エスカレーション ~ 禁断のアナタ ~
皆さん、こんにちは。今夜はハードコア。木賃ふくよし(芸名)です。
それは、数日前の出来事でした。
カツアゲの仕事を終えたワタクシは、帰宅途中。
※ ミンチカツを揚げる仕事です。
京阪祇園四条駅の階段を降りている時のことでした。時間的には、19:00過ぎに仕事が終わりですから、着替えて駅に移動して19:30~20:00ぐらいだと思われます。
時間的にはまだ会社帰りの人が沢山いるはずの時間帯の筈ですが、この時は不思議と人が少なかった。ワタクシは急ぎ足でホームへと続く階段を降りていたのです。
ふと、視界に何か違和感を覚える。
何かがハッキリと見えた訳ではないが、下りエスカレーターの終着点に、ちらりと違和感のあるモノが見えたような気がしたのだ。
(´・Д・)」 ?
階段を降りたワタクシは、エスカレーターの方に振り返る。すると、
┓ ←エスカレーター
┗━┓
┗━┓
┗━┓o←< ←爺さん
終着点の場所で、
爺さんがもがいてた。
(´°Д°)」 えっ、、、?
手足をそれなりにバタバタさせてるが、仰向けの亀みたいで、必死な感じは伝わってこない。
((└(:3」┌)┘))← こんな感じ。
(´°Д°)」 えええええええ?
困惑するワタクシ。
考えられるパターンは概ね3パターンしかない。
1.爺さんが転んで、困ってる。
2.酔っ払いが泥酔状態である。
3.アレな人が奇行に走ってる。
とりあえず、3だけは勘弁して欲しい。トラブルには巻き込まれたくない。しかし、現状を見る限りでは、明らかに奇行と言わざるを得ない。
次に、2も避けたい。元バーテンダーとしては、泥酔者の扱いこそ慣れてはいるものの、進んで関わりたい訳がなかろう。
しかし、1の場合。ホントに転んでるだけなら見捨てる訳には行かんだろう。
何とかして1,2,3を見極めて素早く行動せねば。
状況判断A。駅のホームに人は少ない。ここで人が多ければ、他の誰かが助けるに任せてもいい。そして、人が多いのに誰も助けてないって事は、2か3の可能性が高まる訳だ。
だが、まだ帰宅ラッシュであろう時間帯なのに、よりにもよって人が少ない。電車が去った直後なのか。
いや、それはつまり爺さんが、
じた((└(:3」┌)┘))ばた
こうなってから時間がそんなに経過してない可能性が高いって事である。とは言え、ワタクシが階段を降りてくる時にはもう転んでいた事は間違いない。
状況判断B。転び方はどうだ? 一見しただけではわからないが、流血したり、強烈な打撲があるようには見えない。特に爺さんが呻いたりもしていない。それに、
じた((└(:3」┌)┘))ばた
ジタバタしてる爺さんの様子から、焦燥は感じられない。多分クリティカルな転び方はしていないだろう。しかし、老人ってのは妙に感情の起伏の表現が少なかったりする。骨が折れたりしても平然としてたりする事があるから、
じた((└(:3」┌)┘))ばた
一見大した事なさそうでも、油断はできない。
状況判断C。身なり。身なりが金持ちそうだったら助ける、貧乏そうなら助けない、なんて事はないが、服装や持ち物から判断できる事は多い。
ひとつ。人を見かけで判断するな、とは言うが、松葉杖でも持ってりゃ転んだ可能性が上がるし、季節外れな服装をしてりゃアレな人の可能性が高まる。
だが身なりからして、いかにも異常な点はない。見るからに高級そうな服を着てたりもしない。どちらかと言えばユニクロかしまむら風。高級そうなら助けるって訳ではないが、ブランド服を身につけてる人に泥酔者は少ないし、アレな人も少ない。
ふたつ。リュックやポーチなどの「身に付ける鞄」を持っていると、障害や認知症などを抱えている可能性が高まる。手持ちの荷物は失くしやすいからだ。
爺さんは逆に荷物は少ない。少な過ぎると今度は酔っ払いや認知症を疑わねばならぬが、見たところ、落ちてるのは「杖」と、土産物っぽい「ビニール袋」だ。
杖も気になるが、それより気になるのはビニール袋の中身である。パッと見では断言出来ないが、いかにも
日本酒の四合瓶が
入ってそうな四角い箱である。
酔っ払いか? 酔っ払いなのか? わからん。だが、もし、エスカレーターの高いところから転げ落ちてたら、流石に酒瓶は割れて中身が溢れているだろう。しかし、その様子はない。
そして、酔っ払い説の可能性は低いだろう事に気付く。そう。この爺さんがもし酔っ払いなら、あのビニール袋の中身が日本酒である場合、
抜き身で瓶が
入ってる筈だ。
裸の瓶が入ってる訳じゃない。つまり、酔っ払いである可能性は低く、それはs…
┓ ゴウンゴウン…
┗━┓
┗━┓ ゴン!
