さや香新山ソロトークライブ「眼〜GAN〜」感想
「えっぐい!」
月曜の夜からとんでもないものを見た。
2月5日21時開演、COOL JAPAN PARK OSAKA SSホールにて行われたさや香新山のソロトークライブ「眼〜GAN〜」。
オンラインではFANYプレミアム会員限定の有料配信のため、直接的なネタバレは避けつつも、アーカイブが公開されているうちに簡潔に見どころをお伝えしたい。
あまりにも濃すぎてあまりにも時間が足りなすぎた、1時間のライブのトピックスはざっとこんな感じ。
ファンからのアンケートにひたすら答えていくという立て付けの企画ではありながら、ひとつのテーマに対しての回答がかなり分厚く、決して単純な質疑応答の場ではない。なんなら質問にないトピックスについても唐突に語り出し、そこにももちろん新山ならではの世界観が貫き通されていた。
そんな配信を気がついたら半日で3周している、立派な新山信者の仲間入りを果たした私。
視聴にあたっての個人的なおすすめポイントはズバリ、彼の“世論とズレればズレるほど増す色気”。
さや香の新山といえば、披露する漫才のネタやバラエティ番組でのトークなどで、そのユニークな思考回路がよく知られている。が、その多くは頭の回転の速さから来る、あくまで計算されたウケ狙いだと思っていた。しかし、どうやらそうではないらしい、ということがいよいよ明らかになったのがこのライブである。
一つの話題について熱弁した後、たびたび観客に「分かりますこれ?」「伝わります?」と聞く場面。アンケートで寄せられた誰かの極端な意見に対して、「そんなわけないやん」「全然思わんけどな」とぼやく場面。ネットやSNSでネガティブな方向に誤解された出来事に対して「いや、逆にそれ僕は美味しいと思ってます」と力説する場面。
良くも悪くも、世間の認識とは終始ズレているのだが、そのズレに開き直って突き放すも、向き合って修復しようとするも、どちらの姿もこの上なくセクシーなのである。
イベント中、「色気はどうやったら出ますか」という質問に、“余裕”と“品”というワードを使って答えるシーンがあった。説得力のある内容だと思う。実際彼にはその堂々とした発言と態度から垣間見せる余裕があって、そこに色気を感じる人も多い。
しかし世論と、世間の認識とのズレと向き合う時の彼は、必ずしも余裕ではない。どちらかというと「なんで伝わらんのやろ」「これ分からんかな?」と、戸惑いながら試行錯誤している印象を受ける。「M-1が全てではない」「好きなネタをやる」などと、自分の中のポリシーは常に明確で迷いがないものの、自分に対してなかなか思い通りの理解を示してくれない“大衆”という存在に対しては、そうもいかない。
これまで散々モテ続けてきた学年1のイケメンが、唯一自分に見向きもしない隣のクラスの美女を前に、あえて冷静に戦略を練り、本気で落としにかかっていく時のような“情熱”と“野性”。それらが、先述のワードとは相反する概念でありながらも、新山の色気を存分に引き出しているのだと思う。本人も気づかないうちに。
というようなことをつらつらと書きながらも配信終了の時間は刻一刻と迫っているので、感想はこの辺で切り上げて、さっさと見返したいと思う。
ひいては、今回2,000件あまり来たというアンケートのうち、ほとんど回収できていなかった恋愛相談のパートをメインにして、ソロトークライブ第2弾の開催をぜひ検討してほしい。
運営の方、どうぞよろしくお願いいたします。