日記31 ミステリオタク、つまり僕

もう一月も三分の一が終わるわけだが、いまさら年末の事を書こうと思う。
単刀直入に言うと、年の暮の残り5日間くらいは安楽椅子オタクと化していたのだ。なんのオタクかというと、これはずばりミステリー小説だった。

やれ表現規制だ、やれコンビニからエロ本撤退だ、と騒がれる昨今でも文字畑の殺人という非倫理的行為に白羽の矢が立たないのは、偏に騒ぎ立てる人間が馬鹿で、文字を読む能がないからである。(これは小説が高尚な趣味であると主張しているわけではない)
そして、ミステリオタクが死体がどうだの毒殺がどうだのと嬉々として語り合うのは、ミステリオタクがどうしようもないからだ。

さて、先述した安楽椅子オタクというのは、家に籠って椅子に座り、オタク行為を行うというものである。要するにいつも通りの私だということだ。
元ネタは安楽椅子探偵。自分は動かず、周りからの話を聞いて推理するという出不精タイプの探偵だ。

去年(2021年)は相も変わらず読書の年だったが、年の暮は意識的に読書量を増やしていたように思う。それというのも、以前までは海外ミステリに抵抗があったのだが、最近それが消えてきたのだ。今はクリスティとかカーとかルルーとかの思想と対話し、見事に打ち負かされるという事をやっている。これが楽しいのだな。

しかし、ここら辺の作家はさすがに古い。海外の作品が50年以上経っても極東のこの国で語り継がれるというのは、それはそれで名作であることの証明にはなっているのだが、さすがに国内外含めて最近は古い作品しか読んでいなかった。

そういうわけで、12月は新しい作品を読む週間として精力的に活動をしていた。
しかし、不幸にも私は読書スピードが速い方ではないので、意気込んで買ったうちの半分も読めていない。残念なことに。

日本の作家で最近(10年以内くらい……適当)に有名になってきたのは、井上真偽、相沢沙呼、周木律、今村昌弘……とかだと思う。(ほかにオススメあったら教えてください)
なので、そこらへんの中から数冊本を買ってきた。

相沢沙呼『medium』: 文庫コーナーで新しく出てたので買った。未読
周期律『眼球堂の殺人』: 館シリーズを継承した新本格ミステリーっぽい。未読。楽しみ。
井上真偽『恋と論理の述語論理』『その可能性はすでに考えた』: メフィスト賞取ってるだけあってさすがに面白かった。新鮮なミステリー。既読

他にも三津田信三の刀城言耶シリーズとか、ちょい古いけど島田荘司の御手洗潔シリーズ、有栖川有栖の国名シリーズなどを読んだ。

海外シリーズはそんなに読んでいないのだが、ピエール・ルメートル『その女アレックス』をよんだ。これも従来のミステリーとは違った趣向。とても面白かった。前作品の『悲しみのイレーヌ』を買ったので楽しみだ。
アンソニー・ホロヴィッツが最近アツいということで、近々そちらも買う予定。

そして、新しいのを数冊読むと、再び古いのも読みたくなってくる。今はアガサ・クリスティ『メソポタミヤの殺人』を読んでいる。いずれエラリー・クイーンの国名シリーズも制覇したいと思っている。

こうして読書モチベは無限の螺旋階段となって、人生は楽しく、どうしようもなくなっていくのだ。

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