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GOIN' CRAZY

進まねえ車の列 Back Seatでイライラ
さえねえ奴ら 競い合ってHighway埋めてる
俺にはきっと 縁のないこと どうでもいいね
冷え切った缶ビール 揺れる煙草の煙と
くだらねえ噂話 そしてビートはR&B
俺にはきっと このままずっと ここがパラダイス

ZIGGY「GOIN'  CRAZY」

世界一なにもない首都 ヴィエンチャン

タイでは、パタヤ(Pattya)・プーケット(Phuket)・タオ島(Koh Tao)・パンガン島(Koh Pha Ngan)・サムイ島(Koh Samui)・サメット島(Ko Samet)などを周り ノービザで滞在できる期限の45日を迎えた。(2022年10月)

一旦ラオスに行ってもう一度タイに戻る予定だ。
次はタイ北部のチェンマイ(Chiang Mai)に行くことにした。

ノービザ(ビザなし)でタイに入国する場合、日本の空港(航空会社のチェックイン時)で帰りのチケットを確認されるらしいので、僕はタイから1番安いラオスの航空券を予約していた。
(6,800円、いま思うともっと安い国がいくらでもあるが、当時は知らなかった)

ラオスはノービザ滞在期限が15日なので、ヴィエンチャン(Vientiane)や ヴァンヴィエン(Vang Vieng)や ルアンパバーン(Luang Prabang)をまわったあと バスでチェンマイまで12時間かけて行く予定だ。

ラオスのヴィエンチャンは「世界一なにもない首都」と言われているだけあって、タイに比べると自然以外は何もない。

いちおうCafe Amazon(タイ創業のスタバのようなコヒーチェーン)や酒場はあるが、タイに比べるとどれも「いなかくさい」。

そして驚いたのは、ラオスでは英語がほとんど通じない!
ホテルの受付などでは通じるが、カフェや屋台や売店では英語を理解してもらえない。
(僕の英語は中学生レベルだが、How much? すら通じず 無言でこちらの顔をじっと見てくるだけ)

ラオス  ヴィエンチャン / Vientiane Laos

さらにさらに、ラオスの通貨キープ(Laotian Kip)が使いにくいったらありゃしない。たとえばタイの100バーツ(฿)が 48,900キープ(₭)と ケタが多い多い。(日本円だと385円)

1,000バーツ(日本円で3,854円)を両替すると 489,000キープが札で渡される。
100,000(十万)の札という今まで見たことも聞いたこともないような単位の札を持たないといけない。
買い物をするたびに通貨変換アプリで計算するのだが、タイになれていた僕は まずバーツに変換してキープの額を出し それを日本円に換算しないといけなかった。

そしてさらにややこしいのは、ラオスの人たちは小数点以下をはぶいて表示したり口頭で伝えてくるのだ。10,000キープなら「10」と…

もともと計算が苦手な僕は 毎日「00000」で頭がこんがらがり、お金を払うときはいくらか札を相手に渡してしまい、こちらでは計算しないようにした。
タイでもそうなのだが、ラオスの人たちもお釣りを誤魔化したりはしなかった。

ヴィエンチャンではクラブにも行ってみたが、「しょーもない」としか言えなかった。

受付はしっかりしており、店員たちもシュッとしていているのだが DJがかける曲はタイの街中で聞いたことのあるものばっかりで、客(ほぼラオス人)たちもノリが悪いのか それがラオスのノリかたなのか ただ体を左右に揺らしているだけ。

最初に行ったクラブは土日しか開いていないらしく、そこの受付のお兄さんたち(レストランとしては営業していた)に聞いたイチオシのクラブがこちら↓
「dr.oscar night club laos」
https://maps.app.goo.gl/X3ft1QiPp5uT1HfE6?g_st=ic

そのあとのインドでiPhoneを盗まれてしまったので、写真が残っていない😭
ここに載せているのは、かろうじてiPadに同期して残っていた画像である。

そして最悪のことが起きた ヴァンヴィエン

僕は基本的に電車やバスで移動していた。タイではGrabのバイクタクシーも安いが、電車やMRTやBTSやバスのほうが安い(30円〜300円単位)ので どうしても夜中に移動したいときだけGrabを使っていた。

