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N14キャンプ優秀選手・白井大翔くん(小5)が中西哲生とトレーニングを実施!「10番を着けてW杯で優勝したい」

京都伏見で3カ月ぶりにトレーニングを実施

2021年12月27日から3日間にわたって開催された「N14キャンプ」。中西哲生氏が手がけるこのキャンプは、「キミが久保建英に続く選手だ」を合言葉に始まった「第2の久保建英発掘プロジェクト」である。

小学3年生・4年生、5年生・6年生を対象に募集を行い、申し込みの際に送られてきたプレー映像を中西氏が自らチェックして選手を選抜。そこで選ばれた各12名ずつ計24名に、自身が体系化した「N14中西メソッド」を授けた。

当初から、「最優秀選手、優秀選手に選ばれると、中西氏のパーソナルトレーニングを受けられる権利が授与される」と伝えてきたなかで、キャンプ最終日に2名の「優秀選手」が発表された。

その一人が、白井大翔くんだ。

当時、小学4年生だった彼は、小学5年生・6年生コースに参加。中西氏が「僕が言ったことに対して、応えていこうという意思をすごく感じますし、一つひとつ噛み砕いて自分のものにしていきたいという気持ちを感じました。伸びる余地がたくさんあると」と話していたように、トレーニングに取り組む姿勢が際立った。

N14キャンプから3カ月が経ったある日、京都で2人は再会した。

京都は、中西氏が構築してきたN14メソッドを直接学んだコーチが指導にあたる「N14 METHOD FOOTBALL ACADEMY」(N14mfa)を開校したした場所。普段から活動を行うミズノスポーツプラザ京都伏見でトレーニングが行われた。

しかもこの日は、中西氏がパーソナルトレーニングを続ける中井卓大選手の兄であり、N14mfaの運営にも携わっている朗人選手も参加。2時間のトレーニングはあっという間に終わり、中西氏は大翔くんとの再会を誓った。

ここに、大翔くん、中西氏、そして大翔くんの父親のインタビューを掲載する。短いやり取りのなかに感じる、大翔くんの意識、中西氏の期待、父親の想いと覚悟。示唆に富んだメッセージを、多くの人に読んでもらいたい。

「“上半身を上げる”意識を教えてもらった」白井大翔

【トレーニング前】

──キャンプが終わった後、家でもキャンプで取り組んだことをしましたか?

大翔くん はい。やりました。アウト引っ掛けや難しい練習など、姿勢を直す練習をいろいろやりました。

──なぜその練習をしたのでしょうか?

大翔くん 中西さんの練習は、やったらどんどんうまくなるので。

──その練習は試合に役立っていますか?

大翔くん 姿勢が良くなって、チーム内の評価も上がってきました。

──姿勢が良くなったことで自分のサッカーは変わりましたか?

大翔くん はい。速くなったり、いろいろなことができるようになりました。点をどんどん決めれるようになり、良くなってきました。

──今日はどんなことを教わりたいですか?

大翔くん ドリブルとか、止めるとか、シュートがまだまだなので、もっとそこを意識していきたいです。

──今日、一番できるようになりたいことは?

大翔くん 守備もやりたいです。1対1の切り方や止まり方を教えてもらいたいです。

【トレーニング後】

──今日のトレーニングでなにが一番楽しかったですか?

大翔くん シュートがうまくなったので楽しかったです。

──どこがうまくなりましたか?

大翔くん 左足でなかなか蹴れなくて迷っていたところをアドバイスしてくれて、楽しくできました。

──中西さんの言葉で印象に残っているものは?

大翔くん 「上半身を上げる」です。なかなかできなかったので、これからも上げていきたいと思います。

──家でやってきたことはできましたか?

大翔くん はい。シュートは、左足はゴロだったところから浮かせたりできるようになりました。前まではゴロでちょっとだけ浮かして巻いていたので、今日はきっちり浮かせられるようになって成長できてよかったです。

──今日やってみて発見したことは?

大翔くん 上半身が落ちていたので、そこを落とさないようにできるといいなと思いました。

──中西さんから一番学んだことは?

大翔くん やはりシュートが蹴れるようになったので、キックです。上半身を上げるとか、下に蹴るとか、速く足を振らず、ループと同じようにゆっくり振ったほうが入りやすいと知りました。ボールを当てる場所も、このへん(足首の内側辺り)で浮かせて蹴ったら、GKもゆっくりめなボールで取りづらくなっていいなと思いました。

──難しかった練習はありますか?

大翔くん 守備のケンケンのところが最初は難しかったですけど、できるようになってよかったです。あと、踏み込んでからインで逆にいくターンは、最初は踏み込めていなかったことができるようになりました。

──今日のトレーニングを続けていきますか?

