摩耗対策で肉盛溶接するならどんな材料がある?対策も解説

肉盛溶接する際には、金属間の焼付き防止には、いずれか片方の材料に銅合金が主に用いるといいです。
では、今回は摩耗対策で肉盛溶接するならどんな材料がある?対策も解説します。

【肉盛溶接】摩耗の種類

・車輪や軸受けに見られる金属疲労が原因の転がり磨耗
・金属間同士の接触によって生じる金属間磨耗、土砂、粉粒体などが原因で生じる土砂磨耗
・腐食環境における部品の腐食が原因による腐食磨耗
・高温中の酸化が原因による高温酸化磨耗
・繰り返し衝撃が加わることによる衝撃摩耗

大半の摩耗は、これら複数の摩耗要因(環境)が重複しているので
それぞれの磨耗原因に対応した肉盛材料を選定する必要があります。

★転がり摩耗、軽金属間摩耗が原因
パーライト、ソルバイト系の肉盛材料は軟鋼に炭素、クロム、モリブデンなどの元素を少量添加することによりフェライトの析出を抑制し、硬さを上昇させたものを使う。
硬化肉盛材料の中では硬さが低いのですが、延性があり機械加工性が良好なことが特徴です。

★金属間摩耗や土砂摩耗が原因
マルテンサイト系は低クロムマルテンサイト系、13%クロムマルテンサイト系などに分かれます。
前者は炭素、クロム、モリブデンの添加量を増加させ硬化を図ったもの
他にバナジウム、タングステン、ボロンを加えることによってさらに硬化を図ったものです。

★高温環境での磨耗や腐食環境が原因
13%クロムマルテンサイト系はクロム量を13%添加することにより耐熱性が向上します。
更に、ニッケルを数%添加することにより耐食性も向上します。

★繰り返し衝撃が加わる環境が原因
炭化物系は溶着金属中に高硬度の炭化物粒子を分散析出させることによって耐熱性、耐磨耗性を大きく向上させた肉盛材料です。
代表的なものとしてクロム炭化物、ニオブ炭化物、モリブデン炭化物、バナジウム炭化物、タングステン炭化物などがあり、それぞれの粒子単体の硬さはHV1500を超えます。
しかし、溶接金属の硬さは上昇しますが、割れ感度が高くなる欠点があります。
13%マンガンオーステナイト系は肉盛したままの状態では硬さが低いのですが、衝撃力を加えることにより、硬さが向上しますので、繰り返し衝撃が加わる環境に適しています。

肉盛溶接参考




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