金カムエヴリバディ
皆さん、こんにちは。ヒンナヒンナ。木賃ふくよし(芸名)です。
そんな訳で、ようやく皆様に追いつきました!
ゴールデンカムイ!
(´・Д・)」 完結まで読破しました。
率直に言って面白かったです。
この作品に初めて触れたのは、単行本がまだ1巻か2巻しか出てない頃でした。その頃はまだバーを営んでおりましたので、お客様から、
「コレ面白いよ」と勧められたのである。
このお客様からは、「百姓貴族」「山賊ダイアリー」などもオススメされていたので、ハズレの可能性は低い、と言うのが読む前の印象だ。
表紙はたしか、主人公の杉元が軍服で銃を構えているモノだったと思うが、このお客様からは戦争モノの漫画も借りた事があるので、2次大戦物かな、と思ったような記憶がある。
読み始めたら、いきなり203高地から始まって、日露戦争かよッ!と意表を突かれた。
少し読み進めると、脱獄囚たちの肉体に刻み込まれた「刺青」が、アイヌ達の「隠し財産」の在り処を示すと言う、近年見なくなった「宝探しモノ」だ。
1980年代まで、世界は遠く、未知にあふれていた。アラン・クォーターメンや地底探検、水曜スペシャル「川口浩探検隊」に胸躍らせた世代としては、熱くならない訳がない。
タイトルから考えて「カムイの剣」あたりを連想する人も多いだろう。
また、ゴールデンカムイの話の元ネタは、おそらく「1話だけなら神懸かって面白い米国のドラマ」である【プリズン・ブレイク】が着想元ではないかと思う。
(´・Д・)」 オススメなので、第1話だけ観て。それ以降はどっちでもいいです。
で。このゴールデンカムイは、アイヌが隠し持っていた財宝(砂金)を巡って、軍隊と主人公と幕末志士達、そしてその他の勢力もが、血みどろの争いを繰り広げる。これがメイン・ストーリー。
隠し財産を求めて、いくつもの勢力が戦うなんて、インディージョーンズやラピュタなど皆が大好きな要素しかない。
しかも、軍隊は中央の監視をすり抜けて独断行動している。国そのものじゃないところがちょうどいいスケール感。
これに対するは、幕末志士の生き残りども。老いても尽きぬ意志が行く手を阻む。
最初は正直「混ぜ過ぎじゃないの?」と思ったが、読み進めていくうちにクセの強すぎるキャラクタと向こうを張るには、むしろ最高の配役だと思えるようになった。
この辺りでワタクシは、敬愛する船戸与一の「蝦夷地別件」を連想した。
ゴールデンカムイの作者がこの作品にインスパイアされたかどうかは知らないが、後述の理由から、知らないはずはないと思われる。
で。これらの作品で面白いのは「実在の人物との絡み」だ。
「架空の物語」として読み進めていくと、そこに実在した歴史的人物が登場してくる。歴史モノが好きだと、盛り上がるだけでなく、架空のキャラクタの「密度」が上がるのだ。
そして、このゴールデンカムイの味噌(オソマではない)となるのが、アイヌである。歴史的人物だけでなく、舞台装置としても歴史要素を上手に活用している。
北海道の先住民族であったアイヌ。
この描写が、ヤバいレベルなのである。
ワタクシは中学校の頃、類に漏れず中二病を発症した。
神話や民族にハマり、図書室で神話・民話系の本を読み漁り、特にケルトとベドウィンとアイヌに魅せられ、学校の図書室では飽き足らず、図書館で読みまくった。(資料系は帯出禁止が多いので)
ぶっちゃけ、その中で読んだ数々のアイヌの本のどの一冊より、詳しくてわかりやすい。何故なら、物語に要約され、漫画にして図解されているからだ。
相当に勉強していると思われる。だからこそ、蝦夷地別件を知らないはずはないと言える。
そんな訳で、あくまで娯楽漫画だから、何処までが資料として「正しい」かどうかはわからんが、資料としての価値も高い。
(´・Д・)」 こりゃ面白いわ。
しかも、出てくるキャラクタの濃さも特濃。
そして、狩り漫画としても無茶苦茶に面白い。
無論、食う為に狩るから、グルメ漫画としても面白い。
更に、ギャグ漫画としては最高に、
(´・∀・)」 ひどい。
こんなストレートなうんこネタで笑ったの、何年振りだよホント。
そして、これだけ時代背景を勉強しながらも、それが酷いギャグに使われるのが痛快である。何と言う知識の無駄遣い。
