おっさん、舞台に立つ
皆さん、こんにちは。人生は常に裏方。木賃ふくよし(芸名)です。
さて。事の発端は、ワタクシがボクシングの元世界ランカーと試合するかも知れない、という事件でした。(元ボクサーではあったけれど、世界ランカーは法螺。詳しくは覚えてないけど、日本ランキング8位ぐらいだっけな?)
この時、情報集めのため、独自で「近所にボクシングジムがあるから、ちょっと話を聞いてみます」と、
(´・Д・)」井岡弘樹
ボクシングジムに、
行ってくれた人がいる。
劇団黒猫の佐藤トシオさんだ。
この方とは、ネット上でやり取りこそあったものの、会った事はなかった。しかし、本件を通じて顔を合わせる事となった訳だ。
で。実際にお会いして、情報交換したり、互いに自己紹介するなどして、佐藤さんが劇団の主催であると知った訳である。(正確には会う手前から知ってたけど)
で。ワタクシがクラフトコーラを売ってる、って話もしまして。
そこから約1年。
(´・∀・`) 公演の会場で、
コーラ売りませんか?
と声を掛けて頂いたのだ。
(´°Д°)」ハイ喜んで!
と二つ返事をするワタクシ。
場所代はナシ。売上の取り分も0%、かつ交通費も出るので、ワタクシとしましてはプラスしかない。
一応、人手が足りてないから「受付の手伝いだけして欲しい」との事で、その辺は接客業が長いから、
(´・∀・)」 余裕っす!
と安請け合いした訳なんですよね。ええ。てな訳で、10月の11,12,13の3日間、大阪でクラフトコーラを売る事になりました。うん。
ココまで。ここまでは良かった。良かったんだよ。
しかし、事態は10/1に急変した。
スタッフ(裏方)の1人が事故に遭ったらしく、
(´・∀・`) 裏方の手伝いを
お願いできたりしませんかね?
と言う事になり、まあ、舞台の事なんかまるでわからないズブの素人であるワタクシに依頼されるぐらいだから、人手さえあればどうにかなる仕事だと思ったんですよ。
一応、「ワタクシなんかでも出来るんですか?」と確認したら、「シビアな仕事はほとんどありません」との事なので、
(´・Д・)」まあ、販売場所を
無料で提供してもらうし、
それぐらいの恩返しはしよう。
と引き受けたんですよね。ええ。そして10日のリハーサルを込みで、11,12,13日(本番)の計4日間、劇団さんのお手伝いをする事になりました。
さあ、賢明な皆様なら、ここでイヤな予感がした事と思います。
そう。実を言うとワタクシも、少しだけイヤな予感はしてたんですよ。してたんです。しかし、プロが大丈夫って言うからには大丈夫なんだと、信じた訳ですよ。ね。そして迎える10日のリハーサル。
渡される台本。ページ数を見ると、50枚ほど。ざざっとそれに目を通す。
(´・Д・)」んー。
セリフ量からすると、
40~45分って所かな。
一応ワタクシ、映画とか大好きなんで、セリフの文章量から、だいたいの上演時間は推測できる。
ト書き(セリフにない役者さんの動き)は少ない、ってほとんどないし、大してやる事はなさそうだ。うん。イヤな予感は外れた。よし。
てな訳で、出演者さんを捕まえて、ちょっとお話してみた。
(´・Д・)」上演時間って40分ぐらいです?
ト書きも少ないし、セリフ量からすると
45分とかそれぐらいですかね?
すると、演者さんの1人が少し言いにくそうに、
(*´∀`*;) あ、ああ〜、
な、75分ぐらいかなぁ?
って教えてくれたんですが、
(;´・Д・)」えっ? セリフがない所はどんな感じなんです?
(*´∀`*;) 皆で、
走ってますね…!
(;´・Д・)」 ト書きがない。
この時点でとてもイヤな予感が増してきた。そこで、今の話を聞かなかった事にしておき、別の役者さんを捕まえて、同じ事を聞いてみる。
(;´ ▽` ) 80分、いや、
90分ぐらいですかね?
(´°Д°)」たぶん、こっちが正解だ。
そう。最初の人が75分と言ったのは、ワタクシの予想が45分だったため、90分とは言えなくなったのだ。
いや、90分て言うと、一般的な映画1本分よ? いわゆるTVで放映される映画はCM込みで120分の番組となる。
つまり、約20分はCMという休憩が入る訳だ。映画館や芝居だとノンストップで90分。
(´・Д・)」安請け合いしちゃ
いけない系の仕事なのでは?
という不安が増す。しかしまあ、ワタクシはプロである佐藤さんを信じるよ。役者さん(こちらもプロ)が言い淀んだのは気になるけど、ワタクシは佐藤さんを信じるとも。
まあ、現時点では何ひとつわかってない。スタッフさんの数も不明である。状況は不明だが、どうやら、劇団員の他に借りている「ホール」(つまり劇場)のスタッフもいる。
よくわからんが、ワタクシは指示通りに動けばいいだけ。うん。そうだ。そうに違いない。
とりあえず、時間が来て舞台に人が集まる。
だが、そこでとんでもないトラブルが起きたのである。
照明のコントロールが
まったく効かない状態。
(´°Д°)」はい?
