【IT小説】アルゴリズムの悪魔~破壊をもたらす最強AI~
登場人物
主人公: 春樹 真也 (はるき しんや)
年齢: 22歳
職歴: 地方の大学を卒業後、上京し中小企業のシステム開発会社に就職。プログラミング初心者からスタートし、Webアプリケーション開発の基礎を学ぶ。
性格: 真面目で努力家だが、やや自信に欠ける。失敗を恐れる傾向があり、自分の限界を早々に決めつける癖がある。
趣味: パズルゲーム、読書(主に技術書)
須藤 雄大 (すどう ゆうだい)
年齢: 35歳
職歴: 有名IT企業でAI研究チームのリーダーを務めるが、独自の道を追求するため退職し、スタートアップ企業を設立。現在は「アルゴリズムの悪魔」プロジェクトの責任者。
性格: カリスマ性があり、挑戦を恐れない。洞察力が鋭く、人を見抜く力に長けている。
趣味: マラソン、クラシック音楽
加藤 美咲 (かとう みさき)
年齢: 28歳
職歴: 大手IT企業のデータサイエンティスト。須藤の右腕としてプロジェクトを支える。
性格: 冷静沈着で効率重視。人情味には欠けるが、正義感が強い。
趣味: カフェ巡り、スケッチ
第1章:運命の出会い
深夜、東京都心にある小さなオフィスビルの一室。薄暗い蛍光灯の下で、春樹は一心不乱にコードを打ち続けていた。
「違う、違う…。これじゃ処理が重すぎる…。」
彼が担当しているのは、地方の中小企業向け業務管理システムの一部。納期は明日、データベースの処理速度を最適化するのが彼の仕事だった。しかし、SQLクエリ(データベースとやり取りするための言語)の設計がまずいのか、テスト環境での応答時間は改善の兆しを見せない。
「もう朝か…。」
窓の外には薄明かりが差し込んでいた。長時間の作業で体も頭も限界だったが、結果が出ない現実に押し潰されそうだった。そんな時、春樹の頭をよぎったのは、大学時代の恩師が口癖のように言っていた言葉だった。
「エンジニアにとって一番大事なのは、自分を信じて試行錯誤し続ける力だ。」
その言葉を胸に、再び手を動かし始めた春樹。しかし、心のどこかでは「自分なんかじゃ無理だ」という思いがくすぶり続けていた。
数日後、会社の帰り道、春樹はふと立ち寄ったカフェで、運命的な出会いを果たす。カウンター席に座っていたのは、須藤雄大。彼の存在感に自然と目が引き寄せられた。
「お兄さん、その本、読んでるんだ?」
須藤が指差したのは、春樹のカバンからはみ出していた分厚い技術書『ディープラーニングの基礎』だった。会話が始まると、須藤は技術的な話題だけでなく、春樹の仕事や悩みにも耳を傾けた。
「君みたいな若いエンジニアがもっと活躍できる場所が必要なんだよ。僕が進めているプロジェクトに興味があるなら、今度話を聞きにおいで。」
須藤が差し出した名刺には、「アルゴリズムの悪魔プロジェクト」という文字が刻まれていた。春樹は戸惑いつつも、直感的に「彼について行けば何かが変わる」と感じていた。
春樹が須藤のオフィスを訪れたのはその翌週のことだった。小さなオフィスには最先端のコンピューターが並び、加藤美咲が画面に向かいながら何やら操作していた。
「これが『アルゴリズムの悪魔』。僕たちが開発した、自己学習型の人工知能だ。」
須藤はそう言いながら、巨大なサーバーラックを指差した。画面上には、AIが処理中の膨大なデータが次々と表示されていた。その中には、交通データ、医療データ、金融市場の動向など、さまざまな分野の情報が含まれている。
「これがすごいのは、単なる分析じゃない。膨大なデータを基に自分で仮説を立て、結果を検証する能力を持っているんだ。」
春樹は驚きとともに、AIがもたらす未来に大きな可能性を感じた。しかし同時に、この力が誤った使われ方をしたらどうなるのか、漠然とした不安も感じずにはいられなかった。
「君にはこのプロジェクトに参加してもらいたい。」
須藤の言葉に、春樹は一瞬ためらった。しかし、自分を変えるきっかけを求めていた彼は、その申し出を受け入れる。
「分かりました…。ぜひ挑戦させてください!」
その瞬間、春樹のエンジニアとしての新たな挑戦が始まった。
第2章:試練の幕開け
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