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LANE for No.2


 皆さん、こんにちは。G.I.ジョーに対抗して、A.I.ジョーズって映画を作りたい。木賃もくちんふくよし(芸名)です。

 さて。今日の話題はこの所、世間を騒がせているアレについての話で、ツイッターからリンクを踏んだ人にはテーマがもうバレている訳ですが、ここは敢えて、テーマを伏せたままお話を始めようと思う。

 まず、ここでひとつの漫画についてお話しよう。その漫画のタイトルは、


 聖闘士セイント星矢


 1980年代、週刊少年ジャンプの看板漫画となった作品のひとつで、ドラゴンボール、北斗の拳、キン肉マン、キャプテン翼、ジョジョの奇妙な冒険、銀牙-流れ星 銀-、海人ゴンズイなどと比肩される程の人気を誇った。

 基本的に、美少年5人が、神秘的な力を持つ鎧を身に付け、命を賭して殴り合い、必殺技を繰り出し相手を倒す、実にジャンプ的なバトル漫画である。
 努力・友情・勝利というジャンプの三大元素を体現したかのような漫画ではあるが、聖闘士星矢が掘り当てた鉱脈は、それではなかった。
 
 そもそも、作者である車田正美先生は既に「リングにかけろ」という超☆ボクシング漫画で、友情・努力・勝利での大ヒット作を世に送り出しており、アニメ化などには至らなかったものの(連載終了から20年以上経過して実現している)、現在も脈々と受け継がれている少年バトル漫画ヒットのテンプレートを作ったと言える。

 また、女と見紛う美形が仲間や敵に多数配置されており、異様なまでのキャラクタ人気を獲得した初の少年漫画だとも言えるだろう。
 無論、これまでにもそこに名を連ねるであろう作品は多数ある。しかし、「あしたのジョー」はジョーと力石の2人の人気が以上で、準主役や脇役に爆発的な人気はなかった。
 「ベルサイユのばら」などは、準主役たちにも絶大な人気はあったが、少女漫画だったし、脇役にスポットが当たったとは言いづらい。
 そーゆー意味でも、車田正美は「友情努力勝利」「キャラ人気」という鉱脈を掘り当てた天才なのである。また、異様なまでの女性人気を獲得した少年漫画としても名高いのだ。

 それだけではない。車田正美は、続く「風魔の小次郎」にて、更なる鉱脈を掘り起こした。

 主人公たちが持つ「武器」である。


 残念ながら「風魔の小次郎」も人気が一歩届かず、アニメ化までは至らなかった(これも連載終了後にOVA化)が、主人公たちだけでなく、各々が持つ特有の武器にも名前と個性を与え、着実にその城を盤石のものにしていったのである。

 そして、大失敗の打ち切り作品となる「男坂」(30年の時を経て連載再開)を経て、「聖闘士星矢」にたどり着いた。

 「友情努力勝利美形武器」 車田正美に足りなかったものは何か?


 スポンサーを納得させるに値するギミックである。


 そう。聖闘士星矢には、主人公たちを超人に変える鎧「聖衣クロスが存在する。
 この聖衣こそが、玩具会社を乗り気にさせる最強の武器となったのだ。

 組み方で動物などのフォルムとなり、分解すると鎧になる。
 このガジェット的要素こそ、車田正美初のアニメ化作品となる大きなきっかけになった事は言うまでもない。

 その爆発的人気は、実に多くの類似作品を生み出した。それぞれのファンが気を悪くするかも知れないが、

 「鎧伝サムライトルーパー」「天空戦記シュラト」「獣戦士ガルキーバ」など数え上げればキリがないほどで、


 美少年5人(ぐらい)が神話的な力と武具(玩具向き)に導かれ、友情と努力の力で必殺技名を大声で叫び、勝利を手にするというテンプレ中のテンプレを生んだと言っても過言ではない。

 武具をロボットに変えたら「ガンダムW」だし。


 全ての要素とは言わないし、始祖とも言わないが、これ程までに「売れる条件」を満たしたテンプレートを見せつけた作品は聖闘士星矢を置いて他にないレベルだ。

 何を以って類似作と言うかは別として、後続の類似作が数多く生まれたのはその証拠と言えるだろう。
 実際、車田正美自身も焼き直し的な「サイレントナイト翔」や「B'T-X」を作った訳だし。

 ここで問題なのは、類似作が多く輩出された、という点である。

 人は、類似作品が出るたびに、事実か否かを別として、「パクリだ!」と叫び、忌み嫌う傾向がある。しかし、そうやって忌み嫌われている事が本当なら、なぜ類似作・パクリ作品が横行するのか。

 これには幾つか理由がある。

 ・それが元祖になる人がいるから。


 簡単だ。始祖となる作品の方が先にある一方で、その作品が連載終了してたら、類似作の方を初めて見る世代が登場するから。誰もが源流まで遡るなんて行為をする訳じゃない。


 ・教科書だから。


 ヒットしたんだから、教科書として、その手法を真似ればヒットするはず。少なくとも、手探りで始めるより、マトモで失敗の可能性は低くなる。


 ・ヒット作にはアンチが存在するから。


 世の中には、しょーもない理由をつけて、マクドナルドには絶対行かない。コカ・コーラは絶対に飲まない。というタイプが存在する。理由は簡単。一番人気が嫌いだから。そーゆータイプには、一番人気でさえなければ「俺はあっちの方が好きだな」と言ってもらえる。

 

・ヒット作だから。


 コレからこーゆーのがヒットします! って言葉は信用されませんが、今、こーゆーのが大ヒットしてます! はデータが出せる。つまりそれは、スポンサーを納得させるのに一番大事な要素となるのだ。

 ・俺の方が上手くやれるから。


 ヒット作を見てしまったクリエイターの多くは、

 (´・∀・)」 嫉妬する。


 作品、もしくは作品のヒットにである。
 その作品を面白いと思っていてもいなくても、多くのクリエイターはそこで考えてしまうのだ。


 (´°皿°)」 俺の方がもっと面白い作品が描けるのに!