ところが、ヴィエンチャンではGrabタクシーがいなかった。いるのはカフェで客待ちをしているトゥクトゥク(TukTuk)のおじちゃんたちだけ。
トゥクトゥクは日本円では何百円だったと思うけど、現地の貨幣価値だと高く感じたので、僕はできるだけ歩いて移動していた。

上記のクラブに行ったのは夜20時すぎだったので、行きも歩こうと考えたが片道90分はかかりそうだった。

どうしようかなと歩いていると、ふらふらと自転車に乗った若者(20代の男性)が通り過ぎた。ヴィエンチャンの夜は(昼も?)歩いている人が少ないので、その若者はこちらを振り返って自転車を止めた。

たぶん外国人が珍しいのもあったのだと思うが、向こうから声をかけてきた。
たぶん「どこから来たんだ?」みたいなことを言っているから、僕は「I'm Japan」などと答えた。

そうすると「あー、オイラ英語わかんない」みたいな感じのことを言って去っていった。
と、思いきや 引き返してきて「どこまで行くんだ?」みたいなことを聞いてきた。

ここで想像してみてほしいのだが、見知らぬ土地(外国)の ひとけのない夜道で 言葉も通じない黒っぽい(そう見えた)若者から声をかけられたら あなたはどうする?

最初に「ふらふらと自転車に乗った若者」と書いたように、その若者は酒に酔っているのかフラフラしていて 目をよく見ると赤く充血していてる。
タイでさんざん見てきたので分かるが、これは間違いなくキマっている。
なにがって?

weed, ganja, joint, tampje, cannabis, marijuana など色々な呼び方があるが 日本では大麻、マリワナ(マリファナ)、ハッパ などと呼ばれているそれである。

ちなみに「メリージェーン」は、マリワナのスラングらしく marijuana を メリージェーン(Mary Jane) と読んだ人がいたという説や Mary Jane をスペイン語にすると Mari Juann だという説がある。

※つのだ☆ひろの名曲「メリージェーン」が marijuana のことを歌っているかどうかは 定かではない

というわけで、僕はその若者の自転車に乗せてもらい(中学生のとき以来の立って乗る2ケツだった)送ってもらうのだが、さすがにクラブまでの道のりをキマっている若者とランデヴーするのは怖かったので 近くのCafe Amazonでおろしてもらうことにした。

道中、彼に「Do you smoke weed?」と聞くと「Every day, I'm heavy smoker」と返ってきた笑
Cafe Amazonにはトゥクトゥクのおじちゃんたちがいっぱいいた。値段交渉をして(ラオス人はそんなに負けてくれないが)クラブまで行った。

クラブ内の雰囲気は前述した通りで、ビールも高くてぬるかった!(この世の中でぬるいビールほど腹が立つことはないね)

40分もいなかったと思うが、しょーもない音とノリに我慢できず店を出たが帰りのトゥクトゥクが見つからない。しょうがなく1時間30分かけて歩いた。

その帰りに魔が差した。

宿の近くまでやっとこさ歩いてきた僕は なぜか道端に座っているおじちゃん(トゥクトゥクのドライバーだったのか?)の横に腰をおろして話しかけた。

「Do you have weed?」
「Yes, of course」

さて問題です
これまでに僕は「トゥクトゥク」と何回言ったでしょうか?(正解はコメント欄で)

※ここからはフィクションがまじります(随時更新)

ラオスではジョイント(巻いた状態)では売っていなくて、乾燥させたものを透明のジップロックに入れた状態で売られていている。
主にトゥクトゥクのおじさんたちが売っているが、タイに比べると質は悪いのに高い。しかし、そのおじさんのは安かったので1パケット(1袋)を買った。

そしてそのままヴァンヴィエンにバスで向かった。
ヴァンヴィエンはヴィエンチャンとは違い、パリピがいっぱいでタイっぽかった。
ホステルのドミトリーは5〜600円でプールが付いている。
「Nana Backpacker Hostel」
https://maps.app.goo.gl/eZNn2kMqHMq5cxxk9?g_st=ic

メシもうまかった

そのホステルの受付の女の子(20代のヒッピー風)に「Do you smoke weed?」と聞くと「No, smoking weed here is very dangerous」と答えた。

僕が「Where can i smoke」と聞くと彼女は「There are cameras all over the hostel and the police come to check on them from time to time. People who smoke marijuana usually do so in restrooms and bars」と言った。

