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【遊戯王】地縛ラビュリンスで破壊の美学を体現してみないか?

遊戯王ARC-Vの2年目の途中。烈風の如き勢いで、シンクロ次元(と我々の腹筋)に嵐を巻き起こしたあの男のことを覚えているだろうか……。

今回はそんなセルゲイ・ヴォルコフが使用する【地縛】を主軸に【ラビュリンス】と組み合わせたデッキを紹介します。

※カジュアル寄りのデッキの紹介です。CSに持ち込んでデュエルに負けたり、コースから墜落したとしても責任は負いかねます。


1・デッキ紹介

2.コンセプト

そもそも【地縛】というカテゴリをどれくらいの人が知っているのでしょうか。
【地縛神】は5D'sでの活躍や、面白い効果によって比較的多くの人が認知していると思うのですが、こと【地縛】に関しては《篝火》や《トランザクション・ロールバック》のおまけでついてきたカードと認知される方が多い気がします。
実際にイベントで持ち込んだ際に、彼らの効果を認知していない人が体感では8~9割程いるように思えます。

イラストがめちゃくちゃカッコイイ

そんな【地縛】の最大の特徴は、エースでもある《地縛戒隷ジオグラシャ=ラボラス》。
①によって絶対に戦闘で相手を倒すマンになり、②によって相手の場を焼け野原にする豪快さ。
更に、相手によって除去されると地縛をデッキ・EXデッキから特殊召喚できる。
アニメではどう形容していいのか分からないくらい無だったカードが、OCGによって魔改造され、「エース」と呼ぶにふさわしい強力なカードになっています。
注目すべきは当然②の効果。これは破壊であれば効果破壊でも問題無く発動し、相手ターンにモンスターを効果破壊できれば相手ターンでも相手の場を焼け野原にすることが出来ます。

が、とにかく出し辛い……!

「地縛」融合モンスターと「地縛」Sモンスターという、EXモンスターを2体要求する素材がとにかく重い!
出さえすれば、後述する蘇生のしやすさも併せてかなり相手にプレッシャーをかけられるカードになるのですが、とにかく出すのが大変です。

と、ジオグラシャ=ラボラスをエースとする【地縛】ですが、なんと地縛カードだけできちんと展開するには2~3枚初動が要求されます。
なので、同じ悪魔族であり粘り強く戦える【ラビュリンス】に介護をしてもらい力を貸してもらい、なんとか《地縛戒隷ジオグラシャ=ラボラス》の降臨を目指すデッキになります。

【地縛】は一部のカードに融合・シンクロしか出来ない縛りが発生します。その中で、EXをあまり使わず罠によって粘り強く戦え、《白銀の城の召使い アリアーヌ》から【地縛】の展開が出来るという2点から、【ラビュリンス】に白羽の矢が当たりました。

すなわち、ラビュリンスで耐えて耐えて、最後の最後に地縛で相手の場を吹き飛ばすことがコンセプトです。

これぞ破壊の美学

とはいえ【地縛】と【ラビュリンス】は細い糸で繋がっている関係に過ぎないので、実際の運用は「地縛側」と「ラビュリンス側」に分かれます。

3.カード解説

・地縛ギミック

《地縛囚人 グランド・キーパー》

展開の肝

チューナーその1。
地縛側の初動になるカードです。デッキ・墓地からストーン・スィーパーを持ってきてシンクロをします。
それだけですが、地縛側はとにかくこいつにアクセス出来ないと始まりません。
素引きしても強いので、3枚です。

また、地縛囚人達はリクルート・サーチ効果を共通して持っています。しかし、多くの決闘者は地縛囚人から何が起こるか認知出来ないため、とりあえずうららを打たせる役割もあります。
(地縛側の展開が止まるより、ウェルカム・ラビュリンス系にうららを打たれる方が致命的)

《地縛囚人 ストーン・スィーパー》

リゾネーターのお陰でシングル価格が高い

②の効果でグランド・キーパーを持ってきます。
①で特殊召喚も出来ますが、基本的にはデッキ圧縮も兼ねてグランド・キーパーをサーチし、あちらの効果で墓地から特殊召喚することが主です。

体感、2枚あれば十分です。
1枚だと、墓穴の指名者を喰らった瞬間にただのラビュリンスデッキになるため、ちょっと不安。

《地縛囚人 ライン・ウォーカー》

通称・チビ コカパクアプ

チューナーその2。
①で「地縛牢」か「異界共鳴-シンクロ・フュージョン」をサーチできます。
どちらをサーチするかは状況次第ですが、単体で機能する「地縛牢」を優先することが多いです。
このカードのポイントは墓地からもカードを拾えること。
ただ、こいつに割く召喚権は無いので1枚あれば十分です。