大翔くん はい。左足のシュートと右足のシュートをどんどん続けて、プロを越えるようなシュートを打てるようになって、みんなを驚かせたいです。

──今後の目標を教えてください。

大翔くん まず、17歳で日本代表に選ばれて、海外に呼ばれて、10番を着けてワールドカップで優勝したいです。

「相手を外せる選手になってほしい。またトレーニングしたい」


中西哲生「N14キャンプで優秀選手に選んだのでもちろん素晴らしい選手ですが、これからも得意なことを伸ばしていくことと、それに加えて、まだプロ選手ではないですから、いろんなことを学ぶ状況です。
僕が見ている限りでは、ドリブルの技術やパスはすごくいいと思っていますし、キックの部分はより良くしたいですね。今でもすごく良いですけど、もっと良くできる。そのヒントを与えられればなと思っています。
『守備のことをやりたい』と言ってましたが、これは、ドリブルやボールの運び方とほとんど同じです。守備と攻撃は表裏一体ですし、守備の動きをしながら攻撃の動きをして、攻撃の動きをしながら守備の動きをするのは、すごく相乗効果があります。
そういったところから入って、彼自身がやりたいと言っていたドリブルの仕掛けもしました。右にも左にも行けるようにする。得意な形は右のアウトでの持ち出しなので、それを逆手にとって右のアウトをフェイクに使って、右のイン持ち出しから左に行くことも取り入れながらやりました。
それとキックは、ミートポイントがズレる傾向にありました。ドリブルしながらシュートになると自分から離れていくボールになるので、ミートポイントが絞りづらくなります。止まったボールでどこにミートするかきちんと理解したうえで蹴ることが大事ですので、止まったボールに変えたり、ボールを柔らかくしたり、テニスボールを握りながら蹴ったり、試行錯誤しました。最終的には本人も納得できるような形でボールを蹴れていたと思います。
彼は、元々持っている技術の高さは武器ですし、瞬間的な反応で相手をクッと外すことができます。それに加えて、論理的に右、左に外せると、瞬間的に外す動作とも相まってさらによくなると思います。本能的に相手を外すことに関してはかなりいいものがあります。ですから、相手を外せる選手になってほしい。外せないと、パスも生きてきませんし、いつも自信を持って、相手を見ながら、どちらかに相手を必ず外せる選手になってほしいですね。
いろんなポイントを伝えたので復習しながらやってほしいですし、ぜひまたトレーニングしたいと思いました」

「中西さんのトレーニングで意識が変わった」(大翔くん父)

──N14キャンプに参加して、息子さんはどう変わりましたか?

大翔くん父 まず、モチベーションと、無意識に姿勢が崩れてしまうのですが、姿勢の大事なところに気づいてくれました。意識がちょっと上がったかなと思います。

──感覚ではなく理論的に覚えていった?

大翔くん父 そうですね。中西さんが、再現性を持ってプレーできるように、普段からプレーを言葉で語るところは今までなかったところです。言葉にしながら何度もいいプレーができるように意識していると思います。

──家ではどういう練習を?

大翔くん父 ドリブルばかりやっていて、それしかやっていなかったので、かなり苦労しています。ただそこは、これからの課題としてハッキリしています。

──いつもお父様が一緒に練習されているんですか?

大翔くん父 そうですね。幼稚園くらいから一緒にボールを蹴り始めて、本人がサッカーに携わって生きていこうということを決めた小学生に上がった夏くらいからは、親子でかなり練習を続けてきました。

──練習の成果は試合でも発揮されていますか?

大翔くん父 ボールを受けたときに、ワンタッチで180度回るクセがありましたが、中西さんのキャンプが終わってからは、90度で一度止めて、相手を止めてから自分が動き出すような、ちょっと違ったプレーが見えてきました。引き出しが少し増えて、相手を外す確率が増えてきたと感じています。

──成長は感じますか?

大翔くん父 染み込むにはもう少し時間がかかるかもしれないですけど、意識が変わったことがすごく大きいです。結果はこれからの楽しみにしています(笑)。

──目標は「17歳で日本代表になること」と話しています。

大翔くん父 本人が楽しくやってくれたらそれが一番だと思います。できることはサポートしてあげて、子どもの夢が叶うように精いっぱい支えていきたいと思います。

──滋賀にお住まいですが、セレッソ大阪にも入られています。送り迎えしているのでしょうか?

大翔くん父 基本的には本人が電車を乗り継いで一人で行ってます。片道1時間40分を往復しています。最初の4、5回は母親が一緒に行っていましたし、すごく不安でしたけど、どこかで独り立ちしてもらわないとダメなので。

──「サッカーで生きていく」という覚悟を、小学生で固めたのはすごいですね。

大翔くん父 小学1年生になって、「将来どうする?」という話になったときに、「サッカーで生きていってもいいよ」という話はしましたけど「いいの?」「じゃあ僕、頑張る」と。覚悟を決めましたね。彼自身の情熱は今も消えてないと思います。だから、中西さんにいろんな要素を教わって、大きく成長してもらいたいです。


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