際路線(シンガポール、クアラルンプール)はクローズされたままだったけど、2022年末すべての制限が解除され、マカッサルでの入国ができるようになった。
クアラルンプールからのエアーアジアは定刻、マカッサル、ハサヌディン国際空港到着。
ただいま、マカッサル❢
□ 入国審査は静かにゆっくりと。
予想通り、日本人もVOA(到着ビザ)窓口に並ぶのもHIROとKIOの2人だけ。1ヶ月ビザRP500,000(約5000円) x 2名分を支払い、入国審査列の最後尾に並ぶ。
ジャカルタ国際空港の喧騒はなく、それでも外国人用入国審査カウンターに並ぶ人の流れは遅く、かなりの時間がかかった。先に出た荷物がガラス越しにHIROとKIOを待っている。
「30ニチ イナイニ カナラズ ビザ ノ エンチョウ ヲ シテクダサイ。」
入管スタッフがそう言いながら、パスポートに入国シールスタンプを押した。
到着前に機内で配られた申告書は必要ないと言われ、代わりにバソコンの前に連れて行かれて、入国フォームのような画面に入力。
ようやく荷物を受け取り外に出て、Grabカーに乗り込み"わが家ホテル" へ向かう。
3カ月以上も雨が振らないというマカッサルには真っ青な空が広がっていた。
「帰って来たばいね~!」HIROは空を見上げてしみじみとつぶやいた。
□ 知っている人は誰もいない?
分かっていたことだけど、フロントには初めての顔。
パスポートを出していると、カウンター奥から出てきた女性が英語で話しかけて来た。
「ジェネラルマネージャー、@?>&〰デス。オマチ シテイマシタ!」
??????????へ?
「ハジメテ オアイシマスヨネ?」とKIO。
「ハナシヲ シタコトハ アリマセンガ、サクネン オーナー ト ハナシヲ サレテイタトキニ チカクニ イタンデスヨ。」
「ヘー ソウナンデスカ?! オーナー ワ オゲンキデスカ?」
「ハイ、 ミッツメノ ホテル ヲ オープン スルタメニ マカッサル へ キテイマス。」
エーー~、本当に今、ビッグボスと話したいなー、ってKIOは思っていたのですよーーー!!
ジェネラルマネージャーの話では、HIROとKIOの宿泊料金は以前と同じRp200,000のまま(円安で昨年は約1,800円が今回は2,000円弱)で、しかも、広くて、冷蔵庫、湯沸しポット付きの部屋にグレードアップしてもらったらしい?!
日本の自宅を出発した時に見た『虹』が大きく見えた気がした。
□ 『虹』の広がりは。。
翌日、オーナーの有り難い心使いに感謝を伝えたくて、日本出発前に着物を解いて作ったバッグとポーチにお礼の手紙を添えてフロントへ下りて行った。
「コレヲ オーナー ニ ワタシテ クダサイ!」
そう言ってプレゼント包みをカウンターに置くと、スタッフが満面の笑みを浮かべKIOに近づいて来た。何か見覚えある顔?
「マタ オアイデキマシタネ!」
エッ? アッ! ビッグボス?!
KIOは驚きのあまり涙目で包みを広げ、吃りながらプレゼントの説明をしたようだ。
ビッグボスは"What's up?"をつなげられるか?とKIOに聞いていたけど、KIOはLINEしか使ってないと答えたみたい。
「スマホ ヲ カシテクダサイ。」
ビッグボスはすぐにKIOのスマホとLINEをつなぎ、自分のスマホから素早くメッセージをKIOに送信した。
「またお目にかかれて、とても嬉しいです。」と、日本語て゛!!
日本語もできるんですか?
「ノー、ホンヤクキノウ ヲ ツカッタンデス。デモ ニホン ガ ダイスキデス。4ガツ ニ イッテキマシタ。」
KIOは『キツネにつままれた』心地で、グレードアップされた " わが家 " へ戻った。
翌日、京都で撮った家族写真と新たなラインメッセージがKIOに届く。
『暗雲』へとつづく。。