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我が愛しのスパイダーマン 10.ワンモア・デイ編


 皆さん、こんにちは。とうとうこの日が来てしまいました。木賃もくちんふくよし(芸名)です。
 来てしまったのです。個人的、スパイダーマン史上最悪の事件について語る日が。

 ええ。ワタクシ、映画「スパイダーマン / ノーウェイホーム」を観て、本当に感動の連続でした。その感動が如何なるレベルだったか、40年もスパイダーマンのファンだったワタクシには、おそらく皆様には少しも伝わらないと思います。
 その長い歴史の中で、素晴らしい作品もありました。駄作もありました。そして、昨日紹介した「クローン・サーガ」のような史上最悪の事件もあったのです。

 ですが、ワタクシはこの「クローン・サーガ」は当時の情報入手の遅れから、ギリギリでリアルタイムの出来事ではなかったのが幸いしました。
 同時進行だったらダメージは倍増したでしょうし、ある程度の悪評は耳に入っていたので、覚悟が出来ている部分もあったのです。

 しかし、

 ネットが普及した時代、ほぼ最新で追っていたスパイダーマンに、再び地獄が訪れます。

 これまでの連載で話してきた「シヴィル・ウォー(原作)」編で、スパイダーマン達、マーベルの世界に大きな変革が訪れます。
 ヒーロー達は法律に従う公務員的立場を取るか、法に反して追われる身となっても正義を貫くか。苦渋の決断を迫られます。

 この中でスパイダーマンは全世界にピーター・パーカーという正体を知られ、その上で、政府からも、恨みを持つ敵からも追われる身となってしまうのです。
 それだけではありません。
 育ての親であるメイおばさんがギャングの凶弾に倒れ、余命幾許の窮地にあります。
 怒り狂ったピーターはいつぞやの黒いコスチュームに身を包み、メイおばさんを襲った黒幕であるギャングのキングピンをボコボコに叩きのめすも、その命までは奪わなかった。

 ※ ここまでは「シヴィル・ウォー」からの前日譚で、ここからが「ワンモア・デイ」の本編。


 これまで多くの試練を乗り越えてきたスパイダーマンですが、これほどのつらい出来事があるでしょうか。
 それでもスパイダーマンは立ち向かいます。
 持てる力を、知恵を、仲間を頼りに、メイおばさんを救う方法を模索する。

 追われる身であるため、病院ではまともな扱いをされず、法外な治療費を要求され、頼りのドクター・ストレンジは力を貸してくれるものの、最終的には首を横に振られる始末。
 相手が敵でも悪党でも構わない。ピーターはメイおばさんを助けるために走り回る。ドクター・オクトパスにも頭を下げた。急がなければ。時間がない。あともう1日。せめて、あともう1日。

 だが、時は無情に流れ、ピーターが死力を尽くしたにも関わらず、このままではメイおばさんが帰らぬ人となってしまう、、、。
 これまでにも、恋人グウェンの死や、宿敵グリーンゴブリンの死や復活、親友ハリーの死、MJとの結婚。様々な出来事を乗り越えてきた。
 しかし、これまで以上にスパイダーマンは孤立し、敵からも政府からも追われる身となり、その上、メイおばさんまでをも失ってしまうのか、、、


 そして、ピーターは、




 悪魔と契約し、
 時間を戻します。




 (´°Д°)」



 (´°Д°)」 は?



 (´°Д°)」 いや、、、



 (´°皿°)」 てめえ!?
 またやらかしやがったのかよ!?



 (´・Д・)」 はい。そんな訳で「クローン・サーガ」事件があったにも関わらず、再びやらかしてくれやがりました。
 
 この悪魔との契約により、

 ・最愛のMJとの結婚
 ・将来生まれる娘の存在
 ・スパイダーマンの身バレ
 ・親友ハリーの死
 ・ウェブの体内生成


 など色々な出来事がなかった事にされ、と言うか、もちろん、



 メイおばさんも

 (๑˃̵ᴗ˂̵) 元気☆に

 なりましたー♪



 って、


 (´°皿°)」 ふざけんなゴルァ!!
 舐めてンのかああァん!?


