風見鶏パウエル

前回の投稿から大分経ってしまいました。。

さて、以前からの市場の動きをざっくり振り返ります。

あらゆるコモディティの価格が上がりました。原油価格は80ドルを超え、インフレ懸念が上昇。中でも英国でのインフレは深刻です。大した経済成長が見込めないイギリスは、1970年代にあったようなスタグフレーションになる可能性すら出てきました。BOEは近々利上げを行うかもしれません。それを見た米金利市場においても、インフレ懸念が上昇し、2022年の利上げ織り込みが上昇。現在、2022年末に1.8回分の利上げを織り込んでいます。実際に先日出たCPIでは、中古車やAirfareなどの一過性が強い部分のインフレは以前に比べ落ち着いてきている反面OERの上昇が確認でき、最終的にはインフレは”Transitory”でない可能性が若干高まってきました。結果、市場は、2022年にインフレプレミアムを要求し、2022年の早期利上げを織り込むことになりました。カーブはフラットニング。しかし、興味深いのはカーブがツイストフラットしたということ。つまりTerminal Rateの見直しはされていないという事です。

BOEの利上げ示唆から始まったインフレ懸念ですが、そもそも論として、エネルギー価格によるインフレに対して利上げしたところで意味がないと個人的には思います。しかしパウエルは過去にも、マーケットに利下げを織り込まれて利下げをしたりなどと、すぐに市場の影響を受けやすい人なので、かなり要注意です。鳩は鳩でも、風見鶏なのです。

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これらの恩恵を大きく受けたのがドル円です。米国の短期金利上昇に、Terms of Trade下落により、110~112円レンジを大きくブレークし114.50まで急上昇しました。

今までドル円がレンジであったのにはざっくりとGPIFを筆頭にした年金のリバランスと米金利の自体がレンジであった事があげられます。今後も年金のリバランスは存在し続けると思われます。今年の3月にあったように、年金の25%アセットアロケーションルールから乖離した場合は要注意です。この四半期のドル円のコストは約112円辺りにあるので、現在の114.30は約2%の上昇となります。ここからの上昇モメンタムがどこまで続くかも注目です。

さて話を米金利に戻しますが、Kansas City Fedが非常に興味深いリサーチペーパーを出しました。バランスシート縮小が利上げ前に来る可能性について述べた物です。長期的目線で考えるとFEDを安定したインフレ2%を目標にしています。安定的に2%のインフレを達成するためには、インフレ期待値を2%に保つことが大事になってきます。これに関しては数多くのFedの高官たちが発言を繰り返しています。日銀もインフレ期待値を保つために、ある程度イールドカーブを立たせる事をやっています。Fedにとって、早期利上げを織り込まれて、カーブが過度なフラットニングをしていることに関してどう考えているのでしょうか。。。もし今後市場でバランスシート縮小を利上げより先、または市場のコンセンサスよりも早いタイミングでやるという話が出てくると面白い事になりそうです。

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