We are Buddies @長野市"TRIAL"〈2023年度を終えて〉
こんにちは。We are Buddies(WAB)の綾夏です。2023年秋から始まった We are Buddies 長野の担当をしています。
今回は、2023年度、長野市でどのようにWABの活動を行ったのかを振り返ります。(長野市でWABが始まった経緯については、こちらをご覧ください)
今回長野市でのトライアルが始まるまで、つながりが全くなかった長野市での活動。長野市のみなさんに、まずはWABのことを知ってもらい、共感してくれる方々を増やしていくために、実施したことは大きくこの4つです。
今回は2023年度の長野市での活動を振り返り、①~④の詳細について下記に報告書としてまとめます。(①~④は時系列ではなく、4つのアプローチを同時並行で進めていました。)
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①関心を持ってもらえそうな方へ説明会の実施
初めはWe are Buddies の活動を知ってもらうため、活動紹介を行う機会を複数設けた。リアルの場で時間をとって、活動についてお話することで、より多くの方に関心をもってもらうことができた。
(1)ながの子ども・子育てフェスティバル:2023年11月
一つ目は、長野市が主催のこちらのイベントで、WABも写真展というかたちでブースの出展&活動の説明会を開催した。
子連れでふらりと立ち寄り、活動についての写真を見てくださる方、説明会の時間に合わせて活動紹介を聴きに来てくださる方など、長野市のみなさんと直接つながるきっかけになった。長野市で子どもに関して活動をしている団体とはほとんどつながりがなかった中で、このイベントを通じ、ブース出展をされている多様な支援団体の方々と情報交換ができた。それぞれの団体でできることが限定される中、手を取り合い、できないことを補い合う必要があり、そのためのつながりづくりはどの地域でもとても大切である。
(2)説明会@みらいくビル:2024年2月
二つ目は、WABの活動に興味がある保護者の方や、活動のサポートやコラボができないかと関心を持ってくださっている方向けに説明会を開催した。
こちらは参加者が少人数だったため、お一人お一人とゆっくりお話する座談会形式で行った。これからおとなバディとして活動する県立大学生も来てくれて、活動に参加した思いを語ってくれた。この活動のどのようなところに共感したのか、内面までじっくり語り合うことで、かかわる人との関係性が強固なものになっていく。そして、一人ひとりの声を聴くことで、私たち自身がエンパワーメントされたり、大切にしたいことに立ち返ることができるということを改めて実感した時間だった。
(3)親の会でお話:2024年3月
三つ目は、障害のあるお子さんを持つ家庭の保護者の方の集まりで、活動の紹介を行った。WABに参加いただいているお子さんで圧倒的に多いのが発達障害のお子さん。また、障害をもったお子さんが兄弟にいる「きょうだい児」のお子さんも多い。
おとなバディと1対1だからこそ、フラットにかかわることができるという、この活動のことを、障害をもったお子さんがいる保護者の方に知ってもらえたらと、こちらの親の会の最後に活動の紹介をさせていただいた。集団行動が苦手で、自分のペースで物事を行いたいというお子さんや、家族以外の第三者と関係性を築きたいというお子さん、いろんなお子さんがいるけれど、一人ひとりに自分だけのおとなバディがいたら、お子さんはもちろん保護者の方にとっても少し心が軽くなったりするのではないかなと感じた。
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②おとなバディ面談
この活動を行うにあたり、不可欠なのがおとなバディの存在。おとなバディは紹介制のため、2023年度は運営メンバーとつながりのある15人の方と1対1でお話をした。そのうち5人が実際におとなバディとして活動に参加することになった。
おとなバディの方とは、一人ひとりと個別にじっくりお話をすることで、この活動と自分自身の思いや今の生活と照らし合わせてもらい、お互いの気持ちやかかわり方のミスマッチを生まないようにしている。この活動に共感したポイントや、日々の暮らしのこと、ご自身の生い立ちのことなど、様々なお話をしてくなかで、活動に参加するのは「今のタイミングじゃないかも」という決断した方も多かった。しかし、それはその人にとっても非常に大切な選択で、そのプロセスを共に歩めてよかったなと感じた。また、活動に参加してくれることになった5名のおとなバディとは、その後面談や研修を行いながら、さらに信頼関係を築いていった。
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③マッチング
実際に参加してくださることになったおとなバディとの面談や研修、参加希望の保護者の方との面談などを経て、2023年度は当初の予定通り、5組のバディズが誕生した。
1組目:Mくん(5歳男子)・思季さん(20代女性)
1組目は、長野WAB運営メンバー(当時、長野県立大学所属)の思季ちゃんが、おとなバディとしてまず参加。思季ちゃんは、数年前に姪っ子が生まれたことがきっかけでこれまで苦手意識のあったこどもとのかかわりを探求してみたい、という思いで参加。(しきちゃんが活動に参加した思いや、その経緯については、コチラに掲載済み。)
こどもバディのMくんは、最近弟ができたばかりで、これまでご両親との3人暮らしだったところから生活が一変したところ。Mくんの戸惑いや寂しさに、家族以外の第三者で寄り添ってくれる人がいたら、という思いから参加。最初は、お互い緊張していた2人だったが、今ではすっかり信頼し合っている。つい先日も、家族ぐるみで味噌づくりを一緒に行ったみたい。
2組目:Mちゃん(小3女子)・Cさん(20代女性)
