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受託制作におけるデザイナーのコミュニケーションについて

WEB制作会社などで、受託でデザイン制作を行っていくにあたって、デザインそのものの技術も大切なのですが、デザインを行うときには必ず誰かとコミュニケーションを取りながら進めていかなければなりません。

デザインの制作が難航する場合、この根本であるコミュニケーションエラーが発生している場合が結構あるなと感じることが多くありましたので、今回これまでのデザイン業務の中で得てきた私の考えるコミュニケーション方法についてまとめたいと思います。

ステップ1:担当者へのヒアリング

まず案件を始めるに当たって最初に行わなければならないのがヒアリングです。普段私が行っているヒアリングの内容は以下のような感じです。

★状況確認 ( 担当者の思いや考えている事を汲み取る。 )
・まず何をしたいのか?(目的)
・誰のために?(想定されるユーザー)
・どのような方法で実現したいか?(どの程度の制限制約があるか、予算なども含む)
・どんなふうに?どうさせたいのか?(実現したイメージ)

また、下記がその図解イメージです。
それぞれの点と点をつなぎ、想いや考えを予測していきます。

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ただし、この内容を確認するときに気を付けなければならないことがあります。それは、担当者自体の課題理解が浅い場合です。その場合は下記のように、実際に予測される地点に深さが足されます。

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こういった事態は担当者自身ですら気がついていないこともあり、中々予測出来ないことが多いと思います。さらにそのせいで、実際にデザインを出してから、想定していたものと違うということになり、再提出およびスケジュールが後ろ倒してしまうという事態に発展します。

そんなものは、予測しようがないと思われるかもしれませんが、まずは、担当者自身の理解度がどの程度なのか。その先に真意があるのではないかということを意識しておくことが大切だと思います。少しでも真意への理解度に不安がある場合は、もう少し詳しくヒアリングしてみる。または、スケジュールが後ろ倒した場合の影響についても考えておくと、その後の進行がスムーズに進みます。

ステップ2:決済権を持つ者の合意

担当者との合意もまとまり、デザインにも満足してもらえたと思ったその後に、実はまだ落とし穴があることもあります。
ほとんどの場合、担当者の上には決済権を持つ経営陣や役員などがおり、最終的にはその決済権を持つ人物のOKが出ないと、せっかく作ったデザインも世に出させてもらえません。それを図にしてみると下記のような感じになるかと思います。

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この決済権を持つ者と、担当者との間で密にコミュニケーションが図られており、意思疎通が出来ている場合は、そのプロジェクトは順調に進んでいくでしょう。しかし、問題は、担当者と決済権を持つ者との間に溝があるなどして、意思疎通が図れていない場合です。

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上記のような場合、この構図はデザイナーや、ディレクターなどははじめから見えているわけではありません。そのため、当初の予定からスケジュールが押してしまったり、そもそも企画の段階からひっくり返ったりしてしまうことがあります。

まとめ

ここまでの流れがコミュニケーションエラーが発生する場合における、構図になるのではないかと思います。

このような構図ははじめから見えているものとそうでない場合があり、見えていない場合は想定外の動きが発生してしまうため、こんなはずじゃなかったと言うようなプロジェクト進行になってしまう場合がありますが、大事なことは、いかに相手の立場に立って物事を見ることが出来るか。というところにあります。

例えば、担当者の立場に立って物事を見ることができていれば、担当者の考え自体が課題解決に至っていないということに、気がつくことができますし、更に、経営陣などとのやり取りについてもどのように行われていたかということについて知ることができれば、そのやり取りに相違がないか、エラーが発生していないか?ということにも気がつくことができます。

ただ、実際に仕事を受けるとなると、相手からは整理された正しい情報がもらえる。と言う前提で仕事を進めていってしまうため、クライアント側のエラーに対してまでは、対応できず、予期せぬ事態が発生してしまうのではないかと思います。

受託で仕事を受けていると、特に陥りがちな問題かと思いますが、まずはじめに、我々が依頼されているのは、モノを作ること。という意識を改める必要があると思います。

つまり、一番大切なことは、私たちはモノを作る事を依頼されているのではなく、クライアント側が抱えている課題を解決する事を求められており、その解決方法の一つとしてモノを作ることを求められている。ということです。

こういった意識を常に持ち、まずは担当者とのヒアリングの際に、相手の置かれている状況をしっかりと把握し、同じ立場に立って物事を見れる状態になれるようにすることで、こういったコミュニケーションエラーに一早く気がつくことが出来ます。

適切なヒアリングを通して思いを共有することで、プロジェクトがスムーズに進行するだけでなく、相手がしてほしいことも察知することが出来るようになるため、それによってよりよい関係が築けるようになると思います。

今プロジェクト進行が思い通りにいかなくて鬱々としている方はぜひこのような観点で一度観察してみてもらえると、良い流れになるかもしれないですね。

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