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DからAを繰り返す

お客さんが来ない=売上があがらない


手書きチラシと手書きハガキは10ヶ月ほどで効果がなくなってきました。絶頂期に130万円だった売上は、80万、70万、60万、50万、と下がっていきました。

50万円を切ると赤字になります。ずっとアルバイトを雇っていたのですが、その時アルバイトが辞めることになりました。10坪の狭い店でしたので、この機会に一人でやっていくことにしました。そのぶん人件費が浮くと思ったからです。

とにかく現状が最低なことだけはわかっていましたので、定休日に食べ歩きをすることにしました。1週間に一度、お客さんから聞いて評判の良い店を1日に4〜5件回ります。食べきれない時は、兄に電話して来てもらい手伝ってもらいました。
そこで良いと思ったことは自分の店に取り入れました。メニューはもちろん、店内の張り紙や注文の取り方、BGMやトイレのアメニティまで、ありとあらゆるものを吸収しようと必死でした。常に何かを探していました。 

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Plan (プラン)は立てない

計画を立て(Plan)、実行し(Do)、行動を評価し(Check)、改善する(Action)というPDCAサイクルという言葉があります。当時の僕はそんな言葉を知りませんでしたが、とにかくやってみてダメだったらすぐに変えることを繰り返していました。

Planは必要ないので、D→C→A→D→C→Aを繰り返しました。

考え方によっては、「商売の楽しさ」というのはこのことなのかもしれません。

自分で考えてやってみたことが当たると、お客さんが喜んでくれる。
喜んでくれるお客さんが増えると売上があがる。
売上があがれば、その利益の中から次のチャレンジをすることができる。

さらに、自分の中に別人格をつくって「評価」をして「改善」ができれば良かったなと思います。

これができるのが経営者だと思います。

しかし、これがなかなか出来ないのです。自分が必死でやっている店のことになると、客観的に見ることが困難なのです。努力して頑張れば頑張るほど、思い込みが強くなり「贔屓目(ひいきめ)」でしか見られなくなってしまうのです。

そうなるともう、人のアドバイスを素直に聞くことが出来なくなり、「自分はこんなに頑張っているのになんでうまくいかないんだ」と周りを恨むようになっていきます。こうなってくると、もう末期です。

頑張れば頑張るほど落ちていくアリ地獄です。精神的にも追い詰められていきます。よほど強い精神力がないと人生自体を諦めてしまうかもしれません。甘い言葉で救ってくれそうな人がいれば、宗教にハマってしまうこともあるかもしれません。僕も色々な自己啓発書やスピリチュアル系の本にもハマりました。

僕が好きな「マネーの拳」というマンガにこんなセリフがあります。

彼はビジネスの世界に向いていない。
その根拠は… 突発的な行動を起こすから。
いいかね、ビジネスは理詰めの世界。
そこは最後まで自分の利益は理屈で守る人間でなくてはならない。
切羽詰まって破れかぶれの行動に出る人間は商売には向かない。


僕は何かに救いを求めながらも、まだ自分を信じていました。


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Kentaro@剣汰楼
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