理科のおさらい(1) パフォーマンスと緯度の関係
パフォーマンスや筋力トレーニングをやっていると、いろいろな「なぜ?」にぶち当たることがたくさんあります。
「膝を曲げた状態で脚を上げるのと伸ばした状態で上げるのではなぜ腹筋にかかる負荷がこんなに違うのか」
「回転している状態での逆上がりは、なぜ通常のときと比べると脚を上げづらいのか」
「乾燥しているときより湿度が高いときは、なぜポールやティシュー(布)は滑りにくいのか」
とにかく気になることがたくさんあります。
「そういうものだから」ということにしても良いのですが、お客さんにわかりやすく伝えたいし、こういう疑問をきちんと解明できたらきっと、もっと効率的なトレーニングやパフォーマンスができるのではないか・・そんなことを思い始めて以来、中学生の理科の参考書を片手に勉強中です。
ちなみに、小中高と理科は大の苦手、嫌いでした。成績は相対評価で5段階中の3。といっても小中学校は人口8千人の田舎。一村一校という環境なので、都心に比べたら格段に全体レベルは低いため、知識・理解力ともに無いに等しいと思う。
でも、いまはとにかくいろいろ知りたい!ということで、気になることを勉強して、書いていこうと思います。
最初の疑問は、空中パフォーマンスと緯度の関係性です。
noteでこういうチャレンジをアップしていますが、空中パフォーマンスや筋力トレーニングは、緯度が低いところでやる方が、体が軽く感じる、と聞いたことがあります。
緯度が低いほうが本当に体が軽く感じるのでしょうか??
緯度の違いは遠心力の違い、そして重力も変わる
地球と地球上の物体には万有引力がはたらいています。そして、地球は自転をしているので、遠心力がはたらいています。この引力と自転による遠心力を合わせた力が重力。
地球上のすべての物体は鉛直下向きの重力がはたらいていて、重力の大きさは赤道(緯度ゼロ)に近づくほど軽くなる。
その理由は、赤道上は一番遠心力が大きく、それによって引力が弱められるのだそうです。
と、文章で書くと全然理解できなかったので、力の大きさを示す図をかいてみました。
力の合成(合力)の書き方なんて全く記憶になかったけど、こうやって図にすると重力が赤道上では小さくなるのが理解しやすいですね。北極と南極では遠心力はゼロのため、引力=重力。
ということで、重力は緯度によって違うのはわかりましたが、体はどれくらい軽く感じるのか?
中学生の参考書にはちゃんとこういうことも書いてあるんですね。
100gの質量の物体にはたらく重力の大きさが場所が違うとどう変わるかを表した表。45°の海面上での値を基準に示したものです。
緯度による重力の違いは、わりとわずかなようで、参考書には「実用上は無視してよい」とあります。
北極と赤道上の違いで0.5%。軽く感じる程度として、私の体重(46kg)だと230gと思うと、割と大きいような気もします。
たとえば、ロシアやヨーロッパエリアのパフォーマーが東南アジアでパフォーマンスするときは、体感的にはラクに感じるんじゃないかな。
香港やシンガポールで、エアリアルやポールダンスの大会があるのですが、緯度が高いエリアの人が出場したら感覚的にはやっぱり有利なように思えてきます。
ちなみに、引力や遠心力の違いをいろいろ調べていたら、国土地理院のサイトにこんなリリースが出ていました。
重力値は時間や場所で変化します。これまでの基準は、国土地理院が1976年に整備した「日本重力基準網1975(JGSN75)」でしたが、公開から40年が経過し、地殻変動などによる影響で実際の重力値との乖離が大きくなったため、今回改定することとしました。改定に伴う重力値の変化は、最大で地上での重力値の-1×10-5%(-0.1mGal)程度で、これは60kgの体重がヤブ蚊数匹分(約0.006g)軽くなったことに相当します。
計測基準となる値が若干軽くなったようですね。ヤブ蚊数匹分だとほとんど体感できない値だとは思いますが。
こんな感じで、疑問に思ったことを解明していきたいなと思っています。(無知と理解力の無さを露呈することになりそうですが温かい目で見て下さい。。)
中学生の参考書を見て改めて思うのは、「こんなことまでやってたのか!」という驚き。学生時代にもうちょっと理科に興味を持てたら、もっと面白いことに気づけたんじゃないかな、勉強大事!っていまさらながら感じます。