ちなみに②の効果は一見意味不明ですが、ジオクラーケンの②の効果を強制起動させるためだけに存在します。
ただ、ジオクラーケンが場に残っている時間が短いこと、条件の成立が難しい事から実質的には虚無です。

《地縛戒隷 ジオグレムリン》

地縛側の重要なカード

グランド・キーパー+ストーン・スィーパーでシンクロ召喚をします。
地縛側はこのカードをシンクロ召喚することに心血を注ぎます。
EX枠を割きますが、2~3枚は必要です。

まず①の効果は、《No.44 白天馬スカイ・ペガサス》味がある選択効果。誘発効果なので相手ターンにも使用できます。
押さえるべきポイントとして、ライフが回復出来ない場合は相手は破壊効果を選ばないといけないという裁定があります。
つまり、効果処理時に裏側表示になっているor攻撃力が0 のモンスターは問答無用で破壊できます。

重要なのは②の効果。なぜかバトルフェイズに融合という致命的な遅さがありますが、相手ターンにも使用可能。
まずはシンクロ素材にしたグランド・キーパー+ストーン・スィーパーでジオクラーケンの融合召喚を狙います。
次の番に、自身とジオクラーケンを融合し、エースカードのジオグラシャ=ラボラスの融合を目指します。

バトルフェイズ中の融合なので追撃にも使えるのは明確な利点です。
一方、2回融合しないといけない都合、早くても3ターン目にしかジオグラシャ=ラボラスが出てきません。
こいつの維持が非常に難しいので、なかなか2回融合が出来ないというのがこのカードの欠点です。

《地縛戒隷 ジオクラーケン》

生きるテラ・フォーミング

ジオグレムリンの融合先の候補筆頭。1~2枚欲しいカード。
「地縛」モンスター×2という重い融合素材が足を引っ張りますが、その分強力な2つの効果を持ちます。

①でフィールド魔法をサーチできますが、墓地からも回収できるのは他にない明確な利点です。
状況に応じ、地縛牢、白銀の迷宮城、ネクロバレーを入れ替えます。

②は相手依存ですが、豪快な破壊+バーン効果。相手のけん制になりますが、ジオグレムリンで融合できるのはバトルフェイズであるため、肝心の相手メインフェイズ1にこのカードが場にいることが稀です。
一応、先述の通りライン・ウォーカーで無理やり起動も出来ます。

《地縛戒隷 ジオグリフォン》

地縛のSDGs担当

シンクロ召喚でこのカードを出すには、ライン・ウォーカー+ストーン・スィーパーの組み合わせになります。
ただ、この二体が場に並ぶのはポケモンで色違いが出るくらいレア
なのでシンクロ召喚で場に出ることはかなり稀です。

その代わり、ジオグラシャ=ラボラスの③の効果で呼びだす筆頭のカードです。

①がシンプルに強く、相手ターンでも蘇生が可能であり、地縛であれば何でもいいのが最大の利点です。
なので、ジオグラシャ=ラボラスでジオグリフォンを特殊召喚、ジオグリフォンでジオグラシャ=ラボラスを蘇生、という動きが出来ます。

ジオグラシャ=ラボラスは融合召喚でしか特殊召喚できないため、グリフォンで呼びだすことは出来ませんでした。(追記)

地縛戒隷プラスチック説

ポイントとして、ジオグリフォンの蘇生はターン1なのですが、ジオグラシャ=ラボラスの特殊召喚効果にはターン1が無いことです。
そのため、ジオグラシャ=ラボラスのループを打ち消すにはジオグラシャ=ラボラスとジオグリフォンをそれぞれ2回除去するか、ジオグラシャ=ラボラスをEXデッキに戻すしかないのです。

さらに、ジオグリフォンも相手によって除去されると破壊効果のおまけつき。
このループを採用するために、EXには2枚入れています。

このループも当然不可です。(追記)

《地縛戒隷 ジオグレムリーナ》

素材指定がジオクラーケンよりは緩い

遅れて実装された融合体です。
緩い素材のため、ラビュリンスを素材にして融合することも出来ます。
ただ、このカードが融合召喚出来ている状態=地縛ギミックが回っている状態なので、①で特にサーチしたいカードが無いのが難点です。

②と③も決して弱くは無いのですが、バトルフェイズに融合すると②は虚無に。③は発動機会がそもそも与えられず虚無になりがちです。

ジオグラシャ=ラボラスを出すためにどうしても地縛融合体が必要なため、一応1枚だけ採用です。

《地縛戒隷 ジオグラシャ=ラボラス》
既に説明しているので割愛。出しづらいので1枚採用です。
ちなみに、③の効果で地縛神も出せますが、手札に引いてしまうと出すことが出来ないため要注意。

