見出し画像

先生、表紙に原稿料は含まれますか?


 皆さん、こんにちは。先生、バナナはおケツに入りますか? 木賃もくちんふくよし(芸名)です。
 さて。コトの発端は知らんけど、なんか「漫画単行本の表紙に対して、出版社からのペイがない!」って話題が定期的に上がります。
 ワタクシが最初に知ったのは佐藤秀峰先生だっけ? 「ブラックジャックによろしく」とか描いてた人、あの人が何年も前にその話で話題になってたのが切っ掛けだったと思う。

 で。ワタクシの中ではその時に色々と調べて「なるほど」ってなってたから、もう終わった話題だったんだけど、なんか定期的に問題にされる模様。

 今回は話題になった発端まで調べてないので、どうやら「支払いの約束を反故にされたらしい」ことぐらいしか知らんのですが、「その辺は後述する」として、この話題になると、多くの人の、


 (´°皿°)」 出版社が悪い!


 と、

 (´°皿°)」 漫画家が悪い!



 って外野の泥仕合が始まる訳なんですけれども、


 (´・∀・)」 出版社が支払わないなら、俺たち読者でお金を出し合おうぜ!


 って話にならないのは、


 (´・∀・)」なんでかな〜?


 って思っちゃう訳ですよ。
 ぶっちゃけますけど、漫画家さんは「無償労働となるとやってらんねえ」ってのが問題になってる訳ですよ。
 その金額をファンが出し合えば、とりあえず問題解決だと思う訳ですね、ワタクシとしては。
 出版社側は「表紙に払う義務がない」ので、その辺の「慣例」が改められるかどうかは一旦置いておきます。ちなみに、なぜ表紙に対価が発生しないのかは、ちゃんとした理由があるので「慣習」で済ませていい話ではないのだが、詳しくは自分で調べてくれ。説明すると文章が長くなるから割愛する。本題じゃないし。

 なお、上記の「ファンが金を出し合う」はクラウドファンディングか何かを想定してますが、別に、


 (´・Д・)」コミックスの値段を
 50円値上げしたら済む話でね?


 50円上げてもいいなら、払います、払えます、って出版社は多いと思うよ。(システムや契約上の問題があるので、そう簡単な話でもないのですが)
 じゃあ値上げしても喜んで買うんか? と。値上げしやがった!とか文句を言わんのか? と。

 ぶっちゃけ外野からゴチャゴチャ言ってる奴は、漫画家(か出版社)に寄り添ったフリして、正義感に酔って「悪」を叩いて気分良くなりたいだけだろ、と。
 50円をケチるセコい小悪党の分際で何をか言わんや、だ。

 そもそも、表紙はともかく「巻末おまけ漫画」とか「作者の好意による読者へのサービス」でしかないんですよ。別に載せなきゃならん義務もないし。
 出版社はページ数合わせの都合でオマケを要求する事はあるかも知れんが、別に強制じゃないし。

 冷静に考えろ。ラーメン屋のバイトが勝手に、好みの顔した客がいたからって、何の権限もなく「チャーシュー1枚サービスしましたー!」なんてやったら、店から給料を天引きされて当然なのよ。まあ、そこまでやるラーメン屋は少ないと思うが。
 コレとは少し違うが、オマケ漫画は作者の読者へのサービスであり、それを出版社に「金を払え!」は違うだろ、って話だ。
 無論、契約内容にも依るが、基本はそーゆー事である。

 で。割と多いのが「漫画家に寄り添ったフリ」で「出版社という巨悪と戦うオレ様は正義!」って連中だ。
 悪いが「出版社は巨悪でも何でもない」し、「降れば金が湧いて出る打出の小槌でもない」のである。
 出版社もフツーの企業だし、儲けの出ない仕事はしたくない。そして、出版社だって、せっかく出版した本はたくさん売れて欲しいのである。
 だから、広告を打ったりしてプロモーションする訳だ。

 このプロモーション費は何処から出るのかね? うむ。当たり前だが、出版社だ。
 さて。あえて同じ質問を繰り返すが、


 この宣伝費って奴を、漫画家が支払ってくれるのかね?


