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私の家族会への関わり方


「家族会は親御さんに、ひきこもりの子どもに引きずられず、自分自身の人生を楽しんでいただくための手助けをするもの」
「親が変われば子が変わる。そうかもしれないしそうではないかもしれない。いずれにせよそんなことは後回し」

こんにちは。ウィークタイで、昨年の9月から家族会に関わっている五色です。今回は、私の家族会への関わり方を書こうと思います。なお、これはあくまでも私の家族会への関わり方であって、ウィークタイのひきこもり経験者全般の家族会への関わり方ではないことはあらかじめご了承ください。

家族会への私のスタンス

私は昨年9月から月1~2の頻度で家族会に参加しています。そこでは親御さんが数人来られ、子どもについての悩みを話していかれます。

私は前回のNOTEで書いたように、親御さんに福祉制度の情報提供を行う役割のことが多いです。

そんな私が、親御さんとお話しする際に心がけていることは、
「親御さんを責めない、必死に生きてこられてきた方のお話を伺う、安心していただき、ほっとしていただく」
「子どもの気持ちの代弁をしない、ましてや自分の親子関係を投影しない」
の2つです。
傾聴を心がけ、安心していただくこと。この辺は家族会といえども普通のカウンセリングなどとスタンスは全く一緒です。
中には、子どもの気持ちを代弁して、当事者という剣を振りかざして、親御さんに説教するのが役割だと思っている人もいるかもしれませんが。

来られた方にお聞きすること

初めて家族会に親御さんは特に、様々な感情を吐露していかれます。
感情の吐露が落ち着いたあたりで、私ができるだけお聞きする2つのことが
あります。
「今どんなことが楽しいですか?」
「親御さん自身やお子さんに(医療・福祉の方など、プロの方で)相談相手はいますか?」
 の2つです。

(実はこの2つは私が自分の親にも言った言葉です。自分の当事者性の中で生まれた言葉です)

家族会に来られた方は、主語が「私のこども」になっていることが非常に多いです。
そんな中、趣味や生きがい、仕事などの話を振ると、親御さんのお話の主語は「私」になり、「私は○○をしたい、私は○○が楽しい」として話されるようになります。

そして合わせてお聞きすることは、
「相談相手はいますか?」です。病院、訪問看護、就労カウンセラー、福祉関係。どういう肩書でも構わないのですが、プロの方がひきこもりの家族に寄り添っていること、家族の方が何らかの相談窓口を知っていることが非常に重要だと思っています。

家族の問題を家族だけで解決しようとすることはリスクがあることだと思っていますし、孤立すればするほど家庭内の軋轢は深まります。親御さんに子どもに関する肩の荷を少しでも下ろしてほしいです。

このあたりで行政の支援や各種居場所、福祉制度等の話になることもあります。家族会の大半は、この辺りの会話までで時間を使い切ることが多いです。

「なんとかなります」…ほんと?

「なんとかなります」
これも親御さんに対してよく使う言葉です。一見優しい言葉です。
親御さんは、「なんとかなりますよね」みたいな反応をされることが多いです。

幸い、今の日本では生活保護というセーフティーネットもあるし、飢え死にすることはない。しかし、それ以上を求めるなら自分でなんとかするしかないと思っています。

「なんとかなります」というか、「なるようになる」でしかないと思っています。
例えばこどもが30歳の場合、30年の人生で無数の人から影響を受けており、その結果として人からの付き合いを避け、ひきこもりという結果に至っています。
そんな中、親御さんの接し方が(それも、親の会で教わった上辺のテクニック程度で)多少変わっただけで、長期間引きこもっている人が自分に自信を取り戻し、人と関わろうと思えるものでしょうか。これが10代であればともかく、成人した引きこもりの方の親御さんに「接し方を変えていきましょう、気長に接しましょう」と声をかけることは、非常に無責任な行為に思えます。

それよりも、親御さんに残りの人生を楽しく生きてほしい。それが願いです。
親御さんが楽しく生きていることが、結果として子どもに好影響を与えるかもしれませんが、あくまでもそれは可能性であり、それを目的にするのは違うと思っています。

ぜひ、子どものためではなく、ご自身のために家族会に来られてください。
ひきこもっている方自身は、その方自身でなんとかするしかないんです。

締めは意外と辛口になりました。

余談

ちなみに、私は「両親の生育環境、人生の挫折や葛藤を聞き、それが子育てにどのように影響していた」かを根掘り葉掘り聞きました。

それで自分の人生にある程度納得して、もう少しだけあがいてみようと思えるようになりました。
それでもアル中の父親とは絶縁しました。最近は大きい病気をたびたびしているようです。死んだら連絡が来るでしょう。たぶん。そんな関係です。
私の母は趣味を楽しんでいるようです。親子間の軋轢だけでなく、DVからも解放されたと聞いています。めでたし、めでたし。


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