「カンフーパンダ」マスターシーフーとポーの身長差で見る関係性の構図
※ネタバレあり
主人公でパンダのポーは大柄でその師匠であるレッサーパンダのマスターシーフーは背が低いため目線の高さに大きな差がある
この差にはシーフーとポーの関係性としての意味があるのかもしれないと思ったので私の主観で二人の関係性の変遷を浅く考察してみた
構図としての目線の高さ
ツーショットの場合、二人の頭の高さや互いのスペースの占有率などで関係性を示すことがあります
※ライティング等でも変わってくると思うので一概には言えません
力の拮抗や対等な関係性を表す場合は頭の高さや画面の占有率が同じぐらいで映されます
(ここまで明白なシンメトリー構図はあまりないかもしれない)
頭の高さや占有率が違うと関係性の均衡が保たれていないことになります
頭の位置が高い方が強い力を持ち威厳があるように見えると思います
しかしシーフーは体が小さく身長が低いため頭の位置や画面の占有率が低くなります
対してポーの体は大きく身長も高いため頭の位置や画面の占有率が自然と高くなります
このことから過去の出来事から弟子を信じられなくなったシーフーの「弟子への想い」とポーの抑えきれない憧れの「カンフーへの想い」が二人の体格を通して対比として使われているのではなかろうか
以下、気になったシーンを順番に記してみます
シーフーとポーの出会い
龍の戦士に指名されジェイドパレスに運ばれたポーだがシーフーは彼の体を棒で突き、体つきなどから龍の戦士には成れないと決めつける
この時、シーフーとポーに身長差があり目線の高さにはかなりの差があることが強調されている
それはシーフーがポーを弟子として認めていないことを構図からも示しているのではあるまいか
修行の開始
カンフーオタクのポーはマスターファイブの修行に興奮するが
修行を始めるとカンフー初心者のポーはうまくいかず床に倒れ込む
この時、ポーが倒れ込むことでシーフーの目線より低くなっている
これはポーが憧れのマスターシーフーに学ぼうと努力しているがうまくいっていないことが示されていると感じられる
つまりポーがシーフーの目線に合わせようと無理をしているという構図にもとれる
逃げ出すポーと引き止めるシーフー
タイランの脱獄を知り逃げ出すポーをシーフーは引き止める
しかしどうやって自分を龍の戦士にするのかと問うポーに対しわからないと答えるシーフー
この時、シーフーとポーの目線の高さには差があり二人が互いを信じ合えていないことを構図からも感じる
ポーを弟子として認めるシーフー
マスターウーグウェイが旅立ち途方にくれるシーフーがポーの可能性に気づき本格的な修行を開始する場面でシーフーは石の上に乗りポーに合わせた修行法として肉まんを取り出す
この時、石の上に立つシーフーと地面に立つポーの目線の高さはほぼ同じになっておりシーフーがポーの目線に高さを合わせている
それはシーフーがポーを理解しカンフーを教えようという気持ちが現れているように見える
戦いの終わり
タイランとの戦いに勝ったポーとシーフーがジェイドパレスで寝転んで終劇となる
寝転ぶことで二人が同じ目線の高さにいて信頼関係が築かれていることが示されていると感じられる
この時、シーフーに心の平穏(inner peace)が訪れたのである
余談
マスターウーグウェイが旅立つ前にシーフーへ語りかける際、ウーグウェイは体をかがませシーフーの目線の高さへ自分の目線を合わせている
これはどうやってポーを龍の戦士にすればいいかわからないシーフーに身を持ってその方法を示しているのではあるまいか
対してシーフーとかつての弟子タイランが階段で対峙する際、身長差が明確に示されもはや二人の気持ちが交わることはなく戦いが避けられないものであることが示されていると思う
これらの考察はあくまで私個人の主観で別の目線で見ればまた違う見え方があるでしょう
では 良い一日を。
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