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がんばれ!! ダブチくん!!


 皆さん、こんにちは。トリチって言ったら3種のチーズ牛丼だろうが!! 木賃もくちんふくよし(芸名)です。
 さて。いきなりですが、やられました。


 今だけダブチ食べ美に。


 今だけダブチ食べ美とは、ファストフード店「マクドナルド」の公式キャラクター(おそらく日本限定かつ期間限定)である。

 最初見た時は、あまりにもぞんざいな名前、


 何処かで見たようなありきたりなデザインに、


 有名なアニメとかゲームとマクドナルドがコラボしたのだと思ったぐらいである。なので、その時は「ふーん、アイドルマスターか何かとコラボして、そのキャラクターに『今だけダブチ食べ美』なんて雑な名前を付けて弄る感じね。あんまり好きじゃない広告だな」って思ったのだ。
 「今だけダブチ食べ美」って名前も元のキャラクターの名前を弄ってるか、ファンが茶化したものだと思っていた。
 しかし、違った。

 単純に「何処とコラボしたんだ?」ぐらいのつもりで調べたら、



 公式オリジナルのキャラクター。



 (´°Д°)」 マジで!?



 しかも名前も公式に今だけダブチ食べ美。


 アタマおかしいんか?


 そこで初めて、今だけダブチ食べ美の凄さに気付いたのである。
 まず、デザインが、


 (´・Д・)」ありきたり。


 そこがスゴい。

 何言ってんだ?と思われるかも知れないが、ありきたりってのは王道って事である。そして、見方によってどうとでも捉えられる変幻自在の「当たり障りのなさ」は大手の広告塔としての条件を満たしているのだ。
 見ようによっては少女漫画にも萌え漫画にも、人気アニメにもスマホゲーのキャラクターにも見える。そう。一見はありきたりに思えるが、コレはもはや、


 (´°Д°)」魅力要素の
 最大公約数なのである。


 そもそもマクドナルドは「人気タレントを広告に使わない」事で知られる。(近年は堺雅人を起用したりして方向転換している)
 後はドナルド(英名はロナルド)のようなキャラクターを使用しているぐらいで、CMに過度な広告費を使用しない。実際、今回も超有名な漫画家を起用した訳でもないし。

 しかも、その今だけダブチ食べ美が、ドナルドを踏襲したデザインと行動を取る。


 (´・Д・)」あまりにも
 計算され尽くしている。


 実際、ネット上では二次創作の嵐になるほどの人気っぷりだ。
 なので、ワタクシはその計算され尽くした広告の打ち方に「やられた」と感心するばかりなのである。

 で。本題はここからなのだが、今回の今だけダブチ食べ美の騒動により、いつの間にか「ドナルドが表舞台から姿を消していた」という事実にブチ当たり、衝撃を受けたのだ。
 ぶっちゃけワタクシ、あんまりマクドナルドが好きじゃないから、ドナルドが消えていた事に気付いていなかったのである。
 そんな訳で、何故長年の看板だったドナルドが消えたのかを調査してみた。
 

 マクドナルドの広告塔と言えば、真っ赤な髪に白塗り顔の道化師、世界中でおなじみのピエロ・キャラクター「ドナルド」(英名はロナルド。Ronald McDonald)である。

 ドナルドは文字通り「マクドナルドの顔」として長年TVコマーシャルに頻繁に起用されていた。しかしなんと、実は2008年からCMに出演していないのだ。


 (´・Д・)」なんと15年!


 CM界で大活躍をしていたのに、突然パッタリ姿を現さなくなったため、ピエロ役の俳優が何か事件を起こしたのか? と懸念する人も当時はいたとか。いや、中の人がいたのか?

 その歴史を辿ると、元々マクドナルドにピエロのキャラクターが採用されたのは、第二次世界大戦前から。
 アメリカの地方住民にとって「映画と並んで数少ない家族全員で楽しめる世俗を離れた趣味がサーカスの巡業公演だった」ことに由来するらしい。

 そして、サーカスのピエロが扮するコミカルな芸はテレビがない時代、子供達にお笑いを提供できる数少ない貴重な存在だった。ピエロはパントマイム芸がメインだから、言葉を使って笑わせる必要もなく、英語をしっかり聞き取れない子供や移民でも容易に楽しめ、親しみを持てる存在だったのだ、ジョージィ。

 で。実はこの2008年ごろ、米国である騒動が起きていた。消費者の権利や安全を守るため企業活動を監視する市民団体「コーポレート・アカウンタビリティー・インターナショナル」(以降CAI)が、ドナルドの存在を問題視し、企業キャラクターとしての活動を辞めさせる活動をしていたのだ。(米CNN2010年3月30日)

