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我が愛しのスパイダーマン 4.アメイジング後編


 皆さん、こんにちは。インターネット・ウェブヘッド木賃もくちんふくよし(芸名)です。
 はい。早速ですが、映画「スパイダーマン / ノーウェイホーム」が面白過ぎたけど、ネタバレ感想を書く訳にもいかないし、仕方ないのでスパイダーマンが60年の歴史で、どうやって「ノーウェイホーム」へ辿り着いたのか、その軌跡をワタクシの経験と偏見で語る企画もコレで4夜目。

 1〜3はコチラ。


 さて。早まったリブート作品と評された、この「アメイジング・スパイダーマン」ですが、前3部作のサム・ライミ版も批判がなかった訳ではありません。

 ・ウェブシューターを使わない。
 ・ワイズクラックがない。

 この2点はオールドファンから批判されていましたし、映画の内容も、

 ・大いなる力に翻弄されたピーターが大いなる責任に苦しむ。
 ・その代償が、毎回「メリージェーンと付き合えないだけ」
 ・メリージェーンが可愛くない。

 と揶揄されたりもしました。(3でとうとう付き合いますが)


 一方のリブート「アメイジング」も批判ばかりだったかと言うと、そうではありません。だいたい批判なんてのは一家言ある面倒臭いファンか、観てもいない連中がするモンです。
 「前3部作が話題だったけど、1~2を観損ねてたから3も観なかった。新しく最初からやるなら観てみよう」って新規客がいた事は事実ですし、何しろ美男アンドリュー・ガーフィールドと美女エマ・ストーンってだけで獲得できる客層もありましたから。ええ。

 実際、興行収入が悪かったかと言うと、決して悪くはなかったのである。

 問題は、前3部作の高い壁は、スパイダーウェブでも越えられなかったこと。
 そして、制作側の目論んだ数字にも届かなかった事である。

 それだけではない。

 制作費が跳ね上がり過ぎたのである。


 同じアメコミ映画「グリーンランタン」(こちらはDC社)も、多くの人から「駄作」扱いされているが、ハッキリ言ってコレも嘘である。
 多くの人から、ってぐらいに観られてたら、興行収入は低くない。
 実際、ポップコーンムービー(ポップコーンを食いながら観るには丁度いい映画の意)としては充分に楽しめたし、多くの人はそのヒーローの名前さえ知らないのだ。

 つまり、大赤字の記録を樹立した映画だから「つまらなかった」と言われているだけで、ほとんどの人は観てもいないのである。
 そして、グリーンランタンも、制作費がデカすぎた。

 要するに、仕入れ過ぎた魚屋である。
 売れはしたが、期待したほど売れなかったし、目論んだほどは売れなかったのである。いや、グリーンランタンほどでもなかったけど。

 なので、アメイジング・スパイダーマンを観ずに駄作扱いする連中の言う事などに耳を貸してはいけない。



 言っておくが、

 アメイジング・スパイダーマンは駄作だぞ!!




 (´・Д・)」 あれ?


 (´・Д・)」 あ、いや、ココでようやく、話が昨日の続きとなる訳ですが、ワタクシにとって「アメスパ」は愛憎入り混じる複雑な作品なのである。その理由を話していこう。

 前3部作のヒロインはメリージェーンだが、物語が濃密だったため、ボーイフレンドをフラッシュ → ハリー → スパイダーマン(?) → ピーター と2時間で4人と付き合おうとするビッチっぷりを発揮。
 最後にはピーターの方から交際を拒否され、観客の気分が晴れたって話もあるぐらいだ。

 ※ ピーターが交際を拒否したのは、スパイダーマンとしての責務を全うするためであり、MJに対しては未練しかない。


 なおMJは後に、新聞社編集長の息子と婚約までするから、続編でもビッチだった。

 それに対し、本作のヒロインはグウェン・ステイシー。聡明で芯はありながらも、年相応に恋にもオシャレにも振り回されちゃう可愛い女の子。
 前作で濃くて気の強いMJ(演:キルスティン・ダンスト)に対し、正統ヒロイン枠で可愛らしい顔立ち(演:エマ・ストーン)です。

 ヒロイン。物語の華である。

 そう。ココがこの映画の最大のポイントであり、ワタクシが最も感動させられてしまったポイントなのである。
 この映画の最大の魅力は、



 グウェン・ステイシー


 の

 パパである


 ジョージ・ステイシー警部その人だ。


 ニューヨーク市民の生活を守る、NYPDの敏腕警部。良き夫であり、良き父親であり、良き警察官。
 彼は家族をこよなく愛し、ニューヨーク市民を愛している。
 だから、警察でもないのにニューヨークの治安を守ろうとするスパイダーマンという存在を良くは思っていない。
 別に治安を守ってるんだから嫌わなくても、と言う声もあろうが、門外漢から「こんな仕事、プロじゃなくても出来るよ」って言われたら面目丸潰れだし、「プロより素人の方が役に立つ」って顧客に思われたら仕事に支障が出るでしょう? そーゆー事です。

 それに何と言っても、複数かも知れない、覆面を被った得体の知れないスパイダーマンですよ。自警団の自警行為は基本的に犯罪ですから、警察がそれを許す訳にもいきません。しかも、愉快犯や自作自演、売名行為の可能性もあります。
 そして、ステイシー警部からすれば、スパイダーマン本人も「守るべき市民の1人」に過ぎない。危険な自警行為をして欲しい訳ではありません。

 そんな彼の愛娘グウェンに、近頃ボーイフレンドができたと言う。
 交際を応援してやるべきか、反対すべきか。実際会ってみると、顔は良いけど冴えない少年だ。しかもあまり育ちが良くないらしい。だが同時に、悪い子でもないらしい。


