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GREAT BLUE
皆さん、こんにちは。アトランティスは認めない。木賃ふくよし(芸名)です。
さて。突然ですが、ワタクシには繰り返し何度も何度も見ている映画があったりします。
おそらくはスタンリー・キューブリック監督の「フルメタル・ジャケット」が最多である。
正直に言うと、繰り返し見てるのは前半だけですが、冗談抜きで100回以上観てます。
後半を含めると20回ぐらいに激減しますけど。
全編通して観ている映画だとF・コッポラの「ゴッドファーザー」のPART 1とPART 2。これはだいたい100回ぐらい観てる。これがおそらく最多だが、PART 3は10回ぐらいしか観てない。
他にはロバート・デ・ニーロの「ミッドナイト・ラン」は50回ぐらい。
キアヌ・リーブスの「ハート・ブルー」も50回ぐらい観てる。同じくキアヌ・リーブスの「ビルとテッド」は「冒険旅行」と「地獄旅行」共に20回ぐらい。
ヴァージョン違いを含むなら、ハリソン・フォードの「ブレードランナー」が30~40回ぐらいだろうか。
近年だと「バットマンvsスーパーマン」を15回ぐらい観てる。←この映画だけはオススメしないが、他の映画はオススメ。
そしてもうひとつ、50回ぐらい観てる映画がある。これも「ブレードランナー」と同じくヴァージョン違いを含むが、計50は観ているだろう。その映画の名は、
「グレート・ブルー」
このタイトルだけだとピンと来ない人もいるだろうが、「グラン・ブルー」と言えば知っている人も増えるのではないだろうか。
やたらと脱ぐ邦画は「ぐらんぶる」です。別物です。
そう。後に「ニキータ」「レオン」などで名を馳せるリュック・ベッソン監督の出世作である。
バージョンが多すぎてワタクシも把握してないが、最初のフランス公開版「le grand bleu」と、英語版「THE BIG BLUE」(これが日本で「グレート・ブルー」として公開)が基本になるが、映画のヒットを受け、撮ったフィルムをほぼカットしていないロングバージョンが存在する。日本ではこれが「グラン・ブルー/グレートブルー完全版」として公開された。
後に、おそらくフランス公開版と同じ内容の物が「グラン・ブルー/オリジナル版」として公開されている。
ワタクシが繰り返し観ているのは、その半分以上が「グレート・ブルー」で、完全版が次点。他のは一回ずつ観たぐらいだろうか。
この映画は実在のダイバー、ジャック・マイヨールをモデルに、素潜りに魅せられた男たちのロマンと友情、そして、海に取り憑かれた男を愛してしまった女の苦悩を描いた作品である。
まあ、どうでもいい情報を追加すると、
(´・∀・)」 ワタクシの
初デートで観た映画。
なお、昭和の田舎だったので、同時上映がトム・ハンクスの「ビッグ」
どちらも面白い映画だったが、クソガキだったワタクシは、
(´°Д°)」 男のロマンに魅せられて
グレートブルーに「どハマり」した。
デートの相手はロマンを解さなかったようで、「ビッグ」の方が面白かったと言ってた。
同意したけど、内心は「そっかー、ロマンがわかんねえかー」って思ってたな。うん。
ちなみにこの映画だとモデルとなったダイバーがいるために誤解されているが、
(´・Д・)」物語は
ほぼフィクション。
特に、主人公の友人でありライバルであるエンゾは劇中でドラマティックな死を迎えるが、実際には事故に遭って医師からダイビングを禁止されたのみに留まり、死んだりはしていない。
ちなみに、エンゾを演じたのはリュック・ベッソン監督作品の常連ジャン・レノ。
素潜りに生き、素潜りで死に、主人公ジャックに看取られ、その亡骸は海へと放たれる。
なお、精神的続編とされる同リュック・ベッソン監督の「アトランティス」って映画は、ワタクシが「早回しボタン」を押してしまった映画、たった2本のうちの1本である。ちなみに、もう1本は「死霊の盆踊り」
さて。
随分と長く話してしまったが、本日の本題はグレートブルーではない。
(´・Д・)」 おでん屋
のお話である。
今から25年ほど前になるだろうか。
当時住んでいた家の近所に、謎のおでん屋が存在していたのである。
謎というと大袈裟だが、単に「営業してるのかどうかが謎」ってだけだ。
と言うのは、まず、建物がどう見ても違法建築っぽいのよね。
正確には、現在の法律で言えば確実に違法建築。いや、ワタクシは建築法には明るくないので正確な所はわからないが、飲食業界の人間ではあるので、今だと確実に、
(´・Д・)」 営業許可が
おりない建物なのよ。
今の、ってか25年前の基準で既にアウトなレベル。
見た目は屋台。屋台に毛が生えた、と言うより、地面から屋台が生えてる感じ。つまり屋台ではなく、掘っ建て小屋とかバラックと言う方が正しい。
そんな感じのおでん屋なので、当然昼間に営業している筈はなく、ワタクシは当時からもう夜の仕事だったため、この店が開いているのを中々確認できなかったのである。
ボロボロのバラックではあるが、ドアなどを観察するに、人が出入りしている形跡は確認できた。
そして、ある日、とうとう営業している所に遭遇したのである。
(´°Д°)」 やったぜ!
