N14キャンプ優秀選手・井上奏雅くん(小1)が中西哲生とトレーニングを実施!「ここで学んだシュートを試合で出して得点王を取りたい」
スタッフを感服させたN14キャンプの振る舞い
2021年12月27日から3日間にわたって開催された「N14キャンプ」。中西哲生氏が手がけるこのキャンプは、「キミが久保建英に続く選手だ」を合言葉に始まった「第2の久保建英発掘プロジェクト」である。
小学3年生・4年生、5年生・6年生を対象に募集を行い、申し込みの際に送られてきたプレー映像を中西氏が自らチェックして選手を選抜。そこで選ばれた各12名ずつ計24名に、自身が体系化した「N14中西メソッド」を授けた。
当初から、「最優秀選手、優秀選手に選ばれると、中西氏のパーソナルトレーニングを受けられる権利が授与される」と伝えてきたなかで、キャンプ最終日に2名の「優秀選手」が発表された。
その一人が、井上奏雅くんだ。
実は、彼はまだ小学1年生。対象年齢から外れてはいたものの、事前に開かれた無料説明会に参加し、保護者から寄せられた「小2でも参加できますか?」という質問に中西氏が「実力があれば参加してもらえる余地はあります」と答えていたことを受けて、「それならば」と奏雅くんの父親が申し込みを決めたという。
キャンプを見守った運営チームのスタッフも、初日から彼の振る舞いには注目していた。
他の小学3年生・4年生と比べても遜色ない技術にとどまらず、中西氏が伝えるポイントを素早く理解し、吸収し、実行する力が高く、なおかつ、身の回りのことを自分で考えて行う自立した行動が際立っていたのだ。
低学年であれば通常、休憩時間やプレーの終わりなどに、見守る保護者の姿を探してもおかしくはない。ただ彼は、同伴した父親の姿を一度も探すことなく、休憩中も、着替えも、すべて自分一人で行っていた。
中西氏は日頃から、成長する選手に不可欠な能力の一つとして「人間力」をあげている。
日常の生活態度、日頃の取り組み方、練習中の傾聴力、理解力、体現力。それらは必ず、ピッチに還元される。「学びたい」「成長したい」という意欲とサッカーを心から楽しむ気持ちは、欠かせないものだろう。
時折、のぞかせる屈託のない笑顔や、ペア相手と楽しむ様子、休憩中に新しくできた友達とじゃれあう無邪気な振る舞いを見れば、あどけなさしかない小学1年生だと痛感する。それだけ、ピッチの所作とのギャップが大きかった。
優秀選手に選ばれた直後、彼はインタビューで堂々とこう発言した。
「二十歳でバロンドールを取りたい」
スタッフ一同、深く感服した瞬間だった。
インタビューからにじみ出る7歳の言語化力
中西氏と再会したこの日、ターンやシュート練習など、2時間以上にわたってセッションを行った。彼がこの先、本当に「バロンドールへの道」を駆け上がったならば、この日、この場所が一つのスタートラインとなるはずだ。
トレーニングを終えた直後に話を聞くと、改めてその「言語化力」の高さにも驚かされた。
ここに、ほとんど編集していない状態の掛け合いを掲載する。ぜひ、多くの人に読んでもらいたい。
──今日はターンなどたくさん練習しました。なにが楽しかったですか?
奏雅くん 最後にシュートを打つのが楽しかった。
──左足が苦手だった?
奏雅くん うん。
──それが最後、強く打てるようになった。なんでだろう?
奏雅くん 踏み込めるようになったし、ボールをしっかり見ていたからいいところに当たった。
──赤いボールで蹴ったりしたけどなにが違うの?
奏雅くん 赤いボールは軽くて遊びみたいに蹴れば勝手に飛んでいくからあとはコースを狙うだけだった。
──家でターンの練習をたくさんしてきたと話していましたが、新しい練習はあった?
奏雅くん うん。
──どうだった?
奏雅くん 「後ろ通し」とかはまだやっていなかったから難しかった。
──どういうところが難しかった?
奏雅くん 動きながら横に行って、毎回後ろを通すのが一番難しかった。
──テニスボールを持っていたけどあれはなんの意味があるのかな?
奏雅くん あれは、手に力が入らないように、グーに握らないために。
──今日一番面白かったのがシュート。
奏雅くん うん。
──じゃあ、そのシュートをどう生かしたい?
奏雅くん 試合で出して得点王を取りたい。
──N14キャンプで「二十歳でバロンドールを取りたい」と話していた。それに近づけるんじゃないかな。家に帰ってどんな練習をしたい?
奏雅くん 哲生さんから教わった課題と、家にゴールがあるから、それを使ってやりたいです。
──最後に、中西さんに教わってきて一番学んだことを教えてもらえる?
奏雅くん ターン。目線を下げないで、次のところにスッと行くターンを一番教わった。