《地縛牢》

無効持ちのフィールド魔法

発動時に効果無効が出来るフィールド魔法。素引きしても仕事があるのは嬉しいです。
②で召喚権も増えるので、ラビュリンスに割いた召喚権に加えて地縛側の動きも出来るとハッピー。

③の効果も豪快で非常に強力であり、地縛モンスターであればなんでもいいので、ストーン・スィーパーが墓地にいるだけでけん制になります。
有用性は高いのですが、常に有用ではない点と、ジオクラーケンやライン・ウォーカーでサーチが可能であるため1枚採用です。

《異界共鳴-シンクロ・フュージョン》

特殊召喚扱いなのが惜しい

ライン・ウォーカーでサーチできるカードですが、このデッキでの役割はもっぱら家具ラビュリンスたちの手札コストです。
手札コストにしてもライン・ウォーカーで回収できることが強みです。

一応、ライン・ウォーカー+ストーン・スィーパーorラビュリンスで出せるようにEXは用意していますが、あまり出せる先に有用なモンスターがいなかったのは残念です。


苦肉の策的使用例

ポテンシャルそのものはあるので、今後EXが充実すれば開花する可能性はあります。

なお、ウェルカム・ラビュリンスの悪魔族縛りには注意。

・ラビュリンスギミック

多くの決闘者はラビュリンスの方は地縛と違って効果を知っていると思うので、ポイント以外は簡潔にまとめます。

《白銀の城の火吹炉》
《白銀の城の竜飾灯》
ラビュリンス側の起点になり、あれば嬉しいので2枚採用。
さすがに3枚は枠が……。

《白銀の城の狂時計》
使用できる状況が限られているため、1枚に絞り採用。

《白銀の城の召使い アリアンナ》
起点になるサーチャーなので当然3枚。

《白銀の城のラビュリンス》
あれば嬉しい1枚採用。

《迷宮城の白銀姫》
罠の維持と火力役を担うラビュリンスのキーカード。2枚採用。

《白銀の城の召使い アリアーヌ》

①②はそれぞれターン1

純ラビュリンスではあまり見かけないものの、地縛とラビュリンスを繋ぐ重要な役割を担います。
①の特殊召喚効果は悪魔族レベル4以下であればなんでもいいので、ここからグランド・キーパーを特殊召喚し、地縛側の展開を始められます。
状況次第ではライン・ウォーカーを特殊召喚し、シンクロ・フュージョンをしても良し。

コストには余ってきたウェルカム・ラビュリンスを使うことが多くなるので、仕事が出来るのは中盤から。
ちなみにアリアンナと違い、①②はいずれかではなくそれぞれターン1という所は忘れがち。

ちなみに、アリアーヌとアリアンナの②の効果で地縛囚人も特殊召喚可能。ライン・ウォーカーを出せると、サーチや回収まで出来てお得です。

《ウェルカム・ラビュリンス》
ラビュリンスをリクルートする役割に加え、アリアーヌのコストとしての仕事も果たす。
自身の効果で再セットが出来るので、2枚で十分。

《ビッグウェルカム・ラビュリンス》
展開と妨害を担う強力なカード。当然3枚。

《白銀の迷宮城》
地縛のお陰でフィールド魔法を強く使える為、1枚採用。
②の効果で地縛をなんでも出せるところを有効的に活用していきたい。
バトルフェイズ中に除去を行い、ジオグレムリンを蘇生すると、追加で融合も出来るのがポイント。

《ラビュリンス・セッティング》
純ラビュリンスと比べると、ラビュリンスと罠カードで時間稼ぎをする面が強くなります。そのため、場の罠が枯渇してきた際に使えると有用。
ただ、ラビュリンス罠が他に必要になるため1枚採用に。入替候補。

・その他魔法・罠

カジュアルにしてはえげつないカードが混ざってますが、そうでもしないと生き残れないのが現代遊戯王の苦境。
何を入れるかは実質自由枠ですので、お好みのカードを入れてください。

一部だけ紹介します。

《王家の眠る谷-ネクロバレー》

相手も自分も死ぬ

墓地メタは多くのデッキに刺さりますが、無論自分にも刺さります。
そのため、デメリットを上回るメリットが見込める場合に投入するカードです。

このデッキの良いところはジオクラーケンで用意にフィールド魔法をサーチ・回収が出来るところなので、1枚で完結するフィールド魔法は入れ得です。
さらに、腐ったとしても家具ラビュリンスの手札コストにすればいいというのも利点。

《暗黒界の登極》

素引き前提が欠点

ジオグレムリンではあまりにも融合が遅すぎるので、無理やり融合するカードもオススメです。
その中でも登極は墓地融合が可能なので、あらゆる状況から融合体を持ってきます。
ミラクルシンクロフュージョンでもジオグラシャ=ラボラスは出せますが、ジオクラーケンやジオグレムリーナを出せない点から登極に軍配が上がります。

