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ChillTime☆涙たぎらせる、煉獄杏寿郎。
※ネタバレありなので、読み進める場合はお気をつけください。
言わずとしれた、劇場版アニメ映画『〈鬼滅の刃〉無限列車編』でフィーチャーされた柱(人を食べる鬼を倒す役割である鬼殺隊という少年少女たちの集団がおり、その最上位に君臨する鍛錬を積んだリーダーたちのことをいう)の1人が煉獄杏寿郎です。杏寿郎は強くて優しい青年です。昨年2020年に映画館で観た人も多いかもしれません。
恐らく、このアニメーションも漫画も観たことがない人にとっては、辟易する話かもしれないのだけど、私は甥や姪が観ているらしいことを知って、ひとまずテレビで放送されたアニメは全部観ました笑。
なるほどーと思いました。私も気に入りましたよ笑。
されば、劇場版、観に行かない理由がありませんでした笑。年末も近づく昨年、出張からの帰りの夕方、その足で1人で映画館へ観に行きましたよ。
そして、おととい土曜日の夜に、地上波初で放送されましたね。
でも、地上波版はあまりにもコマーシャルが多くて、せっかくの良いシーンが台無しとなり、「各駅停車編」などと揶揄もされていました(うまいこと言うな笑)。
これは、映画館が無理ならば、コマーシャルをカットしてか、DVDで観るのが断然よいですね。
ひとまず、そんなことは置いておいて、本編について話したいのですが、この中で私が最も感情を揺さぶられたのは、煉獄杏寿郎の母が、幼き頃の杏寿郎少年へ放った言葉です。
「杏寿郎、なぜ自分が他人よりも強く生まれたのかわかりますか?」
杏寿郎少年は元気よく「わかりません!」と答えます。
母は畳みかけます。
「弱き他人を助けるためです。生まれついて、他人よりも多くの才に恵まれた者は、その力を世のため、他人のために使わねばなりません。天から賜りし力で、他人を傷つけること、私腹を肥やすことは許されません。弱き他人を助けることは、強く生まれた者の責務です。責任を持って果たさなければならない使命なのです。決して忘れることなきように」
抜粋:『2020年〈鬼滅の刃〉無限列車編』より
このシーンは杏寿郎の述懐シーンで、彼は上位の強い鬼に腹をえぐられ、いま正に死のうとしているときです。ところが杏寿郎も杏寿郎で、鬼を捕らえたまま逃がそうとしません。非常に切迫したシーンなのです。
不死身の鬼(但し、首を切られたら消えます)は杏寿郎の強さを知り、「鬼にならないのはもったいない。一緒に鬼になろう」と誘うのですが、杏寿郎は「強い人間は弱い他人を護らなければいけない」という母との約束を守り切るのです。結局鬼は逃げて、杏寿郎は死に絶えてしまいました。
多分、長子で生まれたお兄さんたちお姉さんたちほど、このシーンは心を揺さぶられたのではないのでしょうか。
私はこの映画を観ながら、メダイをもらったときのことを思い出しました。
私が妹を護らなくてはならないんだ・・・というあのときのことを。
私の場合のエピソードはそれですが、人間は各各に、「強くあること、優しくあること」を強いられるときがあるのではないでしょうか。個人的な意見ですが、それを実践して貫き通すには〈愛〉が必要なのだと、私はあらためて感じました。
杏寿郎少年には母からの〈愛〉がありました。それがモチベーションのようでした。
私にもそのとき母の〈愛〉があったなと思い出しました。
そんな〈愛〉を受けないできた人間はどうなるのだろう。これは、まだ課題として私の中にありますが、「強くあること、優しくあること」を強いられてきた長子は世の中に多いのではないかと推測します。
小さな子どもに課すにはとても大きな責務ですが、これをひたむきに貫いて死を迎えた煉獄杏寿郎には、私の涙も熱くなりました。
他人に優しくできないときには観返したいなと思った映画の1つです。