2組目は、小学校3年生のMちゃんと県立大学3年生のCさんのバディズ。Mちゃんは、発達の凸凹がある。Mちゃんの保護者の方が問い合わせをくれたのは、特性が強いMちゃんのお兄ちゃんを優先して、Mちゃんには我慢させていることが多いため、家族以外の第三者でMちゃんと話したり遊んだりしてくれる人がいたらという思いだった。
おとなバディのCさんは、県立大学のこども学科に所属し、普段学んでいるこどもとのかかわりや進路についてなにか気付きがあればということで、参加を決めてくれた。
初めてのことには緊張や疲れが出てしまいがちなMちゃんは、Cさんとの顔合わせで最初はソワソワしていたが、お気に入りのトランプをしながら徐々に打ち解けていった様子。今では、ふたりだけでお出かけを楽しんでいる様子。
3組目:Rちゃん(5歳女子)・Nさん(10代女性)
3組目は、5歳のRちゃんと県立大学2年生のNさんのバディズ。Rちゃんは、ご両親との3人暮らし。Rちゃんは天真爛漫で元気いっぱい。家庭のなかだけに、Rちゃんのエネルギーが留まるのではなく、もっといろんな大人と出会ってもらえたらという理由で参加。
おとなバディのNさんは、県立大学のこども学科所属。こどもが大好きで、将来も保育士を目指して学業に励むなか、1対1での関係性には苦手意識もあり、この活動を通してフラットな関係性を築けたらという思いで参加。
このふたりは、出会った初日から公園で鬼ごっこやだるまさんが転んだ、など、ふたりで思いっきり走って元気いっぱい。つい先日も、公園の遊具でたくさん遊んできた様子。
4組目:Rちゃん(高1女子)・Mさん(30代女性)
4組目は、この春から高校生のRちゃんとMさん。Rちゃんは、学校には親しい友人が少なく、保護者の方と学校の先生とのコミュニケーションに偏りがちなため、誰か第三者の大人とお話がしたいということで参加。
おとなバディのMさんは、医療福祉系のお仕事をしてきた経験、そしてご自身の子育てを通して、フラットな関係性の重要さを痛感しているとのこと。まずは自分がやってみるということで参加を決意。Mさんは、ご自身のお子さんがまだ小さいので、高校生になったばかりのRちゃんとの会話がとても新鮮とのこと。Rちゃんも家族以外の人と話したり遊んだりする機会が少ないとのことで、Mさんとの出会いをとても楽しみにしていてくれた様子。
最近はふたりでラーメンランチをしたようで、今後は絵を描くことが趣味のRちゃんとMさんの知り合いのアーティストのアトリエにも行くらしい。
5組目:Kちゃん(中3女子)・Sさん(20代女性)
5組目は、中3女子のKちゃんとSさん。Kちゃんの参加理由は、受験生かつ思春期で内面の変化も出てくるなか、保護者の方や学校の先生とは違う、少し年上の人とフラットに話せる機会があればいいなとのこと。
Sさんは、保護者の方だけでなく、地域のみんなで子どもたちと関わっていくスタイルに共感を覚え、就職を機に移住した長野市で「地域のみんなで生きている実感」を与え、与えられるようになりたいという思いで参加。
最初は緊張しながら自己紹介をしていたけど、マッチングの最後にはふたりで「次はいつ、何をするのか」いろんなプランを立てながら、今後の楽しみを増やしていた。いつかふたりで登山をするのが目標みたい。
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④思いが近そうな団体への視察・関係者とのつながりづくり
活動を広げていくにあたり、長野市の近辺でWABと思いが近そうな団体とつながらせてもらえたら、ということで、視察を行った。関係者の方とお話させてもらい、刺激をたくさん得た。どちらも本当に素敵な場所で、今後活動が広がったら何か一緒にできたらいいなあと楽しみが広がった。
■やどかりハウス
最初に伺ったのは、長野県上田市にある、やどかりハウス。犀の角というゲストハウスの一部を、女性や母子が1泊500円で宿泊ができるようにしている。NPO法人場作りネットの運営で、困りごとや悩みごとに関する相談支援も行う。この場所も、ここに携わるみなさんも、やどかりハウスを使っている人たちとの関係が本当にフラット。他にもこの場所やここに集う人々に魅了されるポイントが数え切れないほどあった。視察の詳細の様子についてはコチラのポッドキャストをぜひ。
■ほっちのロッヂ
次に伺ったのは、軽井沢の診療所と大きな台所があるところ「ほっちのロッヂ」。これまた本当に素敵な場所。「症状や状態、年齢じゃなくって、好きなことをして出会おう」というコンセプトのもと、診療所の概念が覆された。医療者と患者という関係がいかにフラットになり得るか、診療所としての機能だけではなく、地域の拠点になり得るかという理想を、まさに体現していたような場所だった。
視察の感想として「医療や福祉って専門性が必要な分野だけれど、街のなか、暮らしのなかで、もっと自然に接点が増えたらいいよね」という話を、コチラのポッドキャストで話したので、こちらもぜひ。
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以上が2023年度長野市で行った活動の全貌です。長野市でWABが始まってから、たくさんの場所を訪れ、たくさんの方々と出会いました。初めましてを重ねるなかで、みなさんの人生とこの活動が交わっていくことを肌で感じ、私自身心震える瞬間がいくつもありました。今でも出会ったみなさんの表情や言葉が脳裏に浮かびます。
マッチングした5組のバディズたちが、今後どのような関係性になっていくかについても、とっても楽しみです。そして、せっかくご縁ができた長野市で活動を続けていけたら嬉しいなと思っています。活動への寄付や協賛など、なにかあればぜひご連絡ください。
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子どもと大人がバディズとなり、遊んだり話したりしながら、細く長い関係性を築きます。保護者の方だけが子育てを頑張るのではなく、多くの大人が関わり、登場人物みんなが力を抜いて、優しい気持ちになれる社会を目指し立ち上げました。
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