いつまで待っても予約客が現れない
皆さん、こんにちは。何回やってもエアーマンが倒せない木賃ふくよし(芸名)です。
さて、いきなりですが皆さんは、
【ノーショウ】
という言葉をご存知でしょうか。
まんま、no-showで、予約客が現れない事を意味します。
おそらくは和製英語だと思うのですが、英語でも通じるのかどうかについては不明。英語に詳しい人に訊いてみてください。
元々はホテル用語だったと思うのですが、近年は「予約客が現れない」事件がニュースになり、このノーショウという言葉も次第に、飛行機や旅行業界、レストランなどで広く使われるようになってきた模様です。はい。
ちなみにワタクシは飲食業界に30年近くいて、このノーショウという言葉は、
まるで使った事がありません。
使われる事はありますし、意味はわかりますが、個人的には、
(´°Д°)」 ブッチされた。
って方がワタクシめのブチ切れ感が伝わって良いかな、と思っております。
※ 予約や約束を反故、無視されること。特にそのまま音信不通になる事が多い。
ブッチの語源については知りませんが、まんま「ブッちぎれた」の略だと思っております。
まあ、要するに予約をすっぽかされたって事ではノーショウと同じ意味。
このブッチ、ノーショウは、サービス業界にとって地獄の苦しみ。
特に飲食業界では、
死ぬほど嫌われております。
類似するものとしては「ドタキャン」「大遅刻」などがありますけれど、これらにはグフとガンダムとνガンダム(ファンネル装備)ぐらいの差がある。
わかりやすくディナーコース¥6000のレストランで説明しよう。
まず遅刻。
コレによって生じる被害額は約¥0~¥20,000である。
レストランの営業時間は大体17:00~23:00ぐらいまで。いくら日本人がさっさと飯だけ食うとしても、コースなら約2時間。つまり、17:00~ 19:00~ 21:00~ という3回転が1テーブルの限度なのである。
要するに、客が1時間も遅刻すりゃ、自動的に2回転に減ってしまう。
「遅刻しても、ちゃんと行きました!」なんてのは、減った1テーブル分を補填してから言って欲しい。
ここで、「最後の21:00~なら遅刻しても大丈夫なのでは!?」とか考える馬鹿がいるので説明しておくと、
スタッフの残業代を計算に入れてるか?
まあ、減らしたテーブル分、スタッフの残業代さえ払ってくれれば特に文句はないのだが、払った上でようやくスタートラインだからな? 勘違いするなよ?
「10万ドルポンとくれたぜ」って客なら遅刻しようと構わないが、遅刻したお詫びに多めに払っていく客なんて殆どいない。つまりは、
(´°Д°)」 遅刻すんな。
続いてドタキャン。
土壇場の急なキャンセルだ。
実はコレ、大遅刻よりマシなのである。
おっと勘違いするなよ? 水4リットルを一気飲みするか、5リットル一気飲みするのとでは4リットルの方がマシって話で、どっちも拷問だからな?
何がマシかと言うと、現場のテーブルの管理が遅刻より簡単なのだ。
遅刻されると、いつ来るか、そして来ない(ブッチ)かがわからない中、次の客を入れていいのかどうか、というテーブル回転の管理が難しくなる。
「来ない」とわかれば、それがないだけまだマシ。
ただし、食材を仕入れていたり、それが特殊なものだったりすると、全部パァになる。
あと、ドタキャンとは言え、
わかり次第すぐ連絡しろ。
すぐだ。1秒でも早く連絡しろ。遅刻と一緒で、それが遅れるごとにリカバリーのチャンスが減る。
言っておくが、「まだ前日だからキャンセルしても大丈夫!」 じゃない。大丈夫じゃない。全然大丈夫じゃない。キャンセルするな。行け。
そして、ブッチ。
三大迷惑客の頂点である。
いわば、遅刻とドタキャンの悪い部分だけを併せ持つ悪魔合体。
テーブルは空きっぱなし。回転を計算しなきゃダメ。食材はパァ。売上はナシ。
何がノーショウだよ。
脳漿ブチ撒けて (´°Д°)」 死んでくるか?
近年はTwitterやSNSなどのお陰で、こーゆー客が晒されるようになったからマシになって来つつあるけど、こんなのは、
当たり前のように
うじゃうじゃいる。
多人数でドタキャンやブッチをかましたから話題になるだけで、
2人客のブッチとか
フツーにいるからな?