 ってな感じでね。
 つまらない、と感じたのなら、「似たような設定で、俺の方が!」となるし、面白い!と感じても、「この設定、俺だったらこうするなぁ、、、」となる。つまり、似せたいと言うより、同じ土俵で戦ってみたい。
 そーゆーモノなのだ。

 つまり、類似作やパクリは必ずしも悪意がある訳ではなく、純粋な対抗心だったり、リスペクトだったり、触発だったりするのである。

 さて。長々と語ったが、今からがようやく本題だ。


 本題は、最近話題沸騰のA.Iによる自動イラスト作成についてである。


 ぶっちゃけ、どんな漫画家もイラストレーターも、誰からの影響ひとつ受けず、プロになった奴なんていないだろう。
 多かれ少なかれ、絵柄や作風に影響を受けた人物や作品がある。
 万一に、それがない言う人がいたところで、先人の影響を受けずに作品を作るなんて不可能だ。モデルにした作品はなくても、モデルにした実在の人物や事件の影響までないなんて事はないだろう。

 つまり、何を以って学習なのか、リスペクトなのか、パクリなのかは判断できないが、模倣こそが創造の始まりなのである。


 (´・Д・)」 えっ? 全員模倣だから、

 A.Iの模倣も認めるって話?


 (´・Д・)」 いえ。全然そんな話はしてません。


 皆さん、妙に思った事はないですか?

 近年、イラストを描くA.Iが急増したな、と。


 無論、絵を描くA.Iが登場したのはもっと昔で、その技術が一般化したと言う方が正しい。
 コンピュータの性能が上がったとか、何らかの技術が公開されたとか、あるいは、話題性があるから目立っていなかったソフトにも陽が当たっているだけ、という事もあるだろう。

 だが、こんなにも多くのソフトウェアが、同時に開発を終えて発表なんて偶然は有り得るだろうか。

 (´・Д・)」 いや、ない。


 シンクロニシティじゃ!って言えなくはないけれど、そうじゃない。
 簡単な話、ネタバレしたのである。

 わかりやすい話、読んで字のごとく、手品のネタバレだ。
 手品ってのは基本的に、古典的な技術の組み合わせで新しい手品となる。新技術も導入されるが、新技術だけで成立するマジックは少なく、古い技術の礎あってこそだ。

 だが、手品師たちもプロである。


 新しい手品が披露されても、古い技術の組み合わせ方から、タネを見抜く人が山ほどいるのだ。料理を食って原材料を推測する事に近いだろう。
 そして、その中に全く新しい技術が導入されたとて、

 (´・Д・)」 逆算すれば、自分の技術では出来ない事が、新しいタネの正体と言うことになる。
 つまり、料理に使われている食材が不明だとして、他の材料が全て判明すれば、残った味から、正体を突き止められる可能性が上がる訳だ。

 ミステリで言えば、容疑者が減るごとに、犯人を当てられる可能性が上がる。


 A.Iのプログラミングどころか、プログラミングに限らないが、実物を見た瞬間に、


 (´°Д°)」 あっ!? この手があったか!!


 と瞬間的に構造が理解できるケースさえあるのだ。
 わかりやすい話、誰でも思いつけたはずのアイデア商品がソレに該当する。

 最たる例で言えば、使った事がない人も少ないだろう、LINEスタンプ。

 今までは画像フォルダから画像を貼るだけで、何の問題もなかった。

 それに価格を付けただけで、ヒット商品になった訳である。

 特典と言えば、ユーザーが少し使いやすいぐらい。それが金を産む魔法になった。

 まあ、LINEスタンプはラインがヒットさせただけだが、アイデア商品の場合、他者に真似されたらたまったもんじゃない。だからこそ特許が存在するのである。
 そして、そう言ったアイデアの全てが特許を取得出来る訳じゃないのだ。

 そこに必要なのは、


 1番のブランドになること。

 1番最初に思いつくこと。


 そして、


 1番最初に実現すること。


 要するに、

 (´°Д°)」 1番じゃ
 なきゃダメなのよ!


 って事であり、さもなくばイニシアチブ奪われ、名声を奪われるのだ。


 (´・Д・)」 2番じゃ
 ダメな事は沢山ある。


 って事を、お絵描きA.Iという目の前の現実を通して、説明したかったのである。
 「2番じゃダメなんですか!?」って言ってた人がいたなあ、と。

 ※ この記事はすべて無料で読めますが、ワタクシは何に関しても、特に1番じゃなくていいので、投げ銭(¥100)が入ってくれれば、ぶっちゃけ何番でもいいです。はい。
 なお、この先には衝撃の事実が書かれています。


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(´・Д・)」 文字を書いて生きていく事が、子供の頃からの夢でした。 コロナの影響で自分の店を失う事になり、妙な形で、今更になって文字を飯の種の足しにするとは思いませんでしたが、応援よろしくお願いします。