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その後は彼女のヒモをやりながらバイトの面接に行く日々が続いていました。今も昔もそうですが、通信業界というのは給与水準が高いですね。

慢性的に人手不足で、学歴も職歴も関係なく誰でも販売員になれます。料金体系や契約内容が複雑でわかりにくい為、20年くらい前からこの仕事は無くなりません。　

ですので当時は、折りたたみのガラケーを販売するバイトをメインでやっていました。やれ画面がカラーになっただの、着信音が16和音になっただので騒いでおりました。

そんな気ままな生活をしていた時に、突然降りかかったのが母親の病気でした

以前から入退院を繰り返していたのですが、元来丈夫なオカンなので深刻には考えていなかったのですが、今回告げられた病名は……

「ガン」でした

肝臓ガンの末期で、半年生存率が10％くらい。
当時、母親が45歳、僕は22歳でした。

僕は頭が真っ白になりました。そして、母親に対し親孝行してこなかった自分に、ものすごい後悔の念が渦のように湧き上がってきました。

今まで散々迷惑をかけてきて、まだ恩返しできていない。このまま母が死んでしまうと僕は自分を恨むことになると直感で感じました。

兄と相談したところ、母がやってきた焼鳥屋は潰したくないというのが共通した気持ちでした。

そこで、誰が後を継ぐかという話になったのですが、兄から「お前がやれ」と言われて僕がやることに決定しました。昔から兄に言われたことは絶対なのです泣。