これは行かねば!!
おそらく秋口だったと思うが、ワタクシは滅多とないチャンスに沸き立ち、おでん屋の暖簾をくぐった。
(´ー`) いらっしゃい。
いかにも「おでん屋の主人」という風体の、初老の男が挨拶してきた。
店には既に常連と思われる客がいて、ビールのつまみにおでんをつついている。
25年ほど前なので、ワタクシもまだ若い頃。場違いな若造が迷い込んできたと思われたのか、少し店内の空気が悪くなったが、ワタクシも当時は飲食店経営者だったので、冷やかしに来た訳ではない。
(´・Д・)」 ビールと竹輪、
あと、大根ください。
と何のてらいもなく注文し、着席した。すると店主が、
(´ー`) 大根は、浅いのと
よく浸かったの、どっちがいい?
と返してきた。
(´・∀・)」 よく浸かってる方で!
コレ! コレだよコレコレ。
こーゆーのがいいんだよ。シャレた新しく小綺麗なおでん屋もいい。けど、屋台のおでんに求めるのはこーゆーのだよ!
当たりの店を引いた、とワタクシは内心で大喜び。
主人は四角く区切られた業務用おでん鍋から、大根を引き揚げる。
○ヽ(´ー`) コレは、、、浅いな。
菜箸が、思ったより白い大根を掴んだのか、主人は大根を槽に戻す。
○ヽ(´ー`) コレも、、、浅いな。
2回目のサルベージも白い大根だった。しみまくりの大根はない、というオチが来るのだろうか。そう思った時、主人の菜箸が別の大根を引き揚げた。
●ヽ(´ー`) コレは、、、
↑
(´°Д°)」 なんかドス黒い
大根が出てきたんスけど?
いや、浸かってるとかそーゆーレベルじゃなくて、真っ黒なんですけど? ぶっちゃけいぶりがっこより黒いんですけど?
え? いや、それ何日浸かってるのか不明なレベルなんですけど? てか、それは流石にちょっと食っちゃダメなヴィジュアルだと思うんですけど?
コレ食わされる? え? マジ?
●ヽ(´ー`) コレは、、、
●ヽ(´ー`) うん。
●ヽ(´ー`) 浸かりすぎやな。
●ミ ヽ(´ー`) ポイ
ご主人、大根をそのままおでん鍋に再びリリース。
(´°Д°)」 エンゾぉぉぉ!?
濁った出汁の海に、沈み消えてゆく黒い大根を見送るワタクシと主人。
エンゾの魂と肉体が海に還るように、大根もまた、味の海へと消えたのだ、、、。
それ以来、映画「グレートブルー」を見返すたびに、あのドス黒い大根のことを思い出すんだ。
あ。おでんはその後、ちょうどいいぐらいに茶色いのが出てきました。
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なお、この先には「もうひとつのグレートブルー」について書かれています。
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(´・Д・)」 文字を書いて生きていく事が、子供の頃からの夢でした。 コロナの影響で自分の店を失う事になり、妙な形で、今更になって文字を飯の種の足しにするとは思いませんでしたが、応援よろしくお願いします。