年金には免除制度があります
1.国民年金
国民年金にはその被保険者の種類によって、三つの類型があります。ここではぞれぞれの保険料の納め方を説明します。
① 第1号被保険者
日本国内に住所のある20歳以上60歳未満に人で、次の②③に該当しない人が第1号被保険者となり、国民年金保険料を自分で納付することになります。
金額は毎年若干変更されますが、月額で約16,500円程度です。
対象者例:自営業者、フリーター、無職の方 など
② 第2号被保険者
厚生年金保険の被保険者は、国民年金の第2号被保険者となります。
その保険料については、厚生年金制度から国民年金制度に対して拠出金と言う形で拠出されているため、個々に納める必要はありません。
対象者例:会社員、公務員 など
③ 第3号被保険者
厚生年金保険の被保険者の被扶養配偶者(20歳以上60歳未満の人に限る)は、国民年金の第3号被保険者となります。
その保険料は、配偶者が加入している厚生年金制度から国民年金制度に対して拠出金として拠出されているため、個々に納める必要はなく、また配偶者が別途負担することもありません。
対象者例:会社員・公務員等の被扶養配偶者
2.国民年金の免除制度
前述のとおり、①の第1号被保険者については、その保険料を個々に納める必要があります。
しかし中には経済的な理由等により月額約16,500円の保険料が払えないと言う人もいるでしょう。そんな方々のために、国民年金制度ではいくつかの保険料免除制度を設けています。
① 法定免除
生活保護による生活扶助を受けていたり、障害基礎年金を受けていたりする場合には、届出により保険料の全額が免除されます。
② 申請免除
前年の収入が少ない、会社を途中退職した、などの理由により保険料の納付が困難な場合、申請することにより保険料の全額、または一部を免除してくれる制度です。
例えばその収入額などにより、全額免除、3/4免除、半額免除、1/4免除があります。
③ 学生免除制度
20歳以上の学生本人の収入が一定額以下の場合に、学生の期間中、保険料の納付を免除してもらう制度です。
(本人の所得要件あり)
④ 若年納付猶予制度
30歳未満の第1号被保険者(③の該当者を除く)について、同居している世帯主の所得に関わらず、本人、及びその配偶者の所得要件により、申請により保険料の納付が猶予される制度です。
この納付猶予制度は、平成17年4月から令和7年6月までの時限措置とされており、平成18年7月からは50歳未満の第1号被保険者についても制度の対象となっています。
⑤ 産前産後期間の免除
国民年金の第1号被保険者が出産する場合には、出産予定日の前月から4ヶ月間の保険料が免除されます。
なおこの期間は①~④までの免除とは違い、保険料は全額納付済み期間としてカウントされるため、将来年金を受け取る際にも、全額が納付されたものとして加算されます。
3.厚生年金保険
ご存知の通り厚生年金の保険料については、個々の標準報酬月額(平たく言うと給与の額)によって各人マチマチです。
※ ざっくり言って給与の10%弱が保険料になります。
4.厚生年金制度の免除制度
厚生年金制度にもいくつかの免除制度があります。
① 育児休業期間中の免除
厚生年金保険の被保険者が育児休業、または育児休業の制度に準ずる措置に基づく休業(育児休業等)を受けている場合には、申請することにより育児休業等を開始した日の属する月から、その育児休業が終了する日の翌日が属する月の前月までの期間、本人負担分、及び会社負担の保険料が免除されます。
② 産前産後休業期間中の保険料徴収の特例
産前産後休業を取得した厚生年金保険の被保険者に対しても、育児休業と同様の配慮措置が講じられています。期間は産前6週間、産後8週間のうち被保険者が労務に服さなかった期間で、その間、同じく保険料負担が免除されます。
と言う事で今回は国民年金、厚生年金保険、それぞれの納め方と免除制度について見て来ました。
次回は実際に年金を貰う立場になった時の豆知識としてその受取り方、主に繰上げ受給や繰下げ受給について取り上げたいと思います。