バーの場所を聞き、僕はそこに向かった。
「Full Moon」
https://maps.app.goo.gl/1LjoSHyrUkXgtBzY8?g_st=ic

そこはとてもいい雰囲気(Good Vibes)で、大将(マスター?)もラスタファライ(Rasta fari)なヤツだった。

そこでハマという日本人にあった。

僕はタイでもそうだが、なるべく日本人とはつるまないようにしてきた。
理由は、もともと群れるのが嫌いなのと 外国に来てまで日本人としか話さないヤツ(ムシズガハシル…🫢)にはなりたくなかったからだ。

だけどなぜか出会ってしまう日本人が幾人かいる。
プーケットで出会った ヒビキ、
ヴァンヴィエンで出会った ハマ、サユリ、マリエ、
チェンマイで出会った スキトベ、ナナカ、ツッチー、ダイチ
コルカタで出会った サトシ(あ、こいつはコルカタ人か)、キタ(あ、こいつはコルカタ人か)
ゴアで出会った ユージ。

ヴァンヴィエンのこのバーでは ハマと出会った。
「ハマ」というの名前からイメージされる、いまあなたの頭の中にあるそのルックスそのままの人。

丸坊主で、少しガタイが良くて 一見すると ハンシャや ヤカラに見えるけど 中身はとても優しく熱い男だ。テレビ局のカメラマンをやっていた。

彼とは ジョイントを吸いながら日本の政治や法律について語りあった。
タイのマリワナが合法されたのに 日本の法律は意味わからん、政治はおじいちゃんおばあちゃんが動かしているから 日本はこのまま沈没する。

彼は タイで日本人のための居場所を作ると言っていた。ホステルは1日6〜700円くらい、 そこでは cannabis を育てていて 例えばそのcannabisの世話をしてくれたら割引するとか、スタッフとして働くなら宿代タダとかになったらいいねなどと語った。

そこで僕はユウヤのことを 涙を流しながら熱く語った。
てんかん で死んだ、大麻を吸っていた、アイツとタイに来たかった アイツみたいに死なないように日本人のウツや引きこもりなどの居場所にしてほしい などなど…

1人でホステルに帰ると ファラン(タイ語で欧米人)たちがプールでパーティをやっていた。
僕はプールサイドでそれを観ながら 缶ビールを飲んだ。
韓国人の元軍人と会った。
彼は 徴兵期間を終え休暇中で タイやラオスをまわっているということだった。海軍で戦闘機に乗っていたという彼は、訓練中の写真を見せてくれた。
これまで、映画(プラトーン、グッとモーニング・ベトナムなど)でしか観たことのないような光景だった。

爆弾が落ちるところを戦闘機の中から撮った写真や、海?のなかを軍服とライフルとリュックサックの隊列が歩く動画など。

余談だが、東南アジア(タイ、ラオス、インド、マレーシアなど)では いま韓国人がモテる。経済が発展しているし、K-POPが人気だからだ。
(ちなみに 日本のマンガは世界中の人からホメられた。なかでも ナルト はほとんどの国の人が知っていて、僕は名前は知っているけど中身は知らないので「なんで日本人なのにナルトを知らないんだ!」と怒られて、どれほどナルトやマンガがすごいのかをヨルダン人から教えられた)

彼は韓国人の中でも相当モテるだろうな思った。韓流スターのような甘い顔で、カラダは軍人あがりでムキムキのマッチョだからだ。

その前日にウクライナの国境に近いポーランドにロシア製の爆弾が落とされて、第三次世界対戦(world war III)が起きるんじゃないかとBBCは報道していた。
僕はその話も「元軍人として どう思う?」などと聞いてみた。
彼はそのニュースを知らなかったが、笑いながら「これは間違って爆弾を落としたんだよ」と答えた。

そんなことがあったのその日の夜、僕はプールサイドで朝の2〜3時までウダウダと飲んだり音楽を聞いたりしていた。

すると突然、犬が吠え出した!
そのホステルで飼われているのかは知らないが、ホステルには常に2匹の犬が出入りしていた。
普段は吠えたりしないのだが、ホステル前の道を人が遠ったり知らない人が入って来たりすると急に吠える。(ホステルの客には吠えないから不思議だ)