この辺は「へうげもの」と同じニオイがする。
そう。とにかくギャグが酷い。ギャグが面白いことは間違いないが、この漫画のギャグの最大の面白さは、酷いタイミングでブチ込んでくる事だろう。
生きるか死ぬかの瀬戸際だろうが、泣ける場面だろうが、お構いナシにブチ込んでくる。
質が高く面白い為に、下ネタ(汚いほう)だろうが、下ネタ(エロいほう)だろうが、下ネタ(ウホッぽい方)だろうが許せてしまう。
それがたまらない。
それで継続して読んでいたが、単行本の刊行を待つのが面倒になり、10巻あたりから読むペースが落ちていたのである。実質、15巻ぐらいで止まってた模様。
そして、今全話無料公開って事で、読んだ。全部読んだ。完結まで読んだ。
(´・∀・)」 面白かった。
掛け値ナシに面白かったと思う。
ハッキリ言えば、ごった煮感は酷い。冒険譚、宝探し、謎解き、バトルもの、アイヌ、歴史もの、幕末志士、スパイもの、ハンティング、グルメ、ギャグ、と具が多すぎる。
しかし、悔しいけどそれが面白いのである。
ワタクシは、このゴールデンカムイという漫画を「ドラゴンクエスト」のような「ファンタジーRPG」だと思っている。
それも、実に質のいいRPGだ。
と言うのも、ドラクエ的なRPGって、そもそもごった煮なのである。
大筋の魔王を倒す話があって、その途中に倒す怪物(戦闘)のほとんどに物語はない。しかし、RPGのメインは戦闘である。
新しい街について、新しい仲間が出来たり、アイテムを手に入れたり、ダンジョンに潜ったり。実は主軸に関係のない要素だらけなのである。
街によってはカジノがあったりするが、物語としては、ほぼ関係のないカジノでも、プレイヤーは本筋を忘れてギャンブルに没頭するだろう。
プレイヤーも、物語を進めたい人がいれば、キャラクタを強くしたい人もいる。
アイテムやモンスター図鑑をコンプリートしたい人もいるだろう。
どれが主軸でも、複数が主軸でも構わない。それがRPGの面白さの1つだと思う。
ゴールデンカムイは、そーゆー点において、実にRPG的だったと思うのだ。
特に、RPGなんて、本筋に関係のない「おつかいイベント」の連続である。中には、「またお使いか」と思ったら本筋だったりもするが、ゴールデンカムイは、どちらにしても「おつかいイベント」が内容の半分ぐらいだと言える。
極端な話、おつかいを全部削ったら、話数は半分以下で纏まるだろう。
しかし、ゴールデンカムイは、このおつかいが本筋と匹敵する面白さなのだ。
いや、一見無駄に思えるかも知れない部分こそが、本筋を彩っており、本筋があるからこそ、おつかいが味わい深くなると言える。
本編のキャラクタであるキロランケが言っていた、
この旅は
無駄では
なかった
いや、結構
無駄なこと
したな
これこそがゴールデンカムイの魅力だと思うのである。
あと1日で無料公開期間が終わりますが、これを読んだ人が1人でも、ゴールデンカムイに興味を持ってくれることを願う。
(´・Д・)」 ちなみに、ご存知の方も多いと思いますが、アイヌは文字を持たない珍しい民族で、それ故に歴史的資料が少なくて困る部分がある。
一方で、文字を持たないからこそ、口伝が重要。
このゴールデンカムイは、割と文字の多い漫画だったりするが、中でも歴史や民族に関する記述は相当な量である。なので読むのに時間がかかる。
そこでワタクシはチョッとした事に気付いたのだ。
歴史や民族に関する言及は、主に四角い枠の「ナレーション」から語られるのだが、
アイヌに関しては、アシリパさんや、キロランケニシパと言った
アイヌ人のキャラクタから
口伝される事が多い事に、
気付いちゃったのである!
( ´・∀・)」 ドヤァ…!
↑ こーゆー深読み系のブログとかYouTube番組、割と嫌い。
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(´・Д・)」 文字を書いて生きていく事が、子供の頃からの夢でした。 コロナの影響で自分の店を失う事になり、妙な形で、今更になって文字を飯の種の足しにするとは思いませんでしたが、応援よろしくお願いします。