 オチにたどり着くまでが神展開だっただけに、その失望たるや、結末を知って読んだクローン・サーガよりもショックな出来事でしたとも。


 2回目だぞ! 2回目!!


 ぶっちゃけ、サム・ライミ版「スパイダーマン」が頓挫したので、次の「アメイジング・スパイダーマン」の映画製作に合わせて、スパイダーマンの世界をリセットしたかったのである。
 あと、「シヴィル・ウォー」で不可逆かつシリアスになりすぎた世界を修正する必要もあったのだ。


 要は、これまた大人の都合である。


 わかるさ。ワタクシも大人だ。物語の都合はあるだろうさ。出版社の事情もある。映画との兼ね合いだってあるだろう。
 わかるさ。わかるとも。

 でもね?

 (´・Д・)」 Hey.
 そりゃないぜブラザー。


 事情があるにしても、やっちゃいけない事ってあるだろう? しかも2度目だぜ? 大丈夫でぇじょぶだ、ドラゴンボールがあれば生き返れる、じゃねえんだぜ。

 ちゃぶ台返しにも程がある。
 我らが月島さんでもここまで酷い事はしない。


 50年に渡って愛されたスパイダーマンだからか、50年に渡って愛されたスパイダーマンなのにか。とにかく、スパイダーマン最大最悪の事件は、こうして2度起きたのである。

 そして、こういった事件の原因の多くが、どうしようもなく大人の事情ってヤツなのだ。
 サム・ライミ版が3で頓挫したのも、アメスパが2で打ち切られたのも、クローン・サーガも、ワンモア・デイも、


 (´・Д・)」 全部、大人の事情。


 ドラゴンボールみたいに連載を辞めさせてくれないとか、冨樫みたいに連載を再開してくれないとか、そんなのはまだいいじゃないか。
 大人の事情で殺され、未来を奪われ、過去を奪われるヒーローを見るのがどれほどツラいか。打ち切りはまだマシな方だ。ファンの間では生き続けるから。
 だが、頓挫や、物語や信念を歪められるヒーローは、ファンの中のヒーローが死ぬ。

 避けられない状況もあるのはわかる。だが、やはりコレは、それでも禁じ手だと言わざるを得ない。

 ※ アメコミ的に言うと、単発のパラレルワールドの物語としては、どんな展開でも許容範囲内である。DCがよくやる手法だ。
 また、コレもDCがよくやる方法だが、世代に合わせて、世界全体のリニューアルする。これも許容範囲だろう。
 要するに「アースさえ違えば」割と許せるけれど、本筋のタイムラインでやるのは許し難き蛮行だと言える。


 おわかりいただけただろうか。

 コレがスパイダーマン
 2大失望事件なのである。


 という訳で、ようやくトム・ホランド主演のスパイダーマン「ホーム・カミング」「ファー・フロム・ホーム」とアベンジャーズ「インフィニティ・ウォー」「エンドゲーム」にたどり着けた事になる。


 いや、言い出せば、せめて「スーペリア・スパイダーマン」については語っておきたいとか、「インフィニティ・ガントレット」は必須科目だろ!とか、「オンスロート」は!?とか、「アイアンマン」や「ドクター・ストレンジ」「キャプテン・アメリカ」についての説明が足りてないとか、ホントにキリがない訳なんですが、

 ワタクシの独断と偏見により、「東映版スパイダーマン」「サム・ライミ版スパイダーマン1~3」「アメイジング・スパイダーマン」「スパイダーバース」「シヴィル・ウォー(原作)」「シヴィル・ウォー(映画)」「クローン・サーガ」そして「ワンモア・デイ」に関する強化合宿を終え「ノーウェイ・ホーム」への必修科目は履修した訳ですよ。

 さあ、次回でいよいよ、、、


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 なお、この先には、ほぼ問題ないであろうネタバレが書かれていたりします。


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(´・Д・)」 文字を書いて生きていく事が、子供の頃からの夢でした。 コロナの影響で自分の店を失う事になり、妙な形で、今更になって文字を飯の種の足しにするとは思いませんでしたが、応援よろしくお願いします。