 違うよね? そう。この宣伝費の中に「表紙代」が含まれてれば(漫画家側的に)良いんだけど、諸処の事情から含まれていないのである。(繰り返すけど、何故かは自分で調べてね)

 そう。そもそも漫画家と出版社は敵ではなく、協力関係にあるのだ。当たり前だけど、それさえ見えなくなってる人が多い。
 いや、確かに諸々の事件から、出版社に対する信用度が低下している、って点は否めないし、例外じゃなくワタクシにもある。
 しかし、それってのは業界全体から言えばおそらく少数派。中古車関係で全ての中古車屋がビッグモーターな訳ではないのだ。割合や傾向はあるだろうが、全部の出版社がクズではないし、編集者の全員がカスな訳でもない。
 だとしたら、もっと事件が露見してるだろうし。

 別に出版社を擁護するつもりはないが、「出版社が巨悪」なんてのは、JASRACに対し、「鼻歌を歌ったら金を徴収される!」なんて言ってるようなモンである。JASRACは、ミュージシャンの権利を守る団体であり、リスナーが好き勝手できないようにする団体なのだから。

 で。実際に評判のよろしくない出版社や編集者もいるだろうが、「出版社側の労働」を無視して話すのは全くフェアではない。
 漫画家が出版社がプロモーションしてくれてるって部分を無視するなら、宣伝も経費も売れないリスクも全部、自分で背負って「自費出版」すりゃいいだけのこと。
 そうしてる漫画家も同人作家も結構な割合でいるんだし。

 そーゆー部分をすっ飛ばして「出版社は悪だ!」とか「漫画家側の怠慢だ!」って、


 (´・Д・)」外野が喚いて、
 事態は改善されんの?


 悪いけど、自分が正義の側に立ったつもりで、誰かを叩きたいだけなんじゃないの?
 そんな事をしてる暇や労力があるなら、自分でも実行できる解決策を実行に移す方がいいんじゃねえの? だからワタクシは提案として「クラウドファンディングで表紙代をファンが支払う」のが、即時性が高く、実行可能な問題解決策だと提案したまでだ。

 別に正しいとも思っちゃいない。それ以上の案があるならその方がいい。

 単純に「ファンが買い支える」のが手っ取り早いと思うだけで、出版社と漫画家、両者間の契約内容については、


 (´・Д・)」知らんがな。


 って言うと「正義の使者」さん達は業界の悪習が〜!みたいな事を言い出すんだろうけど、


 (´・Д・)」我々、部外者やん。


 契約は両者間のものだし、業界の事を知りもしない我々が口を出しても、事態をややこしくするだけで、大体はロクな事にならんぞ。実際、論争がそれになってるし。

 そもそも、漫画家は出版社の雇用社員じゃなく、契約内容にも依るが、基本はフリーランス。
 多くの人が誤解しているが、商業漫画家はシステム的に見て、


 (´・Д・)」作品を読者ではなく、
 出版社に売ってる形式なのよ。


 出版社は「読者に売れる」かどうかもわからないような作品や、結果として売れなかった作品にも、金を払っとるんやで。
 単行本化の際には「売れない事が明確」でも、最低部数は発行するし、その印税は売れる売れないに関わらず、発行部数分に応じて支払われる。
 出版社側はそのリスクを負って、それでも発行してくれる契約なのよ。悪い部分だけ引っ張り出してくるのは違うだろ、と。

 で。漫画家はフリーランスなんだから、自己プロモーションとして、無償で表紙を描く事がそんなに悪い事なのかい? と。

 でね? 言いにくい事を言うと、前述の佐藤秀峰先生なんかは例外として、漫画家さんのほとんどは、おそらく無償で表紙を描く事に対して、心情的には特に抵抗なんかないと思うんだよね。自己プロモーションなんだし。



 要は、食い詰めてる漫画家さんが、


 「仕事しても金にならねえんだよ!」



 ってのこそ、根本的な問題だと思うのよ。

 儲かってる漫画家なら、
 表紙1枚分の対価なんて
 気にしないだろうし。


 (´・Д・)」ね?


 だから、クラウドファンディングとかを利用して、ファンが買い支える、ってのが一番現実的だと思うんだよ。うん。

 ※ この記事はすべて無料で読めますが、記事の対価として投げ銭(¥100)してくれてええんやで?
 この先には例外中の例外の話が書かれてます。


ここから先は

129字

¥ 100

(´・Д・)」 文字を書いて生きていく事が、子供の頃からの夢でした。 コロナの影響で自分の店を失う事になり、妙な形で、今更になって文字を飯の種の足しにするとは思いませんでしたが、応援よろしくお願いします。