indigo la End「花傘」

今回は「花傘」を解説していきたいと思います。

曇りガラスで隔てられてた

もっと見たくて恋しちゃったんだ

ツバメ飛ばした君の裸に

見合うような僕になれるかな

→見えるようで見えない曇りガラス、「君」は全てを明かさない存在なのでしょう。
その人を知りたくなっているうちに恋をしてしまった。
全てを知りたいという探究心。
「ツバメ」とは、鳥ではなくここでは「年上女性と年下男性の恋愛」という意味で使われていると考えます。
この年上女性である「君」には、全てを明かしてはいけない理由(本命の相手がいる)と思います。
君の裸はとても素敵だったのでしょう。
年を重ねているために年上女性の方が経験があります。
そんな「君」に見合うようになれるか不安です。

魅惑を払いきれない

がらんどうだった身体が染まりきった

先が怖いけど

→がらんどうとは、空っぽである様子のこと。
なにもなかった状態から、「君」の魅惑でいっぱいになります。
こんなにのめり込んでしまったらどうなるのかわからない、という怖さです。

花のようなベイビーガール

いつも見ている先はそっぽ

気付かないふりする度

心がちと濡れる

さよならの雨が

パラパラと降る予報です

小雨のうちだったら

心拭くのもまだ簡単なのにできない

→花のように美しい「君」。
「年上女性」と「ベイビーガール」、対照的です。
いつも見ている先はそっぽ、とあるように、「君」には本命の相手がいます。
それに気づく度に切なくなる。
そろそろお別れをしなくてはならないと考えている主人公。
まだ付き合いの浅いうち、気持ちの少ないうちだったら別れるのは簡単で、忘れられるのも簡単なのに離れられない、そんな状態です。

恋の宵立ちさせない傘が

邪魔だなんてまだ思えないんだ

夜一夜やまなくて

それでも想いながら

低く飛んだツバメを見てた

→宵立ちとは宵のうちに出発すること。宵は元々夜のはじめの時間帯という意味で使われていたそうです。また、遊郭で使われていた言葉で、「朝までの料金を払っておきながら宵のうちに帰ること」という意味もあります。もしかしたら主人公との未来があるようなことを言っておきながら途中で去ってしまったことを意味するのではないでしょうか。
さよならの雨から主人公を救ってくれる「傘」。
別れようと思ったならさよならの雨を一身に受けて傘なんて使わない方がいい、邪魔なはずなのにそう思えない。
夜一夜とは一晩中という意味。
夜通しさよならの雨はやまなかった。
別れたいけど「君」を想ってしまう。
「ツバメが低く飛ぶと雨が降る」
ということわざがあります。
きっとまた、さよならの雨の予報です。

不機嫌なベイビーガール

いつも見ている先はそっぽ

気付かないふりする度

心がちと濡れる

さよならの雨が

パラパラと降るようです

小雨のうちだったら

心拭くのもまだ簡単なのにできない

できない

→本命と上手くいかないと不機嫌になってしまう「君」。
それに気づいてしまう度悲しくなる。
1番と同じで浅いうちだったら逃げられるのに、何故かできない。
どっぷりハマってしまっているから。

幕電に期待しちゃう

君はまだ僕の花傘

お墓参り行けなくてごめん

→幕電とは、遠くの雷が雲に隠れて空が明るく見える様子のこと。
雷=君として考えると
遠くにいても「君」を身近に感じたい
と解釈できると思います。
花傘とは、ビジョザクラ(バーベナ)という花の別名。
ここの「お墓参り」とは、「君」のものではなく、主人公自身の気持ちを葬ったものだと考えます。
自分自身の気持ちを葬ったお墓に行ったら、「君」と向き合うことになってしまう、また思い出してしまう、気持ちが再燃してしまう、だから行けないのです。

殺伐な雨が君を許さなかったから

恋したんだよ

勝手に君を差したりしてさ

→「雨」とは、2人の関係にとって障壁になるものだと考えます。
殺伐は、「あたたかみのない」「気風が荒々しいこと」という意味があります。
殺伐な雨とは「冷たく激しい雨」のこと。
「君」に会いたいと願っても、激しい雨で会えない、会えないことで恋心に火がついたものだと思いました。
君=花傘
花傘の花言葉は「魅力」。
相手がいようが「君」が魅力的過ぎて惹かれてしまう状態です。

いなくなったベイビーガール

優しく鳴る音で今日も

花のような裸を考えて

切なくなったりするんだよ

→とうとう「君」は、主人公の前からいなくなってしまいました。
本命のところに行ってしまったのでしょうか。
「君」の本心はわからぬまま、裸しか知らないままでした。
本心が知りたかった。全てを知りたかった。
君の表面(体)は見たことがあり、知っています。しかし内面(心)は何も知らないことを再確認して、切なくなります。

最後に

難しい言葉も使われていて、今回なかなか歌詞の解説が難しかったです。
人間は、手に入りそうで入らないものに執着しがちな気がします。
「君」の体は知ってるけど、
どんなことを考えているか
誰が好きなのか
何を見たら美しいと思うのか
何も知らなかった主人公。
もしかしたら教えてもらえなかったのかもしれないです。
でも秘密のある人って興味湧きますよね。
正体不明の「君」に魅了されている主人公、可愛いです。

好きな人がいる方は、秘密を作ってみるのもいいかもしれません。
興味をそそられる不思議な存在になりましょう。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?