 ピーター・パーカー。


 あのスパイダーマンの正体が、この少年ピーターだと、ステイシー警部は知ってしまうのである。そして、スパイダーマンが、ただ善意からニューヨークの為に戦っていた事を知るのである。
 そして、ニューヨークの危機を救うために、スパイダーマンと共闘する警部は、戦いの中で瀕死の重傷を負う。
 傷の深さから、おそらく命が助からないであろう事に自覚はある。
 そこで、警部は少年ピーターに、ひとつの約束を迫るのだった。


 「娘には近付くな」


 その約束は何も、ピーターが気に入らなかったからではない。スパイダーマンが許せなかったからでもない。娘を取られると思ったからでもない。
 ジョージ・ステイシーは、警察官なのである。
 仕事であれば、凶悪犯と銃撃戦をする事だってある
警察なのだ。
 市民を守る仕事には誇りを持っているし、家族も愛している。
 だからこそ、いつ凶弾に倒れ、家族の元に帰れないかも知れない覚悟はしてきた。

 ジョージ・ステイシーには、その覚悟がある。だが、家族はどうだ?
 いつ帰らぬ人となるかも知れない夫や父を持つ家族はどうなのだ?
 いや、自分はまだいい。殉職すればそれなりの金になる。それで家族が困る事はないだろう。

 だが、スパイダーマンは違う。


 いつ悪党どもに殺されるかも知れない。いつ正体が暴かれるかも知れない。正体が知られれば法で裁かなければならなくなるかも知れない。

 そんなスパイダーマンを、娘のパートナーに選ばせる訳にはいかないのだ。だから、死を目の前にして、ピーターに約束させる。


 「娘には近付くな」と。


 ワタクシは、このシーンで胸が熱くなった。
 なんとこのシーンはスパイダーマンの原作コミックスで、

 真逆なのである。



 スパイダーマンの正体を知った警部は、自分の死を覚悟する中で、ピーターに約束させるのだ。

 「娘を守ってくれ」と。



 原作のこのシーンを、警部の想いは同じながらも、セリフを正反対にした改変。このシーンを見た時、この映画の制作陣は間違いなくスパイダーマンを愛していると確信した。
 だから、この改変があっただけで、「アメイジング・スパイダーマン」は最高の映画なのである。

 (´・Д・)」 サイコーやで。


 この後、ピーターはスパイダーマンとして生きる覚悟と、警部との約束を守るため、グウェンと別れ、苦しみ、悩み、そして、



 (´・∀・)」 守れない約束もある!



 って言って、グウェンとラブ❤︎ラブ♡エンド❤︎



 (´°Д°)」 は?



 (´°Д°)」 ・・・。



 (´°Д°)」 は?



 (´°Д°)」 ・・・。



 (´°Д°)」 なんだコレ?



 (´°Д°)」 ・・・。



 (´°Д°)」 なんだコレ?



 (´・Д・)」 ワタクシ、ブチ切れを通り越して唖然呆然ですよ。
 いや、わかるよ? 前3部作がスパイダーマンとしての人生を歩むためにMJとの別れを選ぶ映画だったから、結論を変えたかったのはわかるよ? わかるさ。わかるけどさ。


 (´・Д・)」 そりゃないぜアミーゴ。


 しかも、「やっぱり好きだから、約束は反故にして付き合うぜグウェン!」ってなった時のグウェンの笑顔。


 むっふー♪ (๑˃̵ᴗ˂̵) ピーターとヨリを戻せたの♡


 みたいな顔してんの。


 (´・Д・)」 そりゃないぜセニョリータ。



 パパとの約束ワタクシの感動はどこ行ったのさセニョール。


 いや、それはもういい。全然良くないけど、ワタクシも男だ。死者との約束より、生きてる人間の方が大事だって「ダンサー・イン・ザ・ダーク」で学んだから。それは許すさ。許すとも。


 でもね?

 続編「アメイジング・スパイダーマン2」で、


 良心の呵責からか、警部を死なせてしまった責任からか、


 (゚д゚lll) キミのパパの
 亡霊が視えるから、
 やっぱり別れよう?


 って、


 (´°Д°)」 どーゆー事なの?
 説明してよミサトさん!!


 しかも、1の時にオズコープ社の名前が出てもピクリとも反応しなかったピーターなのに、2で突然現れた幼馴染のハリーと「親友だ」とか言っちゃって。


 (´・Д・)」 ペラい友情だなオイ。


 しかも、親友とか言ってる割にハリーの方は、自分の治療のためにスパイダーマンの血が欲しいだけだったりする。
 いや、それにキミ、ゴブリンじゃなくてモービウスじゃんよ?


 ※ モービウス。血の難病に苛まれ、吸血鬼となってスーパーパワーを得た悪役。基本的に悪人ではないが、スパイダーマンの血を飲めば治療できると思ってる所為で交戦中。なお、モービウスを主人公としたスピンオフ映画が決定している。


 いかん。アメスパは愛憎が深過ぎて2回に分けたのに書き切れていない。

 そんな訳で、明日は「アメイジング・スパイダーマン完結編」+「新アニメシリーズ・スパイダーマン」を併せてお送りしたいと思います。
 新シリーズもアメスパだから問題ない! 問題ない!


 (´°Д°)」 問題ない!


 ※ この記事シリーズは全て無料で読めますが、駄作だったと思ってたけど、アメスパを再評価したい気持ちになった方は投げ銭してくれてもええんやで。
 なお、この先で「新アニメシリーズ・スパイダーマン」のどうでもいい魅力をお伝えしたいと思います。


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(´・Д・)」 文字を書いて生きていく事が、子供の頃からの夢でした。 コロナの影響で自分の店を失う事になり、妙な形で、今更になって文字を飯の種の足しにするとは思いませんでしたが、応援よろしくお願いします。