 CAIの代表者は、ドナルドが「約50年もの間、子どもたちを不健康で栄養価が不十分な食品に誘導していた」と批判。
 全米のマクドナルド店舗の外で「ドナルドの起用を中止せよ」との運動を展開すると宣言した。



 (´・Д・)」来たよ、
 キャンセルカルチャー。



 マクドナルド批判の映画「スーパーサイズミー」の公開が2004年。
 アメリカで、サブウェイサンドがマクドナルドを抜いたのが2008年ぐらいだったか。なるほど、時間的な辻褄は合う。

 CAIの声明に対し、米マクドナルドの広報は「ドナルドは昔も今も愛すべき当社のブランド大使である。そしてマクドナルドはミルクや野菜などバランスの良い食生活もオプションとして提案しています。それを購入者は自由に選択できます」と主張。うむ。行かない自由もあるしな。

 もっとも2010年4月15日付の米サロン・ドット・コムの記事では、「反ドナルド運動」が起きた頃にはすでにドナルドの広告起用が取りやめられていたと報じられている。TVCMからは降板し、代わりに社が実施する一部のチャリティーや健康増進キャンペーンへの参加のみに限定されるようになっていたらしい。

 つまり、争いはするものの、世論的に不利と判断し、真っ向勝負を避けた形だ。

 しかし、一方のCAIは、あくまで「ドナルドの完全降板を主張」した。専用のウェブサイトを立ち上げて署名や寄付を募り、マクドナルドに対抗し続けている。怖い。

 我が日本でも、ドナルドは「子どもに大人気のキャラクター」として、永年テレビCMで登場していた。
 しかし日本でも、最近のマクドナルドのTVCMにはドナルドは一切出ていない。
 期間限定のハンバーガーやサイドメニューの宣伝のみならず、子ども向けのおもちゃがついた「ハッピーセット」のおまけにも、ドナルドはもういない。
 近年行われた人気キャラクター投票にさえ、その姿はなかった。マジか。

 では、ドナルド降板劇がCAIの影響かと言うと、実はそうでもない。以下は、マクドナルドを成長させた元社長レイ・クロック氏の言葉。

 「マクドナルドランドに住むドナルドとその仲間キャラクターは、子どもたちを楽しませるためにやって来た。ドナルドを主人公にした新しい「おとぎ話」が次々に紹介されれば、飽きっぽい子供達も常に関心を持ってくれる。子供がマクドナルドを食べたいと強く言いだせば、その親も好き嫌いと関係なくマクドナルドを購入するようになる」

 「子供がドナルドを通じて、いったんマクドナルドの味覚を覚えれば、それは生涯に渡ってプラスの記憶として頭に残る。つまり大人になってもマクドナルドを購入し続けてくれる」

 なるほど。経済成長が他の選択肢を提示する1990年代までは、その戦略は正しかったのである。
 だが、この世代が成長して大人になった1990年代、ドナルドはマクドナルドが期待したようには受けなくなった。
 米マクドナルド社は新社長の元、スポーツ選手や芸能人といった知名度の高い有名人を登用し、「夢の世界の住人ドナルド」は次第に脇へと追いやられ、ドナルドは地位を失い、消えていった訳だ。

 つまり、逆の見方をすれば、CAIとの抗争は「キャンセルカルチャーと戦うマクドナルド」を演出するためであり、ドナルドはそのスケープゴートにされたと言えなくもない。

 日本でも2007年6月以降、ドナルドが消えている(らん・らん・るー♪あたりが最期である)ため、CAIとの抗争は関係がなく、日本マクドナルドの公式発表も「無関係」としている。

 ちなみに、ドナルドは完全消滅したかと言うと「マクドナルドハウス」などのチャリティー施設などで一部起用されているとのこと。

 そして、ドナルドの遺伝子は、


 (´°Д°)」今だけダブチ食べ美に
 受け継がれていったのだ!!


 今だけダブチ食べ美が期間限定で消えるのか、それとも生き残るのか、あるいは世界にはばたけるのか、見守っていきたい。

 (´・Д・)」まあ、マクドナルドがあんまり好きじゃないから、ワタクシはあんまり行かないんだけどね。

 ※ この記事はすべて無料で読めますが、今だけダブチ食べ美に関係なく投げ銭(¥100)ください。
 なお、この先には「あとがき」と「言い訳」しか書かれてません。


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(´・Д・)」 文字を書いて生きていく事が、子供の頃からの夢でした。 コロナの影響で自分の店を失う事になり、妙な形で、今更になって文字を飯の種の足しにするとは思いませんでしたが、応援よろしくお願いします。