今でもいる。たかが2人だからって話題にもならない。
そう。そんなのはよくある話で、同情もされない。だから話題にならない。ってか、店の人間も「たかが2人だから、効果もないし、Twitterで愚痴るほどもないか」とかそーゆー空気。
要するに「万引きは被害額ではなく、窃盗という立派な犯罪です!」とか言ってても、ブッチ客は人数が少ないと見向きもされないのが現実。
万引き被害で店を畳む経営者がいるのと同じく、ブッチ客で、ドタキャン客で、遅刻客で店を閉める経営者もいるのだ。
そして、コレに対して店側が出来ることは少ない。
せいぜい電話番号と名前を聞く事でストッパーにするか、さもなくば泣き寝入りだ。
こーゆー事件がネットで取り上げられると、必ず「電話番号と名前を晒せ!」なんて意見が出るが、現実的ではない。逆に訴えられれば不利なぐらいだ。
だいたい、電話なんて着信拒否にすれば終わりだし、名前なんて偽名を使われてたら終了。被害額が大きければ訴訟も可能だろうが、それも少額だと無理。
だから、一番簡単な方法を2つも、教えてあげよう。
(´°Д°)」 予約通りに行け。
それだけだ。簡単だろう? コレで万事解決だ。さもなくば、
(´°Д°)」 予約すんな。
もっと簡単だろう? うん。超簡単だ。
いいか。現実問題として、店に取れる対抗手段は少ない。
少ないし、コレだけは言っておく。
(´・Д・)」 店は客を疑ってないんだよ。
予約してくれた、嬉しいな。来てくれるんだ、ありがたい。どんなお客さんかな? どんなサービスをしよう。
そう思って予約を受けてるんだよ。予約のたびに「コイツ、来ないんじゃないか?」なんていちいち疑ってないんだよ。
そこを履き違えないで欲しい。
それに、コレも言っておくが、人間生きてりゃ、やんごとなきトラブルは発生する。
もし、実家の母ちゃんが倒れたら、レストランの予約なんてブッチしてでも母ちゃんの所へ駆けつけろ。
交通渋滞に巻き込まれてどうしようもない事ぐらいあるさ。レストランの予約ごときで急いで人を撥ねるより、遅刻しろ。
ぶっちゃけ、お前が直前で彼女にフラれようが知った事じゃないが、きっとそれはお前にとって重大な事件なんだろうよ。それがレストランの予約より大事なら仕方ない。
人間なんだ。下手すりゃ急死してることだってあるかも知れない。
店は、そんな事を疑ってサービスしてるんじゃないよ。
だから、可能な限りでいい。遅刻するな。ドタキャンするな。ブッチするな。そして、やっちゃったなら、リカバーしろ。金だけ払いに行ってもいい。お詫びに改めて食事してもいい。
実際、馴染みの客がブッチ1発かまして、それ以降は来なくなるなんてよくある話だ。
馴染みの店なら、それこそ頭を下げに行け。
そんなに難しい事じゃない。
と、そんな訳で、真面目な話を書いてしまったから、そろそろオチに移行しよう。
先日、KUさんに飯をご馳走してもらったのだが、緊急事態宣言解除直後だったので、人も多く、色んな店の席も結構な割合で埋まっていた。
我々は予約していたし、混み合う前にタイミングよく食事にありつけたのだが、あっと言う間に席が埋まり、後から来る客は断られまくっていた。
正確には、2人席が2テーブル(計4席)空いていたのだが、団体客ばかりが来るので、ずっとその席だけが空いている状態だ。
3客ぐらいが断られた。その直後、失礼ながら、ストリート系ファッション(と言うよりヤンキースタイル)の、いかにもアタマの悪そうな若者が団体で入ってきた。
( ̄- ̄)ノ 「5人なんですけど、いけます〜?」
5人。また断られるパターンだ。対応に当たった店の人間が、
(╹◡╹) 「スミマセン、今ちょっと満席で、、、」
と説明するが、空いてる席があるのも見つけて、ヤンキーくんが食い下がった。
( ̄- ̄)ノ 「いや、席が別れてもイイんスけど、
4:3とかで。
…無理っスか?」
ィャ (´°Д°)」 人数増えとるがな。
店員さんが2席テーブル2つしか空いてない事を説明したら素直に帰って行ったんだけど、「悲報、ヤンキーくん数が数えられない」ってKUさんとめっちゃ笑ってた。
おそらく3:2と言いたかったのだろうと推測されるが真偽は不明。好意的に捉えると「4:1か、3:2でもいい」という解釈も可能だけど、5人で来て4:1とか勘弁してやれよ。
※ この記事はすべて無料で読めますが、珍しく良い話を書いた気がするので投げ銭(¥100)ください。←台ナシ。
なお、この先にはワタクシの経験から語るブッチの真相が書かれています。
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(´・Д・)」 文字を書いて生きていく事が、子供の頃からの夢でした。 コロナの影響で自分の店を失う事になり、妙な形で、今更になって文字を飯の種の足しにするとは思いませんでしたが、応援よろしくお願いします。