その他、モンスターの破壊を伴う罠カードは相手のターンにジオグラシャ=ラボラスの全体除去を誘発出来るので、オススメです。
筆者の構築例では、相手の展開を防いで泥試合に引きずり込むカードを多く採用しています。

・その他EXモンスター

《カオス・アンヘル-混沌の双翼-》
ストービー+姫様でお手軽除去。入れ得なので採用。

《No.41 泥睡魔獣バグースカ》
アリアーヌとアリアンナでエクシーズ召喚。とにかくデュエルをスローペースにし、ラビュリンスのリソース稼ぎ+地縛展開の準備を進めるための採用です。
ただ、レベル4を2体並べるのがちょっと大変で、あまり出番はありません。

《魔界特派員デスキャスター》
悪魔族汎用リンク。ラビュリンスも地縛も蘇生できるので、当然入れ得。

《S:Pリトルナイト》
《厄災の星ティ・フォン》
《トロイメア・フェニックス》

入れ得カード。特筆すべきこと無し。
リトルナイトは悪魔族ではないので、ウェルカム・ラビュリンスの誓約には注意。

汎用レベル7シンクロ
シンクロ・フュージョンで出せるカードであればお好みなのをどうぞ。
ライン・ウォーカーでサーチする都合上、5シンクロよりは7シンクロをする見込みが高いため、5シンクロは非採用です。

シンクロ・フュージョンの項でも説明しましたが、融合召喚やシンクロ召喚扱いにはならないので要注意。

4.実際の回し方

序盤にも説明した通り、基本的には【ラビュリンス】で耐えて、隙を見て【地縛】を展開する形になります。
先行1ターン目はバトルフェイズが無い都合、先行1ターン目はラビュリンスで動き、リソースに余裕が出来たり、グランド・キーパーを持ってこれるようになってから地縛で展開を目指します。

グランド・キーパーを持ってくる手段は主に、
①ストーン・スィーパーでサーチ
②アリアーヌによるリクルート
③有り余る運命力による素引き
の3パターンになります。
アリアーヌは1枚採用ですが、ウェルカム・ラビュリンスの存在から意外と苦労しません。ただ、アリアーヌを場に特殊召喚する余裕があるかは別ですが。

まるで遠足前日のジオグレムリン

地縛側の展開はシンプルで、グランド・キーパーを召喚し、ストーン・スィーパーを特殊召喚。その後、ジオグレムリンをシンクロ召喚し、バトルフェイズを待つだけです。

1日1動 ジオグレムリン君

融合効果はターン1なので、ジオグラシャ=ラボラスを出すにはそのままでは2ターンかかります。
これもラビュリンスや罠で守ってやらないといけないのが厳しいところですが、その分ジオグラシャ=ラボラスが場に出たとき、アドレナリンが迸ります。

5.今後の課題

・抜けていったカード

《烙印劇城デスピア》
ジオグレムリンの効果でジオクラーケンを融合し、サーチできます。
その後、メインフェイズ2でジオグラシャ=ラボラスの融合が出来ますが、とにかく遅いのが欠点です。
素引きしたときも弱く、メリットを上回るデメリットを感じたので抜けました。

実際、ネクロバレーでも採用圏ギリギリです。

《死魂融合》
姫様の効果でセットできますが、どちらかといえばもっと他のカードをセットしたいことが多く断念。
裏側除外というのもちょっと苦しいところ。

《魔砲戦機ダルマ・カルマ》

厳密には採用を見送ったカード

ラビュリンスで現在多く採用されている強力な罠カード。
しかし、地縛も一緒に裏側守備にしてしまうため、ジオグレムリン達の効果が使えなくなる欠点があります。

ただし、それを補って余りある強力な効果ではあるので、入替候補の筆頭。

・将来の展望

地縛は未OCGカードをいくつか残しています。
その中には「地縛融合」という速攻魔法カードがあり、ジオグラシャ=ラボラスの降臨時間短縮に期待がもてますが、地縛魔法・罠のサーチ手段が存在しないという終わってる致命的欠点があります。

(2023/11/9追記)
地縛融合が無事OCG化しましたが、やはりサーチ手段の無さがキツく……。採用するか否かは悩むカードです。

他にも、ジオグリフォンを出す手段が増えれば、いろいろなことが出来そうとも思います。

なんにせよ、ジオグラシャ=ラボラスさえ出てしまえば強力なデッキなので、他にも融合手段が増えればもうちょっと強くなる可能性はあります。

6.最後に

というわけで、ラビュリンスで耐えて耐えて、地縛で相手の場を破壊し尽くす「美しい」デッキの紹介でした。
これにはセルゲイもご満悦。

なになに? ラビュリンスが強いだけじゃないか……??

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