┗━┓(:3」┌)┘))ばたばた
爺さんがジタバタするからエスカレーターで頭打ってるよ!?(´°Д°)」
いや、別にモタモタよたよたしてるだけだから、エスカレーターの段差で頭を打つぐらい大した事はないだろうが、怖いのはそこじゃない。
エスカレーターが服や髪を巻き込んだ時の事である。
第3部のジョセフ・ジョースターのようになっちまう可能性である。オーー! ノーーッ
ジョジョならここで →to be continued… ってなる所だが、現実はそーはいかねーッ!
スター・プラチナもザ・ワールドも使えねーんだからなッ!
服や髪の毛が巻き込まれたりする前に、、、ちなみに爺さんの髪の毛は少ないので多分大丈夫だ。オーー! ノーーッ
振り返ってから約5秒。文章にすると随分長かったが約5秒。この間でワタクシは相当逡巡したが、
しゃーねーな。 (´°Д°)」 助けるぜ。
一度助けると決めてしまえば、特に迷う事はない。
(´・Д・)」 大丈夫っすか?
((└(:3」┌)┘)) た、助けてくれぃ…
リアルでオクレ兄さんみたいな懇願されたのは人生初だわ。
てか、体の自由が利かなくなってるのか、筋力が足りてないのか、本当に仰向けの亀みたいに手足をバタバタさせてるだけで、全然起きられないみたいだ。
とりあえず手を引っ張って引き起こそうとするけど、爺さんが思ったより重い。片手じゃ無理っぽい。
ワタクシも荷物を地面に置いて、両手で引き起こす。どうにか爺さんを立たせる事に成功。てか、干からびた細い爺さんでもアレだけ重いのか。介護の人は大変なんだろうな。いや、ワタクシの筋力が衰えすぎなだけか? だとしたら、それはそれで厄介な話だ。明日は我が身か。
どうやら爺さんは骨を折ったり、流血したりはしてない。落ちてたビニール袋を拾って渡す。四角い箱は日本酒かと思ったが、重さからするとお茶っ葉とかカステラの方が可能性は高そうだ。
爺さんも何かコケた事情を話してたり、お礼を言ってくれてたりしたけど、爺さんが無事だった安堵と、厄介ごとに巻き込まれず、自分が無事だった安堵で全然聞いてない。
杖も渡して、「気ィ付けてやー」と言って、その場を去る。(駅の前方で電車に乗るとすぐ改札につくため) 爺さんのお礼の言葉が長かったりしても面倒だしね。
良い事をしたな、とかは特に思わなかった。早く帰りたかったし。とりあえず無事を喜ぶ事にしよう。まあ、良い事をした事には違いない。その日の放送で、そんな事があったよ、って話をしたが、その話はそれで忘れていた。
※ 放送を再確認すればいつの出来事かわかるが、面倒だし時間が掛かるのでパス。
てな訳で、時系列がややこしくなるが、数日後の黒板がコレである。
実を言うと、カッコつける訳でも何でもなく、割とマジで爺さんの事は忘れていたのである。
それを思い出した理由が、コレである。
家に帰って来たら、Amazonの置き配があって、
ハッ⁉︎ (´°Д°)」 あの時の爺さんが、、、!?
ってメルヘンな想像をしてしまった訳なんですけれども。ええ。笠地蔵ならぬエスカレーター爺? いや、鶴の恩返しならぬ爺の恩返し?
てか、実は助けた爺さんが日本を裏から動かす闇のフィクサーで、、、って本宮ひろ志的な展開もなく、
と言うか、置き配はフォロワーさんからの救援物資(カップ麺)だった訳なんですけどね。ええ。
てか、フォロワー様に二重の意味で感謝。
ワタクシが皆様に助けられているからこそ、ワタクシは爺さんに手を課す事が出来たのだと思ってます。はい。
(´°Д°)」感謝!!
(´・ω・)」 で、、、
(´・∀・)」 催促してる訳じゃ
ないんですケドね? ええ。
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なお、この先には、本宮ひろ志じゃなくて伊藤潤二な話が書かれてます。
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(´・Д・)」 文字を書いて生きていく事が、子供の頃からの夢でした。 コロナの影響で自分の店を失う事になり、妙な形で、今更になって文字を飯の種の足しにするとは思いませんでしたが、応援よろしくお願いします。