燕雀安んぞ鴻鵠の志を知らんや
皆さん、こんにちは。三遊亭燕雀こと木賃ふくよし(芸名)です。嘘です。
いきなりですが、ワタクシは「3つに挙げられること」「3つ挙げられること」は凄いことだと思っています。
いわゆる、
「世界三大〇〇」
みたいな感じですね。世界三大美女、というと、クレオパトラ、楊貴妃、小野小町ってな感じです。
ただ、小野小町を三大美人に数えるのは日本独自の話であり、世界的にはヘレネーだったりします。
例えば、フランスのブイヤベース、タイのトムヤムクン、中国のフカヒレスープ、ロシアのボルシチ、、、と4つあったり、2つまでしか出てこない、なんてことは山ほどありませんか?
世界三大料理は一般的にフランス料理、中華料理、トルコ料理ですが、手を掛けまくって食材を別のものに生まれ変わらせるフランス料理は不動。贅沢から庶民の味まで、あらゆる食材を使い倒す中華料理も納得。
しかし、東洋西洋の真ん中って事で選ばれている気がして、トルコ料理には個人的に納得が行ってません。それならスパイスから味を作り上げるインド料理か、味を出すのではなく、味を削いで、食材の本質を引き出す和食が三大に数えられるべきではないかと思う訳です。(三つ目に自国を挙げると安っぽいので言いたくないけど、技術的に見て、フランス料理と日本料理はやっぱりレベルが高い)
まあ、そんな訳で、世界三大が固定されているのは珍味(フォアグラ、トリュフ、キャビア)ぐらいで、きっちり3つが不動になっているものは少なく、固定されていても認知されないものだらけなのである。いや、小カテゴリになると沢山あるが、一般に認知されていない。(例えば、世界三大ブルーチーズ「スティルトン」「ロックフォール」「ゴルゴンゾーラ」や、世界三大貴腐ワイン「ソーテルヌ」「トカイ」「トロッケンベーレンアウスレーゼ」など)
実際、この「3つ」ってのがかなり難しい。
好きな人には簡単だろうが、サッカー、テニス、ボクシング、バレー、バスケット、これらのスポーツで現役選手を三人挙げろ、って言われると、まあ出てこない。出てくる人は五人でも六人でも出てくるんですが。
出てきそうなのは野球ぐらい?
要するに、この3つってのはかなり重要な壁だと思うんですよね。
例えば、偉人の言葉。
色んな人が偉大な格言を残しているが、その言葉が3つも知られている人は少ない。
エジソン、リンカーン、アインシュタイン、誰でもいい。一人で3つの格言が挙げられ、かつ、ある程度知られている人は殆どいない。
孔子や孟子あたりは、それと知らず4つも5つも使われているというケースがあるが、それ以外はなかなかないのではないだろうか。
ワタクシが知る限りでは、ジュリアス・シーザー(ユリウス・カエサル)の、
・来た、見た、勝った。
・賽は投げられた。
・ブルータスよ、お前もか。
が、数少ない3つだと思うのですが、如何でしょうか。
(※ ブルータスよ、お前もか。は史実では「息子よ、お前もか」であり、ブルータスはシェイクスピアの戯曲「ジュリアス・シーザー」から)
ちなみに、ワタクシが推したいのは、3つには届きませんでしたが、世界初の農民王・陳勝の「燕雀安んぞ、鴻鵠の志を知らんや」と「王侯将相いずくんぞ、種あらんや」の2つ。
「燕雀(えんじゃく)安(いずく)んぞ、鴻鵠(こうこく)の志を知らんや」とは、ツバメやスズメのような小さな鳥には、オオトリやコウノトリのような大きな鳥の大いなる意志は理解できない。要するに、小物如きには偉大なる人物の考えや志がわからない、という言葉である。
そう言って成り上がり、リーダーとなり、調子に乗って王を名乗り、仲間の不評を買い、部下に殺された陳勝の言葉ですから、陳勝も小物の側だったのか、それとも、自称・大人物にも小物の嫉妬や欲は理解できていなかった、と言う事でしょうか。
「王侯将相(おうこうしょうしょう)いずくんぞ、種(しゅ)あらんや」とは王や諸侯、将軍や宰相となるのに、決まった種(血筋や家柄)なんかありはしない、と始皇帝を倒すために立ち上がった陳勝ですが、勝手に王を名乗って部下に殺された訳ですよ。
つまり陳勝の言う通り、王や皇帝ってのは種(血筋や家柄)ではなく、「王たる器」かどうかが大事ってことですね。ちゃんちゃん。
※ この記事では馬鹿にしてますが、ワタクシは陳勝大好きおじさんです。陳勝は小物などではなく、民衆を纏めるために否応なく王を名乗るしかなかった、と思っていますし、それに反感を覚えた仲間が各地で名乗りをあげた訳ですが、陳勝は王という地位にも興味がなく、皆が王であればいい、と団結のためにそれを許した、と思っています。
ま。その結果、部下に首を切られるんですけどね。
と、陳勝王について話すと長くなるのでこの辺にして。
多くの人が、迷いなく3つ挙げられる事の偉大さを、何となくわかっていただけましたでしょうか?
まあ、なんでこんな話をしているのかと言うと、人と話してて、
「善は急げ」って言ってみたり、「急がば回れ」って言ってみたり、「好きこそ物の上手なれ」って言ってみたり、「下手の横好き」って言ってみたり、どっちなんだよ!? って話題になりまして。
君子危うきに近寄らずと、虎穴に入らずんば虎子を得ずとか。ねえ?
一方で「雨だれ石を穿つ」と「一念岩をも通す」や、「捕らぬ狸の皮算用」と「絵に描いた餅」など、同じ意味の諺って、必ず2つぐらいあるよね。って話になったんですよ。ええ。
確かに。そこで、2つあるものは多いけど、3つ同じ意味を持つ諺って何があるだろう?って考えて、一発で出てきたのが、
・弘法も筆の誤り
・河童の川流れ
・猿も木から落ちる
の3つで、要するに、
割と、
プロって
失敗するよね。
って話で落ち着いた。
(´・Д・)」 確かに凄いプロはいるけど、プロって言っても、素人が考えるほど、プロフェッショナルばかりじゃないのよね。
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(´・Д・)」 文字を書いて生きていく事が、子供の頃からの夢でした。 コロナの影響で自分の店を失う事になり、妙な形で、今更になって文字を飯の種の足しにするとは思いませんでしたが、応援よろしくお願いします。