男が4〜5人プールサイドに来て、まっすぐに僕が座っている席まで歩いて来た。(プールサイドには 僕のほかにも2〜3組いた)
顔はタイ人に見えた。ラオスにいると、ラオス人とタイ人は似ているようでも どこか違っていたので 見分けがつくようになっていた。

肌の色は浅黒く、目つきがするどい(いま思えば、万国に共通する 警察官のあの目だった)男が僕に話しかけてきた。
「Do you have weed?」

ヴァンヴィエンのホステルでは、色々な国の人と仲良くなり よく「ブラザー」と呼び合っていた。この時も、僕とブラザーになって仲良くジョイントを吸いたい人なのかな?と勘違いしてしまい、僕は なぜか「Yes」と答えてしまった。

すると その男は「どれくらい持ってる?」とか「売ってくれよ」と言い出した。ここで僕は「あ、こいつヤバいな」と気づいたが あとの祭り。
僕が「俺は売ってないよ」とか「吸いたいの?」などと聞いたが、ほかの男たちも集まってきて「警察だ、持っているものを出せ」という展開になった。

いま思うと なぜ僕は「Yes」と答えてしまったのか?
タイで当たり前の感覚になっていたのもある。ホステルの人たちのフレンドリーさに浮かれて「世界中のみんながブラザーだ」と感じていたのもある。

  • こういう時に不思議なのは、一瞬の判断で物語が急展開するということ。
    プールサイドにいるときに「そろそろ部屋に戻ろう」と思ってたけど、なぜか僕はダラダラとそこにい続けた。相手の目つきを見た時に「ヤバい」という直感にしたがって「No」と答えればよかった。
    この不思議な感覚は、インドでお金を盗られた時にも iPhoneを盗まれた時にも感じた。
    この一瞬の判断(咳を1つするかしないかの違い)で人生の展開は変わる。
    今回でいうと そのポイントは4つ

    • 部屋に戻ろうと思った時

    • 急に犬が吠え出した時

    • 男の目つきで「ヤバい」と感じた時

    • 相手の質問に対して「Yes」と答えた時

僕はそのままパトカーに乗せられて、近くの「ツーリストポリス」に連行された。(ホステルから車で5分のところだった)
そこでパスポートを押収され「明日の朝10時にここに来い」と告げられた。僕が「どうなるんですか?」と聞くと「それは明日の朝 ボスが判断する」と言われた。

帰りはパトカーで送ってくれなかったので、歩いてホステルまで帰った。
起きてしまったことはしょうがないが、そこからは頭をフル回転させて朝まで色々と考えた。
「日本に強制送還されるのか?」「いや罰金ですむだろう」「罰金っていくらくらいかな?」「そういえばホステルに張り紙があって、ここで警察に捕まって高額な罰金を払わせられた旅行者がいっぱいいるって書いてあったな」

などなど…
ひとりプールサイドであれこれ考えていると、1人のオーストラリア人がやってきた。20代でブロンドヘアの甘いマスクの男だ。
「Hi how are you?」「I'm so bad」「You bad?? Why?」と、とても心配してくれた。
僕が先ほど起きたことを話すと「Why did you say yes?」と言われたが、「I don't know, I'm dumb」と答えるしかなかった。

そのオーストラリア人は「友達が以前同じ経験をしているから、どうなったか聞いてくるよ」と言って席を立った。
その友達も起きていたのだろう(深夜4時頃)、15分ちかく話をしていた。この先どうなるのか心配になってきた僕は、そのオーストラリア人と友達が話している場所まで行ってみた。
すると そこにいたのはオーストラリア人と話をするホステルの受付の女の子だった。(なーんだ、君は捕まったことがあるから「とても危険だ」って僕に教えてくれてたんだな、僕は本当にバカなことをしたなー)

その女の子は「たぶん罰金を払うことになると思う。金額は、そうね 3,500,000キープくらいじゃないかな?」

350万キープ? 僕は貨幣変換アプリで計算する。約27,000円…
うーん、ラオスでの生活費1ヶ月弱くらいの額だな、それも1日1食と宿泊代がやっと出るくらいの額。

起きたことはどうしようもない、ここは自分に納得させるしかない。ヴィエンチャンで買ったweedが高くついたと思ってあきらめろ、と。

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Kentaro@剣汰楼
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