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冥土の土産に


 皆さん、こんにちは。冥土喫茶って天国ですか? 地獄ですか? 木賃ふくよし(芸名)です。
 いえ、タイトルで重要なのは冥土の方じゃなくて土産の方ですね。

 土産。


 ワタクシはセコくて歪んで薄汚れて乾いた根性をしているので、土産物、贈り物という意識が非常に薄い。
 なので、人が嬉しそうに、楽しそうに、プレゼントや土産物を選んでいる姿を見ると、いつも心が痛むのである。


 ひとつは、自分自身がけして裕福ではないからだ。
 土産物やプレゼントを買う余裕ってモノがないからである。
 そりゃ、それなりに金さえ持ってれば、別に財布の中身を気にせず土産やプレゼントを買ったことだろう。
 特に年齢を重ねて、もはやいつまでも若輩者の立場に甘んじている側ではなくなってしまったため、これまで諸先輩がたから受けた御恩というものを、若い世代に対して返していかねばならない立場になってしまった今、その金がない事に申し訳なさや情けなさが際立ってしまう。

 だが、それだけではない。
 もし金があったとて、そもそも土産やプレゼントの意義や価値を、近年まで理解できていなかった、と言うのが二つめの理由だ。

 性格に色々と難のあるワタクシは、

 特に欲しくもない
 自己満足の贈り物
 なんかするよりも、

 直接現金を渡す方が、

 合理的で幸せだと


 思ってしまうのだ。


 年齢を重ねて、近年になってようやく、贈り物をする意味を見つけられた体たらくだ。
 もし、かつてのワタクシと同じく、贈り物に意義を見出せない人がいたら、参考にして欲しい。
 贈り物に金額は関係ないのだ。また、こちらの自己満足で贈るものでもない。

 きっとあなたの身近に沢山あると思うのだ。


 欲しいか欲しくないか
 と言われれば、
 たしかに欲しいけど、
 金を払ってまで、
 欲しいとは思わないモノ。


 贈る相手にも、そんなものが、きっと沢山あると思う。値段なんてピンキリだ。それこそ、¥100ショップに行くたびに、実際に買って試してみたいけど、¥100を払ってまで欲しいモノか? とか考えて買ってないモノが。だって本当に欲しけりゃ自分で買ってるし。
 それを頑張って考えて見つけ出す。無論、間違ってしまう事もあるだろう。だが、贈りたいと思える相手のためにそれを考えるのは楽しいし、正解してりゃ万々歳だ。

 だから、金額でもない。自己満足でもない。献身ってほどの事でもない。高額現金よりも重たくない。低額現金ほど軽くもない。自分も楽しめる。
 贈り物の意味ってのはそんな感じなんじゃないだろうかと、ようやく気付けたので、かつてのワタクシのように贈り物の意味を見出せない人は参考にして欲しいと思う。

 そんな訳で、純粋ではないワタクシは、純粋に贈り物を選んでいる人たちを見ると、心が痛いのである。

 特にフォロワーの方々からの救援物資で食いつないでいる、無職のワタクシとしては、贈り物のありがたさが身に染みるのだ。


 そして、そう考える事が出来るようになって、ようやく土産物ってモノに面白い変化が出てきた事に気付いたのだ。
 本来、土産物、特産品ってのは、その場所に行って買うからこそ価値がある訳だが、

 販路を観光客のみに頼るより、
 全国の百貨店やらネットで販売する方が、
 大いに儲かるって現実である。


 つまり、

 もはや土産物は
 何処でも買えるのだ。


 そんな当たり前のことに今さら気付いたのかって? いえいえ、変化はその先です。
 何処でも買える、そんな現在だからこそ、原点回帰が起きている。要するに、


 現地でしか買えない
 という土産が増えているのだ。


 なるほど。百貨店やネットで販路は広げられるし、宣伝もできる。それと、現地でしか買えないってのは両立できるのだ。
 むしろ、A社の製品は知ってるが、現地まで行かないと買えないプレミアム商品がある、となればその価値は余計に高まる。旅行などへの意欲も高まるので一石三鳥と言うところか。

 実際、賞味期限などの関係で直接買うしかないケースもあるし、単にプレミア感を出すだけのものもあるだろう。いずれにせよ、何処でも買える利便性と、ここでしか買えないプレミア感が共存しているのは面白い感覚だ。


 さて。コレはとある知人と、ワタクシと、そして、とある和菓子屋さんとの会話である。




 知人 「そちらで、何かオススメの和菓子はありますか?」
 和菓 「そうですね。当店の商品は全てオススメではあるのですが、強いて言うと、オススメしない注文の仕方はありますね」
 知人 「と、言いますと?」
 和菓 「はい。店頭で最もお問い合わせいただくお声が、【日持ちがするもの】でして。お客様がたのご都合も承知の上となりますが、やはり我々としましては生菓子を販売しておりますから、日持ちする羊羹のような菓子であっても、やはりなるべくお早目に食べて頂きたいものですから」
 知人・ワタクシ 「「おおー、なるほど」」




 そして、数日後ーーー。





 ワタクシ 「そう言えば、あの和菓子屋さんには行かれたんですか?」

 知人 「あー、行った。

 んで、せっかくの高級和菓子だし、あの人とあの人と、それからあの人にも配らなきゃ、で、次に会うのは、、、

 って考えてたら、

 店頭で、


 【日持ちするもの】ください。


 って言ってたわ」





 (´・Д・)」 台無し。



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(´・Д・)」 文字を書いて生きていく事が、子供の頃からの夢でした。 コロナの影響で自分の店を失う事になり、妙な形で、今更になって文字を飯の種の足しにするとは思いませんでしたが、応援よろしくお願いします。