男性も産休が取れるようになる??~これからの法改正と育休制度の現状
今回は労働基準法に定める「産前・産後休業」や「育児休業」について書いて行きたいと思います。
早速ですがこの「産前・産後休業」や「育児休業」、「女性が取得するモノ」と思っていらっしゃいませんでしょうか?
労働基準法によると、
「使用者は6週間以内に出産する予定の女性が休業を請求した場合には、その者を就業させてはならない」
となっていますし、また
「使用者は産後8週間を経過しない女性を就業させてはならない」
として、産前の6週間と産後の8週間についてはいわゆる「産前・産後休業」として定めています。
以前にも触れましたが、この間は社会保険料(健康保険料と厚生年金保険料)は免除となりますし、賃金が支払われない場合には健康保険から「出産手当金」も支給されます。
またその後、育児休業に入る場合には、通常の場合ですと子供が一歳になるまで、同じく社会保険料は免除されますし、所得の保障として今度は雇用保険から「育児休業給付金」が支給されます。
そしてこの育児休業は男性側、つまり夫側も取得した場合には給付金がもらえる、と言う決まりになっています。
1.男性の産後休業
ここまでは以前の投稿でも軽く触れたことがあるのですが、今、政府の方で考えているのは、現状、女性側のみに取得が認められている「産後休業」を男性側にも取得させようと言う施策なんです。
おそらく出産時や子供が小さい頃における夫婦の家事・育児負担を少しでも減らして少子化を防ごうと言う思惑なんだろうと思います。
この法改正、今年の国会でもし改正案が通れば、早ければ来年度中にも実施されるかもしれません。
産後の一番大変な時に、夫側も収入を気にせずに育児などの手助けができるようになれば金銭的にも助かりますよね。
更にありがたいことに、この間の手当金については現状の賃金日額の67%ではなく、賃金日額全額の支給も検討されているそうです。
2.育休取得率
これらの法改正のウラには、日本の育休取得率の低さがあります。
政府は2025年までに、男性の育休取得率を30%まで増やそうと言う目標を掲げているのですが、いまだに男性の育休取得率は19年度で7.5%と、10%にも届いていません。
単純な比較はできませんが、北欧のノルウェーやスウェーデンでは90%前後の男性が育児休業を取得しているそうですので、その低さが解るかと思います。
日本の法律上の育休制度は実は世界的にも手厚く、先ほど「子供が一歳になるまで取得可能」と言いましたが、条件が揃えば「子供が二歳になるまで」取得が可能になっています。
これは国際的にもトップレベルの手厚さなのですが、逆に取得率はワーストクラスに低い、と言うのが現状のようです。
実際、みなさんの周りでも育休を取られている方は少ないのではないでしょうか?
これらの背景には、昔からの日本の労働慣習や人手不足、男性が育休を取得することへのある意味偏見みたいなモノも根強くあるような気がします。
3.まとめ
と言うことで今回は男性の産休や育休について書いて来ました。
タイトルにもあるように今後、更に男性に対する産休・育休制度について「制度自体」は手厚くなりそうです。
ですが政府が掲げている「目標取得率30%」を達成するには企業自体が強くなることはもちろん、一人一人の考え方、特におエライ方の考えが変わって来ないと結構高いハードルのような気もします。
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