どういう理屈かはわからないが、照明を動かすプログラムがまったく働かないのである。
プログラムが動かない、ってのなら理屈はわからなくもないが、何故か、
(´°Д°)」照明が勝手に動く。
完全に暴走状態。
エヴァンゲリオンなの? って言うぐらいに勝手に動いてる。
ちなみにワタクシ、昔の話だが、プログラマーとして働いた経験があり、主に組んでいたのは機械制御のプログラムだったりするのだ。
なので、機械が言うことを聞かない。動かない。変な挙動をする、ってのは理解できるが、
(´・Д・)」命令もしてないし、
信号も送ってないのに動く。
という謎すぎる事態はまるで理解が追いつかない。
そこで照明のケーブルを繋ぎ直したり、色々な対策を講じるが、どうにも上手くいかない。で。この手のトラブルは「あー! ここが原因か!」ってのが判明して、一気に改善されるのが普通なのだが、何故か、
(´・Д・)」少しずつ改善される。
という、更に謎な事態に。
どういう理屈なのか、照明の1つだけが改善されたり、更に1つが改善されると、前の1つが再び暴走したりする。
実際の所はよくわからんが、ワタクシが考える唯一の原因は「変換ピン」ではないかと思う。
要は、機械から照明に命令を出す訳だが、命令を出す機械は「持ち込み」で、照明などの器具は「会場の所有物」もあったりする。
つまり、この2者を繋ぐ命令の変換に問題があるのではないか、という事。
簡単に説明すると、英語をイタリア語に変換したいんだけど、変換ソフトの調子がおかしくて、英語をスペイン語に変換している状態ではないか、という事だ。
しかも、スペイン語とイタリア語が似ているため、まったく通じない訳ではなく、命令がおかしな事になり、照明が暴走しているのではないだろうか。知らんけど。
なお、照明の担当は佐藤さん。
力づくで何とか照明を制御したものの、この照明がまともに動くまで全員、ほぼ何も出来ない状態となり、これだけで約4時間くらいが消費された。
原因は判明しないまま、どうにか照明を制御し、ようやく始まる練習。
ようやくワタクシのまともな仕事が始まる。
「まずここで、このボタンを押して」
ふむふむ。
「キンソンが始まったら、このボタンを押します」
いや、ちょっと待って? キンソンって何? いやいや、ワタクシはライブとか好きだから、上演前にダラダラ流れてる曲が、上演前に「テンション上がってきたわー」って曲に切り替わるのは知ってる。
おそらく「キンソン」ってのは「上演間近を伝えるソング」の「近ソン」なのだとは思うけど、
(´・Д・)」知らんから。
「で。カミからこっちに…」
(´°Д°)」カミシモがわからん!
いわゆる舞台袖の上手(カミテ)と下手(シモテ)である。
いや、ワタクシもカミシモぐらいは知ってるが、滅多に使う言葉でもなければ、咄嗟に感覚がつかめない。更に、客側から見てカミ(右)なのか、舞台から見てカミ(左)なのか、共通してるのかわからん。
しかも、ワタクシの立ち位置は舞台横なので、
(´°Д°)」余計にわからん!
「このタイミングで、このボタンを押します」
うむ? 要は台本にボタンを押すタイミングさえ書いておけばいいんだな? いいんだろ? そうだろ? 佐藤さん!?
「ここでボタンを、4番、一拍置いて、5番、4番と押します」
(´°Д°)」6番じゃないのォ!?
「このタイミングで、ツマミを100から70まで下げてください」
(´・Д・)」えっ?
ボタンを押すだけ…?
「で。ここで6番を押して、3番←を押して…」
「ここはボタンを、タイミングに合わせて同時押しします」
(´°Д°)」 えっ…
ボタンを押すだけの簡単な仕事です。←
(´°皿°)」 騙したなァッ!?
よくも騙したなァァァー!?
(´・Д・)」めちゃくちゃシビアなんですケド?
しかも、失敗できない90分間で、ボタンとツマミの操作が、100回ぐらいある。
ボタンだけで8×5の40個もあり、コレにそれぞれのツマミ操作とか、ONにしたボタンのOFF操作があったりする。
ざっと100回ぐらいは操作する訳だ。
(´°Д°)」無理だろ、コレ。
そんな訳で、ワタクシの地獄の4日間は幕を開けた。(続く)
ちなみに、家に帰ったら、電気料金を払い忘れてて「電気を止められてる」という地獄の始まりでもあった。
(なお、振込表の有効期限が切れており、連休明けまでの4日間、電気が使えない)
(´・Д・)」まさに地獄。
ここから先は
¥ 1,000
Amazonギフトカード5,000円分が当たる
(´・Д・)」 文字を書いて生きていく事が、子供の頃からの夢でした。 コロナの影響で自分の店を失う事になり、妙な形で、今更になって文字を飯の種の足しにするとは思いませんでしたが、応援よろしくお願いします。