○だしのゲン
皆さん、こんにちは。タイトルの〇は、はではありません。まるです。木賃ふくよし(芸名)です。
さて。本日はちょいと、友人のゲンちゃんの話をしたいと思う。
ゲンちゃん。ワタクシがまだバーを経営していた頃、常連客だった男である。
友人とは言うけれど、これはわかりやすく説明をするためで、彼とワタクシの間柄を「友人」と称するのは、少し抵抗がない訳ではない。
これは別に彼を好いていないとか、これは確認しようもないが、彼から好かれていないとか、そーゆー訳ではないと思う。
まず単純に、年齢が一回り以上離れているからだ。
先輩後輩と言うにも年が離れ過ぎているし、親子のような、と言うには少し年が近過ぎる。
別に年齢で友人をカテゴライズするつもりもないので、平たく「友人」でいいと思ってるが、何と言うか、フツーの友人とは、やはり感覚が違う感じなのである。
逆に言うと、ワタクシに子供はいないが、息子のような感覚がない訳ではないし、後輩と言えば後輩だと思うし、別に年齢が上だからゲンちゃんよりワタクシの方が格上だ! なんて事も思わない。
(´・Д・)」 いや、少しだけ
格上だとは思うんだけど。
と言うのも、初めて彼と出会った頃、彼はまだ20歳に満たない少年であり、かつ、
(´・Д・)」 挙動不審
だったのである。
何と言うか、落ち着きがなく、いつもキョロキョロしており、人見知りが激しく、とりあえず「保護者! この中に保護者の方はいませんか!?」と尋ねたくなるぐらいで、ネットスラングを用いて表現するならば、いわゆる、
(´・Д・)」 キョロ充
だったのである。
「キョロ充」とはネットスラングで、常に周りの目を気にしたり、いつも知り合いを探してキョロキョロしている大学生などを指す。
いわゆる「リア充」=「リアルが充実している人」に対し、そのグループに属していても、その地位はグループ内でも最下層。何をするにも常に周りをキョロキョロと見回して、1人で行動できないような人のことを指して使われる。
実際、育ちもいいし、頭も悪くない。しかし、何と言うか、結構アホだし、いつも落ち着きがなく、他人の顔色を気にしすぎている節があり、ワタクシとしても放ってはおけない気がしてしまうのだ。
ここで、だから面倒を見てやったなんて偉そうなことを言うつもりはないが、何かほっとけない気がして構ってしまったのは事実である。
そうやって色々と構っているうちに、ゲンちゃんたら妙な所で持ち前の人懐っこさを発揮し、
(´°Д°)」 リア充側に
デビューしたのである。
なんかほっとけない空気を上手に転換したのか、見てて危なっかしい挙動不審者から、多くの人に構われる「愛されキャラ」にクラスチェンジした訳だ。
その後、彼は就職して東京に行ってしまったのだが、以降も何かある度にちょくちょく会う事があり、現在も交流が続いている、という関係である。
まあ、別に「ワシが育てた」とか思ってないし、放っていても何らかの切っ掛けさえあれば彼は「人から愛される素質」を開花させてたと思う。
そんなゲンちゃんなのだが、先日、ワタクシが東京遠征した時にも、せっかく近所に住んでるんだし、とイベントに招待した。
そう。日本最大の食イベントである。
すると、何故か知らんが、ゲンちゃんたら急に、
(´・Д・)」 過去のキョロ充を発動。
めっちゃビビって、オドオドしてる。
普段から食フェスや酒フェスには参加しまくってるゲンちゃんなので、平気だろ、と思ってたのに、イベントの規模の大きさに臆したのか、イベントの性質上、試飲試食だから基本無料!というシステムに気が引けたのか、
1人で、めっちゃキョロキョロしてる。
(´・Д・)」こんなにオドオドしてるゲンちゃんを見るのは、実に10年ぶりぐらいでいる。懐かしいと言うか、面白いと言うか、何とも言えない気持ちが込み上げてくるわ。
ちなみに、この食フェスに知人を数名招待した訳だが、これは素直に、イベントを楽しんでもらいたいと言う気持ちが一番大きい。
しかし、第2の理由に下心がなかったかと言うと、これもゼロではないのである。
と言うのも、いざという時の労働力としての目論見がなかった訳ではない。
ぶっちゃけ、何しろ日本最大の食イベントだ。人手は多い方がいい。いや、実際はブースが狭過ぎて、多くても余らせるだけだったのだが。
しかし、人手は足りないよりは余ってるぐらいの方がいい(人件費を無視した場合の話だ)が、世の中、ただ人手があればいい、という訳でもない。
実際、ウチの場合だと商品知識ゼロでは売り込みには何の役にも立たないし。
しかし、牛乳の事件のように、ブースは離れられないが、買い物には行かなきゃいけない、ってな事態は発生する。
なので「すまんけど、コンビニまで買い物に行ってくれ」とか「トイレに行く間だけ、店番を頼む」とか「暇な時に、サクラとして客のフリをしておいて」なんてお願いをするケースは想定していた訳だ。
だから、別に招待した人を戦力として数えていた訳ではない。
しかし、色んな事態に備えて、居てくれたら助かる瞬間があるだろう想定はしていただけだ。
そもそも、ゲンちゃんを昔から知ってるワタクシ的に、
(´・Д・)」 ゲンちゃんを
戦力として計算に入れるのは危険。
頭も育ちも良い方だと思うが、やらかした失態もたくさん知ってるから、真っ当な戦力として数える事は危険極まりないのである。
ここまで割と良い人物のように書いておいたが、ゲンちゃんってば、親の金で生活し、ロクに働きも勉強もせず、
(´°Д°)」 浪人生活6年。
を送った男なのである。
そう。割と真っ当にクズなのである。戦力として数える方がどうかしてるレベルだ。
そんなゲンちゃんだが、ちょっと他所のブースを見ては、ウチのブースに戻ってくる、と言うキョロ充っぷりを再発していたものの、
(´・Д・)」 アルコールを
無料試飲したあたりで、
再クラスチェンジに成功。
割とご機嫌で酔っ払い、持ち前の愛されキャラを発揮し、色んなブースを回っていたらしい。
なお、ウチのブースにおいて特に緊急事態は発生せず、ゲンちゃんを急に呼び戻すような状況にはならなかったのだが、閉場時間で撤退作業もあり、その後、ゲンちゃんと飯を食いに行く手筈だったので、
(´・Д・)」 閉場30分前に、
戻って来いと連絡を入れておいたが、
(´°Д°)」 ちっとも
戻って来ねえでやんの。
なお、その頃のゲンちゃんはタダ酒に酔ってご機嫌状態になり、色んなブースを見て回ってる最中に閉場時間が訪れてしまい、
(´・Д・)」 会場から締め出される。
という事態になっており、こっちから迎えに行かなきゃならない羽目になりました。
(´・Д・)」 うん。
(´・Д・)」 ぶっちゃけ、
ゲンちゃんを戦力として
計算に入れた覚えはないんだが、
(´°Д°)」 まさか
足を引っ張ってくるとは
流石に予想外だったわ。
(´・Д・)」 まあ、何とか無事に合流して飯を食いに行けました。はい。
ね? ワタクシの方がちょっとだけ格上でしょ?
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(´・Д・)」 文字を書いて生きていく事が、子供の頃からの夢でした。 コロナの影響で自分の店を失う事になり、妙な形で、今更になって文字を飯の種の足しにするとは思いませんでしたが、応援よろしくお願いします。